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刻印ってそもそも何の意味があるの?
品位を証明する刻印は、ホールマークや、純分認証極印(じゅんぶんにんしょうごくいん)と呼ばれ、各国の造幣局や国の機関、指定を受けた業者がプラチナ、金、銀等の貴金属で作られた製品を厳しい検査を行い、認められた製品にだけに刻印される、品位を証明するマークになります。
ホールマークの由来は、14世紀頃にイギリスの金細工師組合ゴールドスミス(Gold Smith)が、ロンドンに貴金属検定所(Gold Smiths'Hall)を建て、組合員の製造した貴金属製品に検査を行い、合格した製品に品位を証明する刻印がされました。
日本のホールマーク日本のホールマークは、1929年に大蔵省造幣局の貴金属製品品位証明規則が定められ、造幣局の厳しい検査を行い、合格した製品に日の丸のホールマークが刻印されています。
日本の検定制度は任意の制度として設けられいて、市販されている貴金属製品には、品位表示のみの製品も沢山流通しています。
ホールマーク 貴金属製品の品位区分と証明記号一覧
ゴールド 金製品のホールマーク
Au999 K24
Au585 K14
Au916 K22
Au416 K10
Au750 K18
Au375 K9
プラチナ 白金製品のホールマーク一覧
Pt999
Pt900
Pt950
Pt850
シルバー 銀製品のホールマーク一覧
Ag999
Ag900
Ag950
Ag800
Ag925
コンビ 金×白金製品のホールマーク一覧
Au999×Pt999
Au750×Pt900
Au750×Pt999
Au750×Pt850
Au750×Pt950
ホールマーク 変更前と変更後の証明記号比較一覧日本のホールマークは、2012年4月に国際標準規格(ISO 9202)及び日本工業規格(JIS H6309)に従った表示方法の変更になりました。
新しい規格では<1000>が<999>など変更になるものや<835>や<625>などが廃止になりましたが、貴金属の品位はこれまでと変わりません。
ゴールド 金製品のホールマーク変更前と変更後一覧
Au999 K24
Au916 K22
Au835 K20
Au750 K18
Au625 K15
Au585 K14
Au500 K12
Au416 K10
Au375 K9
プラチナ 白金製品のホールマーク変更前と変更後一覧
Pt999
Pt950
Pt900
Pt850
銀製品のホールマーク変更前と変更後一覧
Ag999
Ag950
Ag925
Ag900
Ag800
コンビ 金×白金製品のホールマーク変更前と変更後一覧
Au999×Pt999
Au750×Pt999
Au750×Pt950
Au750×Pt900
Au750×Pt850
ホールマーク条約 ウィーン条約主なヨーロッパの国々で貴金属製品を共通の刻印で運用する条約が、1972年に通称ホールマーク条約、またはウィーン条約(Vienna Conventionon the Control of the Fineness and the Hallmarking of Precious Metal Objects)が調印されました。
品質の象徴としてCCM(コモンコントロールマークCommon Control Mark)共通管理マークが刻印されています。
フランスなどの加盟をしていない国々では、昔ら使われている独自のホールマークを使用していたり、品位表示のみの製品も沢山流通しています。
CCM 共通管理マークゴールド
金製品のCCMマーク品位
Au999 K24
Au585 K14
Au916 K22
Au375 K9
Au750 K18
プラチナ 白金製品のCCMマーク品位
Pt999
Pt900
Pt950
Pt850
シルバー 銀製品のCCMマーク品位
Ag999
Ag800
Ag925
パラジウムのCCMマーク品位
Pd999
Pd500
Pd950
ホールマーク条約 ウィーン条約の加盟国国名照記号
Austria(オーストリア)
Lithuania(リトアニア)
Croatia(クロアチア)
The Netherlands(オランダ)
Cyprus(キプロス)
Norway(ノールウェー)
Czech Republic(チェコ共和国)
Poland(ポーランド)
Denmark(デンマーク)
Portugal(ポルトガル)
Finland(フィンランド)
Slovak Republic(スロバキア共和国)
Hungary(ハンガリー)
Slovenia(スロベニア)
Ireland(アイルランド)
Sweden(スウェーデン)
Israel(イスラエル)
Switzerland(スイス)
Latvia(ラトビア)
United Kingdom(イギリス)
ホワイトゴールドって?金?プラチナどっち?
ホワイトゴールドWG割金としてパラジウムを使用します。これは白金と訳してはいけないものです。白金はPtプラチナですので間違えないようにします。純金75%とパラジウム等を25%混ぜたものです。
表示記号がK18WGは、グレーゴールドGG割金として鉄を混合したものです。ロジウムメッキをしないタイプです。表示記号がK18GGは、。ホワイトゴールドは、金色に輝くゴールドに、シルバーやパラジウム、ニッケルなど白色の金属を混ぜた合金です。
多くの場合、鮮やかな白銀色の金属でコーティング加工をして、プラチナのようなカラーに仕上げています。一方、プラチナはもともと白銀色の希少な金属。この2つは見た目こそよく似ていますが、実は全く別の金属なので特徴も異なります。
ホワイトゴールドはメッキ加工がされている場合もゴールドの合金であるホワイトゴールドは、そのままでは黄色みやグレーがかっているため、より白く見えるようにロジウムという白銀色の金属でコーティングするメッキ加工が施されていることがほとんどです。
長く着けているとコーティングが剥がれて、色合いが変わってくることもあります。
アトKには要注意?シナ金ってなに?
日本では一番ポピュラーなK18ですが、ホワイトゴールドやピンクゴールドといった色味の違い以外にもう一つ質屋がチェックするポイントがあります。それが「アトK」というものです。
「K18」ではなく「18K」と刻印されたものを「アトK」と呼びます。アトKは東南アジアで作られた商品に多く見られ、製造技術が未発達の国で作られた場合に純度が足りないことがあったりするのです。
アトKのお品物は比重計という機械を使って純度を検査します。もちろんアトKだからといって絶対にK18やK14に満たないというわけではないのでご安心ください。独特の留め具を持つシナ金アトKの話が出たついでにもう一つ、「シナ金」と呼ばれるものがあります。
シナ=支那=中国、つまり中国で作られた金製品です。シナ金の特徴はまず留め具で、日本製のネックレスの留め具に良く見るヒキワやカニカンではなく、S字型やΩ型の留め具を力で曲げて留めるタイプとなってます。
ほら、先ほど金は柔らかいと書きましたが、その柔らかさをそのまま留め具として使っているんですね。あと刻印がK○○でも○○Kでもなく、「足金」とか「千足金」「999(999.9ではない)」だったりするのも特徴です。
ホールマークがあれば100%本物なの?
造幣局の刻印に似せて偽物を作るメリットはとても少ないと思います。数グラムしかないジュエリーにそこまで手間を掛けてもハイリスクローリターンですし、偽物であればK18や750と刻印した方が容易です。
また、ローリスクハイリターンで本物の貴金属や宝石を使い、原価の10倍~30倍で販売していることも珍しいことではありません。100万円で宝石の付いた指輪を買ったとして、売る時は数万円になってしまうのはよくある話です。
造幣局のホールマークがあれば、まず「本物」だと思っていいですが、購入の際は十分に気を付けましょう。
刻印の種類はまだまだある?!GPって何?
24KGPや18KGPという刻印を見た事はありませんか。そして、「GPって何?」と疑問に思った事はありませんか。
GPはGold Platedの略でメッキという意味です。確かに金メッキは本物の金を使用していますが、鉄やアルミ素材の物の表面に薄く金を施したものですので、
「金としての価値」は無に等しいと言えます。
家にある金の置物や金の延べ棒もメッキである可能性があります。
まとめ
ここまで貴金属の刻印について述べさせていただきましたがいかがだったでしょうか。
貴金属の種類・刻印はジュエリーの価値を判断するためのひとつの重要な材料です。しかしの品位証明記号のないジュエリーの刻印はどこか特別な機関で審査があって、それを通れば押されるというものではありません。
金やプラチナなどお持ちであれば、ぜひ一度刻印を見てみてはいかがでしょうか。