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アクセサリーの錆びとは
アクセサリーなどにつく錆びは金属と空気中の水分や酸素と反応することによって生じる酸化反応の結果です。この酸化反応によって金属が腐食し、生成される腐食物(酸化物や水酸化物)が錆びといわれています。
金やプラチナは酸化しない?
金やプラチナは物質としての安定性が非常に高く、熱や空気中の湿気や酸素、その他ほとんどの化学的腐食(酸やアルカリによる腐食)に対して反応することはありません。そのため、日常生活の上で酸化反応を起こすことは100%ないといえる金属になります。
金やプラチナ製のアクセサリーが錆びたり変色してしまうのはなぜ?
本来、錆びないと言われている金やプラチナですが、なぜ錆びや変色が発生するの?と疑問に思う方も多いと思います。これは金やプラチナが持つ別の特性が関係しています。
純粋な金・プラチナは柔らかすぎてアクセサリーには向かない
純金や純プラチナは主に金のインゴットや金貨、喜平ネックレスや一部リングなどのシンプルな形状のアクセサリーに用いられます。混ぜ物が極めて少ないため、金としての価値があり、インゴット等の金の品質が重要なものに使われています。
一方で金は柔らかい物質のため、変形や傷がつきやすい性質があります。そのため細かなデザインができず、ジュエリーに使用されることは稀です。この問題を解消するために、他の硬い金属(割金)を混ぜ合わせて金合金にすることで硬度を確保しています。
金やプラチナ製品の錆びや変色の原因は割金
金やプラチナ製品のアクセサリーには上述した通り割金を混ぜている場合が多く、それらの金属は金やプラチナと異なり、酸化してしまいます。例えば、金の割金として用いられる事が多い銅は、身近な所だと10円硬貨に使われている金属です。銅は酸化しやすい金属であり、すぐにくすんだり錆びてしまいます。10円硬貨を想像していただければ想像がつくと思います。
このように金やプラチナが酸化反応を起こさなかったとしても割金に用いられる金属によって金・プラチナ製品の錆びや変色の原因となるのです。この錆びや変色は金やプラチナの純度が下がるほど割金の割合が増えるため、可能性が高くなります。
錆びを避けたいなら高品位(純度)のアクセサリーがオススメ
アクセサリーに用いられる金やプラチナの品位が高ければ高いほど、酸化反応を起こしにくく、錆びにくいと上述しました。では、具体的にどの程度の品位であれば錆びにくいのでしょうか。目安としては、金製品であればK18以上、プラチナ製品であればPt900以上となります。もちろん、これ以上の品位であれば絶対に錆びないという事ではありませんが、普段からお手入れをしっかりと行っていれば基本的に問題が起きる事がないといわれています。
アクセサリーを長く使うために
金のアクセサリーは一般的に錆びや変色に強いものではありますが、K24以外のものは割金の影響で錆びや変色の可能性を0にすることはできません。そのため、輝きを長く保つためのポイントや変色、くすみがでた時のメンテナンス方法をご紹介します。
注意するポイント
金属が酸化する原因で最も身近なものは水です。そのため、水分がつく度にふき取るなどの対策をしましょう。また、硫黄を含む温泉地などでは温泉に含まれる成分によって硫化が進み、黒くなってしまうため、可能なら外すことをおすすめします。この他に人の皮脂もそれらの原因になるため、一日の終わりにふき取るなどこまめにお手入れをすると金特有の輝きを長く保つことができます。
お手入れ方法
大切に使っていたとしても長く使っているとどうしても変色や黒ずみがでてしまうことがあります。そのため、自宅で簡単に出来るお手入れ方法をご紹介します。
用意するもの
柔らかい布、中性洗剤、毛先の柔らかいブラシ(柔らかい歯ブラシでも可)
お手入れ手順
① 柔らかい布で表面についている汚れを拭き取ります。この布は貴金属専用のクロスかメガネ拭きなどでも代用可能です。
② 中性洗剤を水で薄め、その中に様子を見ながら3分程度つけます。
③ 目立った汚れがある場合はブラシで軽く擦るようにしましょう。
④ 流水でよく洗い、柔らかい布で拭き取った後、しっかりと乾燥させて終了です。(中性洗剤や水分が残っているとそれが錆びや変色の原因になります)
このようなメンテナンス方法を行っても変色や黒ずみが改善されない場合は専門店にお願いして、プロにメンテナンスをしてもらいましょう。また、金属のみでなく宝石がついている製品に関しては宝石によっては洗剤などで洗えないものもあるため、注意しましょう。
まとめ
今回は、金やプラチナ製品の錆びや変色の原因についてご紹介しました。毎日のお手入れをしていれば、金やプラチナ製品はその輝きを長く保つことができる金属です。この機会に所有するアクセサリーを大切に扱い、素材が持つ輝きを長く楽しんでみてはいかがでしょうか。