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金の刻印(ホールマーク)は日本と海外で異なる!種類や特徴を解説

金の刻印(ホールマーク)は日本と海外で異なる!種類や特徴を解説

金製品に「K18」などと刻印(ホールマーク)が施されているのを見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。この刻印にはさまざまな意味や役割があります。今回は、金の刻印の日本と海外の違い、刻印の種類や特徴などについて解説します。

金の刻印(ホールマーク)とは?

そもそも金の刻印(ホールマーク)とは、どういった意味があるのでしょうか。ここでは、刻印の役割や日本と海外の刻印の違いについて詳しく見ていきましょう。

金の刻印(ホールマーク)が果たす役割

金に施されている刻印の役割は、主にその金製品の品質を示すことです。刻印は主にアルファベットと数字を組み合わせて表記されており、そこには金属の種類や純度、色などの情報が含まれています。結婚指輪などで「K18」や「WG」といった刻印を見たことがある方も多いのではないでしょうか。

日本の金製品には純度表示の刻印のほか、「ホールマーク」という特定の品質保証を示す刻印が施されたものもあります。日本のホールマークは、造幣局の厳しい検査に合格した製品のみに刻印されます。そのため、信頼性が高く金製品の購入時の安心材料の一つとなるでしょう。

金の刻印制度は日本と海外では異なる

上述の通り、ホールマークは信頼できる証になりますが、日本では刻印の義務はないため、ホールマークがあるものとないものが混在しています。

しかし、海外ではホールマークを義務付けている国もあります。品質の低い製品や盗難品の流通を防ぐことが主な理由です。特にイギリスやフランスでは法整備も整っており、これらの国の金製品にはホールマークが施されているものがほとんどです。

また、ヨーロッパでは「ホールマーク条約(ウィーン条約)」が締結されており、20か国が加盟しています。詳細は後述しますが、この条約に加盟している国の金製品には、「CCM共通管理マーク」と呼ばれているマークが施され、共通の基準で品質が保証されているのです。

ヨーロッパの共通刻印「CCM共通管理マーク」

上述で触れましたが、ヨーロッパでは1972年に「ホールマーク条約(ウィーン条約)」が締結されました。この条約は、共通の刻印を使用することで貴金属製品の品質保証を管理する目的で制定されました。加盟国で作られた金製品にはこのマークの刻印が義務付けられており、各国共通の基準でチェックするため、品質が保持されています。

加盟は任意ですが、2024年時点でイギリスやオランダ、オーストリアやイスラエルなどの20か国が加盟しています。

刻印のデザインは、天秤の中央に金の純度を示す1000分率の数字が描かれています。

日本の金の刻印が示す4種類の特徴

日本で作られた金製品には、日本独自の刻印が施されています。刻印の違いや特徴を知ることで、金製品を購入する際にも役立ちます。ここでは、日本の金の刻印が示す特徴を4種類に絞って紹介します。

ホールマーク

日本のホールマークの特徴にまず挙げられるのは国旗です。日の丸の日本国旗が風に靡いているようなデザインのマークとなっています。

そして、隣にはひし形の中央に数字が配置されたデザインのマークが刻まれています。このひし形の刻印は、造幣局による厳しい検査をクリアした証で、品質が保証されていることを示しています。

ひし形の中央の数字は金の純度を示しており、1000分率で表記されます。よく見られる純度と刻印される数字は以下の表の通りです。

純度 ひし形中央の数字
37.50% 375
41.60% 416
58.50% 585
75.00% 750
91.60% 916
99.99% 999

日本で購入する指輪やネックレスなどでは上記のような1000分率の数字はあまり見られませんが、投資目的で購入するようなインゴットや、海外製の金製品ではよく見られる表記方法となっています。

金張り・金メッキ加工

金張りや金メッキ加工とは、ベースとなるほかの金属に金を貼り付けて加工することです。金張りと金メッキの違いは、金の貼り付け方法と使用する金の量の違いです。一般的に金張りの方が金の使用量が多く、手間もかかるため金メッキよりは高価となります。

このような加工製品には、加工方法を示す刻印が施されていることが多く、刻印を見ることで純粋な金製品と区別することができます。ここで、加工方法ごとによく見られる刻印について紹介しましょう。

金張りの刻印

刻印 意味
GF GOLD FILLED(金張りを意味する言葉)
GS GOLD SHELLED(金張りを意味する言葉)
GR GOLD ROLLED(金を「溶着」させるという技法を意味する言葉)
別の技法で作られた製品に刻印される場合もある
RGP ROLLED GOLD PLATE(金張りの技法で作られているが、金の使用量が全体の5%未満の製品に刻印される)
金メッキの刻印
刻印 意味
GP GOLD PLATED(金メッキを意味する言葉)
M/1M/3M/5M 金メッキの厚さを表す(単位はミクロン(M)
1/10、1/20 金メッキの厚さを表す(1/10は10分の1ミクロンの意味
GEP GOLD ELECTRO PLATED(電気メッキの意味)
HGE HARD GOLD ELECTROPLATED(硬質電気メッキ加工品に使われる)

金張りや金メッキ加工の製品は、このような刻印によって加工方法が判断できます。金製品の購入や売却の際の参考にしてください。

マエKとアトK表記

ホールマークでもお伝えしたように、金製品の純度は1000分率で表記することがありますが、日本では24分率で表記する方法が一般的です。「K18」や「K24」という表記を目にしたことがある方も多いと思いますが、この24分率では「K(カラット)」という単位が使われます。Kに続く数字は、金の純度に応じて以下の表の通り表記されます。

純度 刻印(カラット表記)
37.50% K9
41.60% K10
58.50% K14
75.00%  K18
91.60% K22
99.99% K24

本題の「マエK」と「アトK」についてですが、言葉の通りKが数字の前にある場合を「マエK」、数字の後ろにある場合を「アトK」と呼びます。

金製品には「K18」や「24K」のように、Kの位置が異なる刻印が施されている場合があります。一般的に、マエKで表記されているものは日本製の金製品であることが多く、アトKで表記されているものは海外製の金製品や、作られた年代が古い金製品において見られることが多い傾向にあります。

カラーゴールドの種類

純金と言えば輝く黄金色が特徴ではありますが、「カラーゴールド」と呼ばれる黄金色とは違った色合いの金も人気があります。

この色の違いは、金に異なる金属を混ぜることで作り出されており、指輪やネックレスなどのジュエリーでよく使われています。

カラーゴールドの刻印は、上述した金の純度を示す刻印と色を示すアルファベットの刻印の両方が施されていることが多いです。主なカラーゴールドと刻印は以下の表を参考にしてください。

カラーゴールドの種類 刻印
イエローゴールド  YG
ピンクゴールド PG
ホワイトゴールド WG

たとえば、K18のホワイトゴールドであれば「K18 WG」のような形で刻印され、純度と色の表記の順番は前後することもあります。

基本的には、カラーゴールドの価値は金の純度によって決まります。しかし、金に混ぜられているほかの金属の価値が高ければ、その価値も価格に影響を与える場合もありますので、その点は留意しましょう。

海外で使用されている金の刻印の種類

海外の金製品には、日本では見たことがないような刻印が施されていることも多々あります。ここでは、6つの国のホールマークの特徴について詳しく見ていきましょう。

中国のホールマーク

中国では「支那金(シナ金)」と呼ばれる金が広く流通しています。かつて中国を支那と呼んでいたことから、中国で作られた金製品をこのように呼んでいます。

東南アジアでもよく知られている支那金は、純度に応じて以下のような刻印が施されています。

純度(目安) 刻印
K20相当 足金(そくきん)
K21〜23相当 千足金(せんそくきん)
K24相当 万足金(まんたるきん)

支那金は独特な黄金色をしており、偽物ではないかと不安になる方もいるかもしれませんが、上記のような刻印がある金製品であれば品質は保証されていると考えられるでしょう。

しかし、「足金」や「千足金」、「万足金」という刻印は純度が明確ではないことが多いため、実際の純度とは異なる刻印が施されていることもある点には注意が必要です。刻印があったとしても、売却時は詳細な鑑定が必要となることも十分あります。

台湾のホールマーク

台湾の金製品にも上述した中国のように「足金」「千足金」「万足金」や1000分率の「999.9」という刻印が多く使われています。また、純度だけでなく重量を示す刻印が施されていることもあり、「999.9 100g」のように刻印されていることもあります。

台湾での金の取引には「錢」という単位が使われています。これは日本の反物取引や和菓子業界などで使われる「匁(もんめ)」にあたり、1匁は3.75gです。

金1kgのインゴットは「266.66錢」と表され、ほかに「5両」(50銭または187.5g)、「1両」(10銭または37.5g)といった表現もあります。

さまざまな単位が使われているため複雑ではありますが、台湾で金の購入を検討している方は単位について理解を深めることも必要でしょう。

イギリスのホールマーク

イギリスでは1300年代に品質の悪い金製品が流通してしまったことから、品質保持のため金製品にホールマークを刻印することが義務付けられています。

イギリスのホールマークはさまざまな意味があり、主に施されているマークと意味は以下の通りです。

・製造メーカー(スポンサーマーク)
・金製品(スタンダードマーク)
・検査を受けた場所(アセイマーク)
・検査された年代(デイトレター)
・税金を納めている証明(デューティーマーク)

また、上述の通りイギリスは「ホールマーク条約(ウィーン条約)」に加盟しているため、CCM共通管理マークが刻印されます。これは、加盟国共通の基準によって品質が保証された証なのです。

フランスのホールマーク

フランスの「ポワンソン」とも言われるホールマークは、時代によってデザインが異なります。1838年〜1919年頃は男性の横顔や馬の横顔、そして鷲の横顔が刻印される製品の大きさなどによって使い分けられていましたが、現在は鷲の横顔で統一されているようです。

また、フランスの法律ではK18以上の純度でないと金製品として認められていないため、鷲の横顔の刻印があるものはK18以上の純度であることが保証されています。

イタリアのホールマーク

イタリアのホールマークは星マークが特徴的です。この星マークはイタリア共通のシンボルで、これに続く数字やアルファベットは貴金属業者や製造地域を示しています。そして、金の元素記号である「Au」、純度を示す数字が主に1000分率で刻印されています。

イタリアではホールマークの刻印は任意となっており、刻印がない金製品もめずらしくはありません。

タイのホールマーク

タイで作られたK22以上の純度の金製品には、「振和興」や「和成興」といった刻印が施されています。これはタイでも有数の金製品を取り扱う業者の名前で、この刻印がある金製品は信頼性が高いと言えます。また、K23の金製品には9657という刻印がされていることが多いですが、これは純度96.57%を示しています。

しかし、タイでは刻印されている純度と実際の金の含有率が異なる場合もある点には注意が必要です。たとえば、K22は純度91.6%となっていますが、タイでは純度90%以上であればK22の金製品として扱われています。そのため、K22を示す刻印があったとしても純度がもっと低い可能性も十分あります。

日本で一般的に流通している金は純度75%のK18ですが、タイではより純度の高い純度96.5%のK23が多く、タイ国内で取引されている金製品のおよそ90%はK23となっています。そして、タイは世界的に見てもK23の金製品の最大の流通国と言われています。

金以外で使用されている刻印

ここまで金の刻印(ホールマーク)について紹介してきましたが、プラチナなど金以外の貴金属にも刻印は使用されています。ここでは、金以外で使用されている刻印について詳しく見ていきましょう。

プラチナの刻印

プラチナの刻印は、プラチナの元素記号である「Pt」と、純度を示す1000分率の数字がセットで刻印されていることが多いです。主な刻印は以下の表を参考にしてください。

刻印 意味
Pt999(Pt1000) ほぼ100%の純プラチナ
Pt950 純度95%のプラチナ
Pt900 純度90%のプラチナ
Pt850  純度85%のプラチナ

作られた年代が古いプラチナ製品には「Pm」と刻印されていることがあります。この場合、純度の信頼性は「Pt」に比べやや低いとなることがある点に留意する必要があります。

シルバーの刻印

シルバーの刻印は、シルバーの元素記号である「SV」や英語表記の「SILVER」が使われることが多いです。そして、プラチナ同様に純度を示す1000分率の数字がセットで刻印されています。主な刻印は以下の表を参考にしてください。

刻印 意味
SV999 (SV1000) ほぼ100%の純銀
SV950 純度95%の銀 
SV925 純度92.5%の銀
SV900 純度90%の銀
SV800 純度80%の銀

「SV925」の銀は純度92.5%の銀を示していますが、その中でも残り7.5%に「銅」のみを割金として使用している製品を「スターリングシルバー」と呼びます。スターリングシルバーは国際的にも高い品質の証明として認められており、「STERLING」の刻印が施された製品もあります。

パラジウムの刻印

パラジウムの刻印は、パラジウムの元素記号である「Pd」と純度を示す1000分率の数字がセットで刻印されていることが多いです。主な刻印は以下の表を参考にしてください。

刻印 意味
Pd999(Pd1000) ほぼ100%の純パラジウム
Pd950 純度95%のパラジウム
Pd900 純度90%のパラジウム
Pd500 純度50%のパラジウム

パラジウムは見た目がプラチナに似ていますが、軽量で高硬度のため人気があります。割金の素材としてもよく使われており、プラチナよりも安価なためジュエリーなどでも人気が高い貴金属の一つです。

【アイテム別】金の刻印場所

上述の通り、ほとんどの金製品には刻印が施されています。資産目的で保有されることが多いインゴットなどは前面に刻印が見られますが、デザインが大切なジュエリーの場合は目立たない場所に施されていることが多いです。ここでは、アイテムごとの主な刻印場所を紹介します。

アイテム 刻印場所
イヤリング、ピアス 背面または側面
指輪(リング) 内側部分
ネックレス  アジャスター部分
ペンダントトップ 背面または側面
ブレスレット、アンクレット アジャスター部分
時計 本体部分の背面

ジュエリーは刻印できる場所が限られることが多いため、刻印自体も小さく施されていることが多いです。肉眼では確認できないこともありますので、ルーペなどを使って確認してみることをおすすめします。

金の刻印を見る際の注意点

金製品に施された刻印には、純度や製造元などさまざまな情報を示す重要なものですが、この刻印が示す通りの品質が保証されているわけではありません。金の刻印を見る際の注意点を3つ紹介しますので、しっかりチェックしておきましょう。

金の刻印は100%本物を保証するものではない

金製品に刻印があったとしても、その金製品が100%本物であることを保証するものではない点には注意が必要です。刻印されている純度と実際の純度が異なる場合や、刻印自体が偽造の可能性もあります。

日本では造幣局の検査をクリアしたホールマークの存在がありますが、これは日本で取引されるすべての金製品に義務付けられているわけではありません。

また、海外製品の場合も一部の国を除き刻印は任意となっているため、ホールマークがない金製品については信頼性が低くなることが多いでしょう。

金の刻印がない場合は偽物の可能性が高い

上記では刻印の信頼性についてお話しましたが、そもそも金製品に刻印自体がない場合も注意が必要です。

金製品の刻印が義務付けられていない国もあるので、刻印がない=すべて偽物とは言えませんが、刻印がない金製品は見た目には純度がわからず、金メッキや金製品との区別するのも難しいでしょう。

刻印がない金製品は信頼できる専門業者に鑑定を依頼してもらうのがおすすめです。また、刻印のない金製品を購入する場合は、上記のことを理解した上で検討しましょう。

アトKの金製品の取引には注意が必要

上述で「マエK」と「アトK」について紹介しましたが、アトKの刻印がある金製品は注意が必要です。

日本の金製品は主にマエKが一般的で、「K18」などの刻印が施されています。一方、東南アジアなどの海外で作られた金製品はアトKが多く流通していますが、海外製の金製品は刻印された純度よりも実際には低い純度である可能性があります。

上述したタイのように、国独自の制度で実際には低い純度であってもその刻印が認められている国もあります。また、金が使用されていないにも関わらず、金製品の刻印を施して金製品と偽って販売しているケースもあります。

とはいえ、日本の古い時代に作られた金製品や信頼できる海外メーカーでもアトKが使用されており、金を使用した日本製の万年筆のペン先はアトKの刻印が一般的です。そして、この万年筆のペン先は非常に人気が高く、高価買取が期待できる金製品の一つです。

すべてのアトKが危険というわけではありませんが、上記のようなケースもあることを念頭において慎重に取引をすることをおすすめします。

まとめ

金の刻印(ホールマーク)は、金製品の品質や純度を保証するためのマークであり、信頼性と価値を証明する重要な要素です。日本では刻印の義務はありませんが、海外では法的に義務化されている国もあります。それぞれの特徴を把握して偽物を取引しないようにしましょう。

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