金は資産
金が特別な金属としての価値を見出されたのは、古くは紀元前といわれております。そんな古い時代から、世界の各地で金貨が通貨として使われておりました。しかし、昔も今も金は簡単に手に入れる事はできません。だからこそ、金を資産として保有する人々がいたのです。
金の価値基準「金本位制」の波及と廃止
1800年代にイギリスで金の通貨価値を示す「金本位制」という制度が生まれました。金本位制の考えは世界各国で導入され、日本でも明治政府が「純金1.5gに対し1円」と定めました。
しかし、金本位制は長い時間保つ事が難しかったのです。大きな理由は、戦争にありました。第1次世界大戦が引き金となり、金本位制は各国で中止されていきました。その後も世界恐慌など、様々な出来事が金本位制を廃止に追い込んでいきました。しかし、金本位制が無くなっても金と貨幣を結びつける考えがなくなったわけではありません。アメリカも度重なる戦費の拡大(最後はベトナム戦争)により大量の金の保有が難しくなり、1971年のニクソンショックにより金とドルの価格固定化は終焉を迎える事になりました。
金の変動相場のはじまりと最安値と最高値
金の価格固定が終わり、金の価格は変動価格へと変わります。金の価格は1980年に「史上最高値1g=6495円」を付けます。しかし、史上最高値以降は金の価格は下降していき、1985年のプラザ合意によって市場は大きく動き、ドルの大幅な下落を招きました。さらに、株式市場の急激な値上がりが起きたバブルによって、金に流れる資金が激減していきます。1991年にバブルが崩壊した後も金市場は一貫して下がり続け、1999年に「史上最安値1g=962円」を記録する事になりました。しその後は、イラク攻撃や北朝鮮のミサイル発射などの有事がある度に、金へ資金が流れ金価格が上昇していきました。そして近年では、中国とアメリカの貿易戦争を皮切りに純金を買い求める動きが強くなり、さらに新型コロナウィルスの感染拡大、ウクライナとロシアとの戦争により今の金価格となっております。
まとめ
金の歴史は長く、その貴重性はいつの時代も変わりません。
金の価格こそ時代によって変動していますが、世界の共通資産としての認識は変わらない物です。
安定資産として見直された時に金価格が上昇する事が多いですが、戦争などの催事の際はどうしても、金の価格が急激な高騰を起こしてしまうことがあり、今がその状況だとも言えると思います。急激な高騰があればその逆もしかりであるため、しっかりとした資産運用が必要です。