海外金相場の現状は?
2022年3月の金相場は、ウクライナ情勢の影響を受けながら変動しました。月初、1,900ドル付近でスタートすると4日にはロシア軍がウクライナ南部の原子力発電所を制圧したとの報でリスク回避姿勢が高まり金は1,965ドル付近まで買われました。
8日には米国のロシアからの石油や天然ガスの輸入禁止の決定でエネルギー価格高騰を見通した買いが入り、一時3月の最高値となる2,080ドル付近まで急伸しました。9日には米原油先物相場の下落でインフレ懸念が和らいだことで米国株が上昇し金は1,990ドル付近まで下落。14日にはウクライナとロシアの停戦交渉への期待感や米長期金利の上昇で金は売られ、16日には1,910ドル付近まで弱含みました。24日にはウクライナ情勢の不透明感の高まりや世界的な物価高騰の見通しの広がりから金は1,960ドル付近まで値を戻しましたが、29日にはウクライナとロシアの停戦交渉の進展見込みから一時3月の最安値となる1,890ドル付近まで値を下げました。31日にはウクライナ情勢が再び不透明となったことで金は買い戻され1,955ドル付近で3月の取引終了。月内レンジは1,890-2,080ドルとなっています。
金・プラチナ相場は?
金もプラチナも2004年頃から上昇スピードを速め、2008年前半にはプラチナは一時2,000ドルを超えました。その後リーマンショックで暴落。そして2009年以降再び上昇トレンドが続きます。2011年後半以降はプラチナの価格を金価格が上回り、金は1,600~1,800ドル、プラチナは1,400~1,700ドルの範囲でレンジ相場が続きます。金、プラチナともに2011年の1,800ドルがいったんピークに。プラチナはその後1,400~1,600ドル台でのレンジ相場へ。金は1,600~1,700台のレンジを経て2013年に入ると下落傾向が強まり、7月には1,300ドルを下回ります。2014年前半は金が1,300ドル前後、プラチナは1400ドル台での推移、後半にはプラチナの急落に伴い、金もプラチナも1200ドル前後へ。2015年には金は1000ドル台まで、プラチナは800ドル台まで急落。
今後の動向
今までに発掘された金のトン数は約18万トンで、未発掘の金の総トン数は約5万トンと言われています。それ以外の金のほとんどは、海底やマグマの近くなど発掘困難な地域に眠っていると予測されており、大きな技術革新が起らない限り、あと数年で掘りつくされてしまうのではといわれています。すなわち、金の価値が今後さらに高まっていくのではないかと予想されます。また、金の取引は世界中でおこなわれてるので、米ドルによって取引価格が上下することをご存知でしょうか?輸入品と同じように円安になれば金の価格は高騰する。しかし、金の価格は急激に上昇することは少なく、為替取引みたいに一瞬で価値がなくなってしまうといった心配はないでしょう。
まとめ
金には、24金〜9金までの純度が存在し、純度が高い程価値が高くなります。インゴッドやコインなどは純度99.99%の24金を使われています。ジュエリーは、加工がしやすく耐久性のある純度75%の18金を使用していることが多いです。過去10年間の価格をまとめると2009年は平均2,951円で2018年では平均4,543円と上昇しており、その差は1,592円です。金を高く売るコツとしては、付属品や保証書を付ける、円安のタイミングで売る、見積もりは複数業者に頼む、ブランド買取業者も視野に入れるといったことを念頭に置いておきましょう。金の価格は10年以上前から上昇傾向にあるので、世界情勢なども視野にいれながら金の売却時期を検討されるのも良いでしょう。