金の採掘方法について
1、山での採掘
日本では佐渡金山(新潟県)鴻之舞金山(北海道)菱刈鉱山(鹿児島)が有名ですが、ひ押掘り(鉱脈に沿って採掘する方法)と坑道掘り(地中の鉱脈をめざして坑道(ドンネル)を掘り進める方法)が現在主流となっております。同時に大量に湧き出る地下水の排出も必要不可欠です。また現在では、爆破によって効率よく採掘する方法が世界中で用いられています。しかしながら、爆破によって環境破壊も問題視されており今後規制される可能性もあるかもしれません。
2、川での採掘
山までの採掘と同様に古くからおこなわれているのが、川での採掘です。昔金鉱山がある(あった)・温泉が近くにある川では川金が眠っている可性があります。日本では立谷沢川(山形県)ウソタンナイ川(北海道)が有名な採掘地です。また、身近なところでは多摩川でも金が採れます。
ちなみに、薄い濃度ではありますが、海水にも金が含まれています。地球全体の海水の量から考えると、金を50億トン採取できるとされていますが、現段階では海水から採算に見合った方法で金を採取する技術はまだ確立されていません。もしも将来的に海水から金の採掘技術が進歩したら、金の埋蔵量は大幅に増えるでしょう。砂金ツアーをおこなっている会社もありますので、金が注目されている今ぜひ体験してみてはいかがでしょうか。
金の採掘国について
現在、金の採掘において世界で大きくリードしているのが、中国です。中国には広大な土地があり、採掘には莫大な金額がかかりますが、経済成長著しい中国がしばらくはトップだろうと言われています。
外務省の統計(2020年)での産出量の多い国は
1 中国 380トン
2 オーストラリア 320トン
3 ロシア 300トン
4 アメリカ 190トン
5 カナダ 170トン
以上が金産出国トップ5となります。
こうしてみると国土の大きい国が上位を占めていることが分かります。以前までは、南アフリカがトップでしたが、金の採掘には莫大な金額がかかるため、コスト面で大きく後退していきました。金は日本国内でも採掘することができます。現在、金の採掘を行っているのは菱刈鉱山(鹿児島県)がメインとなっております。かつては全国各地に金山があり、金の採掘が行われていました。その中でも有名なのは新潟県の佐渡島にある佐渡金山(新潟県)です。1601年に開山されたとされ、平成元年まで長きにわたり金を産出してきました。現在は観光スポットとして整備されており、江戸時代の坑道や明治時代に使われていたトロッコなどを見ることができます。
また、世界遺産への登録を目指しており今後さらに注目されることでしょう。
金高騰はなぜ?
2022年現在、金相場は8200円を突破し迫最高値を記録していますが、なぜ金は高騰するのでしょうか?それは金は紙幣と違い、不変価値があるとされています。一般的に社会情勢が悪化した際に、金の価値が上がるとされています。1980年オイルショック、2008年リーマンショックの際に金は高騰しました。また、現在ウクライナ情勢でさらに金相場が上がっています。
金はなくなる?
金が発見されてから、世界各地でこれまで採掘してきた金の総量は、約183,600トンと言われています。現在世界での採掘量は年間約3,000トンです。現在、金はどのくらい残っているのか。2019年時点の埋蔵量は、世界全体で約50,000トンです。この埋蔵量を年間3,000トンのペースで採掘していくと、約15年で枯渇すると言われています。しかしながら金はリサイクルが盛んなので、仮に掘りつくしたとしてもすぐに在庫量が枯渇することはなさそうです。
パソコンやゲーム機、デジカメや携帯電話などの機械には必ずと言っていいほど金が利用されています。金は錆びにくく変質しにくい貴金属であり、柔らかいため細く薄く延ばすこともでき、電気も通しやすい為、精密機械工業製品には必要不可欠です。機器一つ一つに含まれる量はほんのわずかですが、すべて集めるとかなりの量になります。日本では、およそ6,800トンもの金が都市鉱山として国内に埋蔵されているとされます。日本は世界トップクラスの技術を持っています。
次は2019年の埋蔵量です。
1位 オーストラリア 約10,000トン
2位 ロシア 約5,300トン
3位 南アフリカ 約3,200トン
4位 アメリカ 約3,000トン
5位 インドネシア 約2,600トン
6位 ブラジル 約2,400トン
7位 ペルー 約2,100トン
8位 中国 約2,000トン
9位 カナダ 1,900トン
10位 ウズベキスタン 1,800トン
採掘量でトップとなった中国は、埋蔵量については2,000トン、世界比率4%と埋蔵量ランキングでは8位にとどまっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。金は古くより価値のあるものとして長い歴史を持っており、人々を魅了してきていますが、資産として保有される方も多く、今後資産形成として考えてみてはいかがでしょうか。