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金箔とは?5つの特徴
金箔は、金を極めて薄く延ばしたもので、主に伝統工芸や装飾品、建築の装飾に使われています。その黄金に輝く箔を足すことで、商品の美しさが上がり高級感を演出してくれるのです。
製造方法は2種類ある
金箔の製造には二つの方法があります。一つは「断切(たちきり)」で、カーボン紙と木型を用い、専用の器具で垂直に金箔を断ち切る方法です。これにより、大量の金箔を効率よく製造でき、全体の約80%がこの方法で生産されます。
もう一つは「縁付(えんつけ)」で、この方法は2020年にユネスコ無形文化遺産に登録された伝統技術です。金箔を竹枠で一枚ずつ切り、箔合紙にのせることで、凹凸のある美しい金箔が作られます。
銀や銅も混ぜる
金箔は純金だけで作ることも可能ですが、市販の金箔には、微量の銅や銀が添加されています。これは、金箔を打ち延ばしやすくするためです。純金は非常に柔らかく延びにくいため、銅や銀を加えることで適度な硬さと変形抵抗を持たせています。
さらに、銀や銅を混ぜることで金箔の色調が変わります。金の純度が高いと赤みを帯びた黄金色ですが、銀が多いと赤みが薄れ、銅が多いと赤みが強くなります。
金箔の種類によっては、金が約98%、銀と銅がそれぞれ0.5%のものや、金が約58%、銀が42%のものもあります。このように、金箔に含まれる金の量はそれぞれ異なります。
つまり、含有する金の割合や混合金属の種類によって、金箔の価値が変わるのです。
食用と工業用の2種類ある
金箔は、食品や化粧品に使われる食用と、工芸品や装飾品に使用される工業用に分けられます。
食用の金箔は人体に無害であることが求められ、製造過程や品質管理が厳格に定められています。蓄積すると有害となる可能性のある銅を含まないことが多く、安全性が確保されています。
具体的には、金の含有量が94.43%以上の、4号色以上である金箔が使用されています。そのため、食用金箔は安心して利用することができるのです。
純度はカラットで表記される
金箔の純度も、他の金製品と同様に「K(カラット)」で表記されます。たとえば、K24であれば純金を意味しています。
しかし、金箔は純金だけで作られることは少なく、一般的には他の金属が混ぜられています。
金箔のほとんどが金沢で製造されている
伝統的な技術によって、金沢で作られる「金沢箔」は約400年以上の歴史を誇ります。
現在、国内の金箔製造の99%を金沢が占めており、金沢箔はその高い品質と伝統的な製法で広く知られ、国内外で高く評価されています。
金箔の種類
金箔にはさまざまな種類があり、純度や価値もそれぞれ異なります。まずは主な種類を把握してください。
<金箔の種類>
金 | 銀 | 銅 | |
---|---|---|---|
K24 | 99.9% | 0.00% | 0.00% |
五毛色 | 98.91% | 0.49% | 0.59% |
一号色 | 97.66% | 1.35% | 0.97% |
二号色 | 96.72% | 2.60% | 0.67% |
三号色 | 95.79% | 3.53% | 0.67% |
四号色 | 94.43% | 4.90% | 0.66% |
三歩色 | 75.53% | 24.46% | 0.00% |
定色 | 58.01% | 41.99% | 0.00% |
金の純度(割合)に合わせて買取価格が変わるため、こちらも参考にしてください。
<金の純度>
純度 | 金の含有率 |
---|---|
K24 | 99.9% |
K22 | 91.7% |
K20 | 83% |
K18 | 75% |
K14 | 58.5% |
K12 | 50% |
K10 | 42% |
金箔と金粉の違い
それぞれ異なる特徴がある金箔と金粉ですが、日本の伝統工芸や現代の料理、スイーツなど、その見た目をより一層引き立てるために使われることがあります。
・金箔
金箔は金を金槌で叩き、極限まで薄く延ばしたものです。1グラムの金で畳2枚分の広さが作れるほどの薄さです。
金箔は江戸時代から金沢で製造され、伝統的な工芸品や装飾に使用されてきました。最近では、食用金箔や化粧品にも使われています。
・金粉
一方、金粉は金をやすりで削って粉状にしたり、金箔を粉砕して作られます。主に工芸品の仕上げや、料理、スイーツの装飾に使われます。
金粉の生成には化学的な方法もあり、少量で華やかな効果を演出できます。
金粉はどのような味?
近年、料理やスイーツに金粉や金箔を添えることが増えています。なぜなら豪華でフォトジェニックなため、特別なひとときを演出してくれるからです。
生産地である金沢では、金箔をたっぷり使ったソフトクリームが注目されています。また、金箔を使ったお菓子や料理、お酒、化粧品も人気です。
・味や香りはない
厚生労働省は金粉や金箔を食品添加物の着色料として認可しており、食べても特に問題はありません。金粉や金箔は無味無臭で、口に入れても違和感を感じることはありません。
・食感に影響はない
金粉は細かい粒子であり、金箔も非常に薄く引き延ばされているため、料理の食感に影響を与えることはほとんどありません。
見た目のインパクトが強いものの、実際には食材本来の風味を損なわずに楽しむことができます。
金箔や金粉は買取できる
一般的な地金やインゴットと違い、金箔は査定基準が異なります。多くの買取業者では、金箔を「金」としての価値ではなく、装飾品や工芸品としての価値、もしくは素材としての価値に基づいて評価しています。
また買取される際は、金の含有量や純度によって価格が決まります。買取業者は専門的な分析装置をつかい、金の含有量を正確に測定し、現在の市場価格に基づいて買取価格を設定します。
まずは、金箔や金粉の取扱いに詳しい貴金属専門の業者や、美術品に精通している業者に相談するのが良いでしょう。
金箔・金粉の買取相場
金箔や金粉の売却価格は、金の含有量や純度によって価格が決まります。そして金箔は極めて薄く脆く軽いため、重量を1枚ごとに計測するのは困難です。金粉も同様で、評価するには相当量が必要となります。
ゴールド精製上がり | 10,670円 |
金糸 | 500,000円 |
ショット金 | 250,000円 |
金箔 | 150,000円 |
※記載は参考価格となり買取価格を保証するものではありません。また、買取大吉では一部買取できない店舗がございます。
食用の金粉でも買取対象
食用の金箔や金粉は買取の対象になりますが、業者によっては受け付けていない場合もあるため注意が必要です。
また、「10g以上」や「未開封に限る」など、買取条件が設けられていることがあります。食用の金箔や金粉を売却する場合は、事前に業者に問い合わせて、買取条件を確認することをおすすめします。
金箔の純度の調べ方
金箔の純度を正確に調べるには、専門の機器を使って金を溶解し、科学的に成分を分析する必要があります。しかしこの方法では金箔が溶けるため、再使用することはできません。
もし、金箔を売却する際、事前に純度確認を求められたのなら、後の用途や必要性を考慮して、信頼できる専門機関で分析を依頼した方が良いでしょう。
金箔や金粉は買取できない場合もある
金箔や金粉は業者によって買取を行っていないことがあります。金はジュエリーなどに再利用可能ですが、金箔や金粉は買取不可の店が多いため、事前に確認することが重要です。
金の含有量がわかりにくい
金の買取価格は、純金の含有量により大きく変動します。買取価格は基本的に査定日の金相場を基に決定されるため、店舗間での大きな差はありませんが、含有量によって価格が異なります。
また、金箔や金粉の場合、含有率がわかりにくいこともあげられます。なぜなら、美しさや加工性を向上させるために他の金属が混ぜられることが多く、金の含有量は数パーセントにとどまることもあるからです。
そのため、買取額が予想よりも低くなる可能性があるでしょう。
分析を行うので形状が変わる
金箔や金粉の含有量を調べるために、買取業者は精錬分析を行います。この過程では、焼却や薬品に溶かすことで金などの貴金属を抽出します。
そのため、金箔の状態で査定を受けた後、元の形状に戻ることはありません。これは、正確な含有量を計算するために不可欠なプロセスです。
金価格は日々変動しますが、2024年8月現在、上昇傾向にあります。金箔や金粉でも一定量があれば高額買取の可能性がありますが、形状を保ったままの査定は難しいでしょう。
まとめ
金箔や金粉も買取が可能ですが、精錬分析によって形状は変わってしまいます。しかし、含有量によっては高額買取の可能性があるため、もしも自宅に気になる金箔や金粉があるなら、ぜひ「買取大吉」にご相談ください。