1kgの値段はどうやって決まっている?
金価格は株価と同じように日々変動し、多くの人が購入したいと思えば価格は上がり、逆に売却したい人が増えれば価格は下がります。また、金は株式や債券と違い、金そのものに価値があるため比較的安全な投資先としても人気です。そうした観点から、景気が不透明な状況に陥った時ほど金は買われやすく、価格が上がる傾向にあります。金価格に大きな影響を与えるのは特にロンドン市場とニューヨーク市場の動向です。世界各国にあるその他の市場では、ロンドン市場とニューヨーク市場の相場を参考にした金価格での取引が行われます。世界の金価格の表示は1gあたりではなく、1トロイオンスあたりの米ドル建てです。1トロイオンスは約31.1035gなので、まずは重さをトロイオンスからグラムに変換し、当日の為替レートに基づいて円建てに換算することで、日本円の価格が決まります。
なお、金には以下のようにさまざまな種類があります。
・金地金
・金貨
・金ジュエリー
投資としては金地金の保有が最も効率的です。1㎏単位となればある程度まとまったお金が必要になるものの、安全資産としての長期保有には一番適しているでしょう。金貨やジュエリーについては、保有している間も飾ったり身に着けたりして使用できることから人気があります。ただし金貨やジュエリーは流行の影響を受けて価値が変わりやすいこと、加工されているため金としての価値は金地金より割安になる可能性があることを考慮しておきたいところです。
金価格の推移
約30年間の金価格の推移を見ていくと、短期的に下がることはあるものの、長期的には上昇傾向となっていることがわかります。1980年1月には1gあたり6,495円の高値を記録しています。この頃の社会情勢としては、1979年2月にイラン革命と第二次石油危機、11月にテヘランのアメリカ大使館占拠事件、12月には旧ソ連によるアフガニスタン侵攻、翌1980年にはイラン・イラク戦争の本格化など混乱が続きました。それから約20年後の1999年9月になると、1gあたり917円の安値をつけています。1989年にはアメリカと旧ソ連の冷戦が終結し緊張が緩和したことや、IT革命によりアメリカが好景気にわいたことで米ドルへの信頼感から金が売却されました。以降10年は金価格が下落しますが、1999年に第一次ワシントン協定が発表され、各国の中央銀行が売却できる金の量に制限が設けられたことで、金価格は上昇に転じています。なお1999年以降、金価格は上昇傾向を続けています。2020年の年明け以降は新型コロナウイルスの世界的な拡大から金価格が急騰し、2020年8月には1gあたり7,769円の高値を記録しました。そして、2022年ロシアのウクライナ侵攻によって1gあたり8,269円の最高を記録しています。
持っている金を売るには最適な状況
今後の日本の財政を懸念して注目を浴びている金投資ですから、その買取り価格も現在上昇しています。過去に購入したジュエリーやネクタイピンなどであっても、高値で取引されています。特にジュエリーなどは、ブランド物であれば地金の価値に加えブランド価値、デザイン性、宝石が付いていればその分の価格とどんどん上乗せされます。コロナショック以降、経済状況が悪くなってしまったということであれば、自宅にある金製品を査定に出してみてもいいかもしれません。古いジュエリーなどであれば、金以外の価値もあり、自身が思っていた以上の価値になる可能性もあります。今現在、過去最高の金の価格になっているため売却には適したタイミングと言えるでしょう。
まとめ
金価格の相場は、直近5年間において緩やかな上昇トレンドを描き、さらにコロナショック、ロシアのウクライナ侵攻により高騰しています。短期的には、金価格相場は急落する可能性が十分に考えられ、長期的には上昇トレンドが維持される見通しです