贈与税と相続税の違い
相続税と贈与税の大きな違いは、受け取る際に控除される基礎控除額です。
相続の場合、「3,000万円+600万円×法定相続人数」の額が基礎控除額になります。例として法定相続人が3人だとすると、「3,000万円+600万円×3=4,800万円」となり、4,800万円以下の資産に関しては非課税となります。
贈与税では、毎年年間110万円までの贈与に関しては非課税となっています。そのため毎年110万円を贈与し、10年をかけて1,100万円を贈与すると全額非課税となります。
この贈与税の基礎控除額を利用して毎年110万円以下の贈与をすることで、被相続人の死亡日に贈与がすべて間に合わなくても相続税を節税することができます。
金地金を売却した時の税金
金地金の売却金額が購入金額を上回る場合は、確定申告をして税金を支払う必要があります。金地金を売却して得た所得(地金の売却益とその他の該当する譲渡益の合計金額)には、譲渡所得が課税されます。
また、営利を目的として継続的に売買を行い、年に何回も売却益を得ている場合は、事業所得または雑所得として総合課税の対象になります。
さらに、平成23(2011)年の税制改正により、「金地金等の譲渡の対価の支払調書制度」(所得税法第225条第1項第14号)が創設されました。
地金等の売却代金 (支払対価)が200万円を超える場合、買取業者には売却主の本人確認書類の提出や本人確認の実施、税務署へ支払調書(売却主の住所・氏名、地金種類・数量・支払金額・支払確定日を記載)の提出が義務付けられました。
金地金そのものの分割も可能
「金地金は実物財産だから分割できない」と、思い込んでいる相続人もいらっしゃるかもしれません。実は、業者に依頼すれば、金地金そのものの分割加工(精錬加工)も可能です。
金貨も同様に分割加工できます。つまり、金地金を小分けして、相続人で実物を分け合うことができるのです。
また、金地金を分割して、年間の売却による譲渡益を50万円以内に抑えれば、譲渡所得も課税されません。ただし、相続の場合は、相続税の課税対象となります。
金地金にかかる相続税の評価方法
金地金の相続税は、相続発生日(被相続人が亡くなったことを知った日)の取引相場の価額が評価対象となります。
1g当たりの取引相場価額×重量(g)=金地金の相続税評価額ただし、相続税は金地金単体に課されるのではなく、遺産総額に対して課税されます。
ですから、ほかの遺産金額と合計した遺産総額に相続税がかかってきます。相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。
そのため、これ以下の金額なら、相続税の申告は必要ありません。
金は紙幣の価値よりも下落が少ない
金の価値はそのときの相場によって左右されますが、金自体は限りある資源です。そのため価値が大きく下がってしまうことはほぼありません。
海外通貨や日本円など、紙幣の形で資産保有していると、その通貨の価値が下がったときには資産全体の価値も下がってしまう結果となります。
その点、金は価値の下落が少ないので、保有資産全体の価値下落を防げる利点があるのです。
まとめ
親から子へ資産を渡す方法として遺産相続と生前贈与という選択肢がありますが、遺産相続よりも生前贈与のほうが節税になります。
さらに資産保有として金を保有することが節税につながるということがわかりました。紙幣よりも価値の下落が少ないことで安心して相続できるでしょう。
また、すでに保有している資産も、金地金に変えることで税額を抑えてお得になるケースが多くあります。これを機に、金地金として資産保有することを検討してみてはいかがでしょうか。