目次
金の売り時とは
金取引を行う際に気になるのが金の「売り時」ですよね。金の売り時にはいくつかの法則があります。金の取引で利益を出したいと思ったら、「できるだけ安い時期に購入して、高い時期に売る」というのが基本となります。
2000年代に入り金相場は急激に上昇したのでその前から保有していた方にとっては「安い時期に購入する」という条件はクリアできていることになります。
そして「高い時期に売る」についてですが金の相場は毎日動いており、多くの人に金が求める需要が高くなった時に、相場はぐっと上がっていきます。
需要と供給のバランス
金の相場は需要と供給のバランスによって価格が変化します。
近年はパソコンやスマートフォンのなど精密機械などの素材としても利用されることが増えた金は、工業面でもなくてはならない存在なり、もともとの装飾品や資産目的以上の需要が高まりました。
さらに需要の高まりを受け、投資家たちの取引が活発化されたことで需要が上回り金相場が上昇しました。
世界的に経済が低している時期は金が高く売れやすいタイミングの1つ
様々な理由によって起こる経済状況の悪化は、投資家たちにとっても大損害を引き起こす可能性があります。
普段経済が安定している時は、金以外の投資財を運用している人がほとんどです。しかし株などの投資財は、経済が悪化すれば価値が下がり、そこに投資するリスクも増えます。一方の金は、経済状況の変化に強い投資財です。
ですので世界的に経済が低迷している時期は、株に手を出さず、金に出資する人が多くなります。その結果金の需要が増加し、金の価格も高騰します。
金相場だけではなく、為替相場にも注目
世界では米ドルにて取引されている金ですが、日本では当然「円」を使って取引されています。ドルから円、もしくは円からドルへと換算する際には、ドル円為替相場の影響を受けます。金は、そのほかの輸入品と同じように、円安の時期ほど価格が上がります。
これは「金を買う」ときだけではなく、「金を売る」ときにも影響を及ぼしますので、チェックしましょう。
円安のときには金の価格が上がります、当然金の買取価格も上がります。世界的に見た金相場の価格が同じであっても、ドル円為替相場の状況によって、日本における金の価格は大きく変わります。
実は日本の金取引においては、「世界の金相場から受ける影響よりも、ドル円為替相場から受ける影響が強い」と言われています。金の価格が急激に上下することはめったにありませんが、為替相場は比較的簡単に、そして短期間に変化していきます。
金の買い時を見極めたいときには、「円安」に傾いている時期を狙いましょう。
テロや紛争などの治安リスクが発生している時期
テロや紛争が世界で起こり治安面でのリスクが増加すると、金の価格が高くなる傾向があります。モノや情報、サービスなど様々な事柄が国を越えて簡単に行き来できるようになった現代では、世界で起こった事件の影響を受けることがあります。
特にテロや紛争という規模の大きい出来事になると、それらが国際社会や私たちの生活に与える影響も多大になるでしょう。世界で治安リスクが高まると、不安に感じた人がリスクに対応できる体制を取り備えるために金を購入しはじめます。
金を欲しいと思う人が増えればその分価格も上がるので、高く売れる可能性が高まります。
金の売り時について、最低限知っておきたい知識を紹介してきましたが、これらのポイントを知ったからといって、「明日の金の買取価格がいくらになるのか」を、完璧に予測できるわけではありません。
「もう少し上がるのでは?」と予測していても、実際にはそこが頂上だった、なんてケースも少なくないのです。「今が金売却のタイミングだ」と自分自身で判断できなければ、そのままずるずると売り時を逃してしまう可能性もあります。
どこかの国が金を買いに走ったとき
金を保有するのは、個人だけではありません。国(各国の中央銀行)も資産として大量の金を持っています。国が金を買う場合、トン単位の金が市場から動きます。その結果、流通する金が不足し、価格が引き上がるというわけです。
このような情報は事前に入手できませんが、ニュースが出た途端に一気に変動する可能性があります。
世界共通の代替通貨
少し前までは暗号資産(仮想通貨)が代替通貨として注目されていました。しかし仮想通貨の相場は世界的人物の動向・発言に左右されやすいため、金の方が代替通貨として有力として注目されるようになりました。
金は世界共通資産なので価値が変わる事があっても完全に無くなる事はありません。その為、暗号資産(仮想通貨)の下落を受けて、また金相場が上昇しました。
金製品を売るメリット
では、今すぐ金を売るメリットとデメリットを確認してみましょう
メリット①金相場が高い
今、金を売る最大のメリットは金相場が高いという事が挙げられます。先程からお伝えしておりますが、長い目で見れば金相場は上がると考えております。しかし、近いうちに経済状況への不安が緩和し、金価格が下落する可能性もあります。
20年前に比べると5倍以上になった金の価格。ご購入された金額よりも高い金額で売却が出来る物も少なくないでしょう。
メリット②金相場下落のリスク回避
金相場の基軸となるのがアメリカの「ドル」です。金の価格は「1オンス何ドル」が基準となり、「1ドル何円」の計算で日本の「1オンス何円」が決まります。ですから円安になると金相場は下がってしまいます。
国際的に経済が安定すると円安になるので、安定に向かいそうな今は金相場が下がるリスクも考えられます。
金製品を売るデメリット
デメリット 直近に購入している場合
金相場の急激な上りはここ数年です。ですので、そのタイミングで買われている方は金額にあまり変化がないかもしれません。
また、金製品を新品で購入されている場合は、手数料などの関係もあり買値の方が高くなってしまうと思われます。そうなるとあまり魅力には感じにくくなってしまいますし、手放されるのはまだまだ先の方が良いかと思いますね。
今はまさに売り時
長期保有を考えていない方・金を現金化したい方は、金相場が高騰している今はまさに売り時です。金はウクライナ情勢の悪化により、これまでになく高い相場になっています。
以前に過去最高値を更新したのは、コロナパンデミックが発生し世界経済が不安定になった2020年8月でしたが、現在は当時よりも高く売れる状態です。
ただし、今後ウクライナ-ロシア問題が解決すれば、金は値崩れを起こす可能性もあります。値崩れが起きると買取価格が大きく下がるため、「売りたい」と考えている方は、今がチャンスでしょう。
とはいえ短期的には上下動があっても、長期的(数十年単位)には金価格はゆるやかに上昇する傾向があります。もし早急に売却する必要性がないのなら、長期的な保有も選択肢の一つでしょう。
まとめ
金の売り時について、最低限知っておきたい知識を紹介してきましたが、これらのポイントを知ったからといって、「明日の金の買取価格がいくらになるのか」を、完璧に予測できるわけではありません。
あとは「どこで踏ん切りをつけるのか」という点が重要なポイントとなります。「○○円になったら売却する」なんて、自分なりの目安を作っておきますと、売り時を逃すリスクも少なくなるでしょう