金の価値とは
金は価値の変動が小さく腐食しにくいことから、保管しておく現物資産として注目を集めています。金地金、インゴットの購入を考えている方の中には、税金がかかるのかどうか、またどんな税金がかかるのかが気になっている方もいるかもしれません。金地金の購入や売却、相続、贈与時にはどのような税金がかかるのでしょうか。金地金の購入をお考えの方は、今後、金地金にかかる可能性のある税金について知っておきましょう。
金は課税対象なのか
金のご購入、ご売却で発生したお金には、税金がかかります。個人が金で得た利益に対しての税金は、国税庁によると以下のように定められています。
「給与所得者などが持っている金地金を売却した場合の所得は、原則、譲渡所得として課税されます。給料など他の所得と合わせて総合課税の対象になります。
(引用:国税庁)
税金は大きく分けて4つあります。
1.「消費税」
会社が金地金を購入、売却する際には消費税が発生します。税額は購入金額の10%となります。では、個人事業主や個人はどうなるのでしょうか。個人事業主は課税されますが、納付免税枠が1,000万円設定されています。一方、個人は、金地金を購入しても消費税の納税義務はありません。
2.「所得税」
金地金を売却して利益を得た場合に、所得税の課税対象となる場合があります。所得税は、事業所得、雑所得、譲渡所得のどの所得に該当するかによって変わってきます。
◆事業所得
会社などが事業として金地金を売却した場合、所得税が課税されます。
◆雑所得
営利を目的として、継続的に地金を売買している場合は雑所得に分類されます。課税方法は他の所得と合算して税額を計算する総合課税になります。金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は、金地金の現物の譲渡とは異なり、実態は金融取引に近いことから、金融類似商品の収益として「源泉分離課税」扱いになります。税率は一律20.315%(所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税5%)となります。
◆譲渡所得
法律上、金地金を所有している個人が金やプラチナの地金を売却して得た利益分の金額は譲渡所得となります。営利目的で継続的に地金の売買をしていない場合、会社員など個人で地金を売買した場合の利益は、この譲渡所得にあたります。
◆特別控除
譲渡所得には年間50万円の特別控除枠があります。つまり、保有していた金地金の売却による利益が50万円以下の場合、金地金の保有による利益に対して所得税は課税されません。反対に利益が50万を超える場合は、所得税が課税されます。
◆保有期間による計算法の違い
譲渡所得は、その金地金の保有期間により2種類に分けられます。・長期譲渡所得:売却した地金の保有期間が5年超であった場合
◆短期譲渡所得
売却した地金の保有期間が5年以内であった場合長期譲渡所得でも短期譲渡所得でも売却益が同じだった場合、長期譲渡所得の税率は短期譲渡所得の2分の1に相当します。このことから、一般的に地金の保有は長期的に行うほうが経済的であるといえるでしょう。
3.「相続税」
地金を含む現物の金を相続した場合、金は資産とみなされ相続税の対象となります。被相続人死亡日の買取額の時価が所得とみなされ、その額に相続税が課されます。ただし、相続税には基礎控除があります。平成26年12月31日までと平成27年1月1日以降とでは税率が異なります。
(参照ページ:国税庁「No.4155相続税の税率」)
4.「贈与税」
金地金を贈与すると、贈与を受けた人に、贈与時の地金の時価を評価額とした贈与税が課されます。相続税と同様に、贈与税には非課税枠が設定されており、評価額が年間110万円以下の場合、課税はされません。
◆購入どのような税金がかかるのか
お店で購入時は、消費税も他のものとどうように掛かります。個人間においては、消費税について特別に税務署に申告する必要はありません。ただし、短期間で何度も売買を繰り返すと納税の義務が発生する場合もあります。
◆ご売却のタイミングだとどのような税金がかかるのか
基本的に税金はかかりません。ご売却時も、200万円という金額を超えない限り、問題は御座いません。超えてしまう場合は下記をご覧ください。平成23年6月に成立した税制改正において、「金地金等の譲渡の対価の支払調書制度」(所得税法第225条第1項第14号)が創設されました。平成24年からの同法施行に伴い、お客様が金地金等をご売却された場合に、お客様への支払金額が200万円を超えるものについて、ご本人様確認と税務署に支払調書(お客様の住所・氏名、地金種類・数量・支払金額・支払確定日を記載)を提出させていただく義務が生じることとなりましたので、ご了承いただけますようお願い申し上げます。ここ数年、金価格は上昇していることから、手持ちの金地金や金貨を売却して、譲渡益を得る方も多いと思われます。
金を売却した場合の確定申告のときの税金の取扱いについてご説明をいたします。金地金や金貨を売却した時は、一般のサラリーマンなどの個人の方が譲渡した時には、譲渡所得として扱われ、給与などの他の所得と合わせて総合課税の対象になります。一方、営利を目的として継続的に金地金の売買を行っている場合には、その実態により雑所得又は事業所得として扱われます。また、金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は、金融類似商品の収益として扱われ、一律20%(所得税15%、地方税5%)の税率による源泉徴収だけで課税関係は完結します。
◆金の所得から利益が発生してしまったとき
保有していた金地金や金貨を売却された際に売却益が発生した場合には、その取引の状況に応じて「譲渡所得」「雑所得」もしくは「事業所得」のいずれかとして扱われます。通常、一般的なサラリーマンなどのケースでは譲渡所得、営利目的で継続的に売買しているケースでは雑所得、事業として売買しているケースでは事業所得に区分されます。課税される譲渡所得金額のケーススタディ給与所得者などが保有していた金地金や金貨を売却した場合に得た利益は「譲渡益」となり、他に該当する譲渡益と合わせ、年間50万円の特別控除枠があります。特別控除枠を超えた分は譲渡所得となり、他の所得と合算して総合課税の対象となります。ただし、保有期間によって課税対象となる譲渡所得の算出方法は異なります。
短期譲渡(保有期間が5年以内)
譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除
例)3年前に100万円で購入した金を200万円で売却 (=譲渡価額)
200万円-(100万円+0万円)-50万円=50万円
長期譲渡(保有期間が5年超)
{譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除}×1/2
例)10年前に100万円で購入した金を200万円で売却 (=譲渡価額)
{200万円-(100万円+0万円)-50万円}×1/2=25万円
いずれも手数料がかからない重量の金を売買した場合です。課税される雑所得金額のケーススタディ。金の売買を「事業として」は行っていないが、「営利を目的に継続的に」行っている場合には雑所得として扱われます。この場合の計算式は下記のとおりです。
総収入金額 - 必要経費
売却益の取扱いについて、さらに詳しくお知りになりたい場合は、下記の国税庁ホームページにてご確認いただくか、最寄りの所轄税務署にお尋ねください。
まとめ
ご売却の時、相続の時なども税金が発生してしまうので、詳しくは税務署などにご相談を。