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Dior(ディオール)の歴史
1905年にフランスで、クリスチャン・ディオールは実業家の両親の間に生まれ、恵まれた家庭環境で育ちました。少年時代にはパリの建築に興味を持ち、特に装飾芸術に強い関心があったディオールは建築家になることを志します。しかし、両親は息子が外交官になることを望んでいたため、パリ政治学院に進学することになったといわれています。
そんな中でも進学後は、新進気鋭のアーティストである友人に囲まれながら、古美術商と提携し、小さなギャラリーをオープンさせるなど、芸術界と密接に関わりながら過ごしていたといわれています。彼の装飾芸術の知識をもとにした感性やデッサン力は、当時の偉大なクチュリエ(裁断師)であるロベール・ピゲやリュシアン・ルロンに認められ、アシスタントとして働くことになりました。
著名なデザイナーであり、後にブランドを立ち上げたバルマンやジバンシィも上記のクチュリエから指導を受けており、互いに刺激を受けながら、ディオール本人の才能も開花していったといわれています。その後、独立し、ブランド”クリスチャン・ディオール”を立ち上げることになります。1946年フランスでクリスチャン・ディオールによって創設されたブランド。ブランド創設後、一気に世界のファッション業界のトップにまで駆け上がりました。
しかし1957年、ディオールは53歳という若さでこの世を去ってしまいます。彼の亡き後、ブランドを引き継いだのは、後に「モード界の帝王」とまで言われることとなる、あのイヴ・サンローラン。若き天才と呼ばれた彼は当時21歳という若さでブランドを任されることとなります。その後、さまざまなデザイナーを経て、1996年サドル・バッグを考案した、ジョン・ガリアーノや、2016年に初の女性クリエイティブ・ディレクターとなり、ブックトートを考案したマリア・グラツィア・キウリなど数々の名デザイナーがDior(ディオール)というブランドを作り上げています。
イギリス元王妃を虜にしたバッグ「レディディオール」
ディオールを愛し、積極的に身に着けた王妃にプリンセスダイアナがいます。彼女は高身長でキレイな顔立ちがで、ブロンドヘアが美しく、ディオールのドレスを見事に着こなし人々の羨望を受けました。ディオールはドレスだけではなく、ダイアナ妃のファッションアイテムも制作していました。1995年にパリを訪問する際に特別にダイアナ妃のために制作したのが、レディディオールというバッグだったのです。
レディディオールのバッグの特徴は、バッグ表面に施された独特のステッチとジュエリーのようなチャーム。直角に交わる斜めの縫い目で綾模様を描いた「カナージュステッチ」は、ディオールを象徴するモチーフです。上質なレザーのクッションが規則正しい調和を奏で、ダイヤモンドのような美しさを表現しています。
バッグのハンドルは、優雅に弧を描いたデザイン。バッグのエレガントさをより引き立たせる女性らしい物腰を象徴しています。チャームにはゴールドのコーティングを施し、ハンドルに「Dior」の4つの文字を添えています。バッグを持つ人の動作に合わせて気ままに揺れ動き、小さく上品な金属音を奏でます。ディオールの精神を色濃く映し出すアクセサリーとして存在するチャームは、レディディオールのバッグに華やかさを添える装飾です。レディディオールのバッグは、ブラックラムスキンを使用したカナージュステッチものがメインです。
クリスチャンディオールのアイコンバッグと呼ばれるほど、人気のアイテム、レディディオール。遡るとレディディオールは、1994年に「カナージュ・キュイール」という名前で発売されたバッグ。フランス語で籐の編み目の革という意味です。1995年、パリを訪れたダイアナ妃に、フランスのシラク大統領がこのバッグのブラックをプレゼントすると、ダイアナ妃はこのバッグをとても気に入り、すぐにディオール本店へと向かい当時7色展開あったバッグを全て購入したというのは有名な話。
それ以降ダイアナ元妃が公の場にもカナージュキュイールを持った姿がよく見られたことから1995年にダイアナ元妃の愛称であった「レディ・ダイアナ」に由来して”LADY DIOR(レディディオール)”に改名することとなったと言われています。
王道を極めたブラックラムスキン!選べるサイズは3種類
レディディオールと言えばカナージュステッチがふっくらとしたラムスキンによってコレ!と思われる方も多いかと思います。ラムならではの光沢感が高級感を漂わせ、持つ人をより魅力的に演出してくれます。フォルムやステッチ、Diorのチャームなど基本的な原型はそのままに、素材を変更した事によりイメージチェンジにも成功し、さらにファン層を増やしたとも言えます。
ダイアナ妃が皮革のレディディオールを使った事で、各国の王妃や王族の人にも愛用されるようになって行きました。用いられるブラックデニムスキンは不屈であり、普遍的でもありそこに施されるカナージュステッチを見るだけで、すぐにディオールであることが分かるようになってます。肌触りはなめらかで柔らかく、肌なじみが良いうえにカナージュステッチによってエンボスが現れて、バッグの表情を豊かにしています。ブラックカラーにゴールドやシルバーのDiorチャームが高貴な雰囲気を醸し出します。レディディオールのサイズ展開は三種類あり、ミニ・ミディアム・ラージとなってます。
ミニサイズ
約縦15cm×横17cm×幅7cm
最も小さいミニサイズですが、マチ幅は7cmとやや広い構造の為、コンパクトウォレットやスマホ、リップなどの最低限の荷物が入るサイズとなります。コンパクトなサイズ感がよりキュートな印象を与え、ハンドバッグとしてもストラップを使ったショルダーバッグとしても、より女性らしさを引き立たせてくれます。
ミディアムサイズ
約縦20cm×横24cm×幅11cm
誕生当初から親しまれているミディアムサイズは、横幅も十分ある為、ロングウォレットや手帳、コスメポーチ等毎日使用するアイテムをしっかりと収納できるサイズとなっています。
ラージサイズ
約縦25cm×横32cm×幅11cm
最も大きいラージサイズは、ミディアムサイズの幅はそのままに、縦と横が大きくなったサイズです。タブレット端末や手帳類はもちろん、A4サイズのノートPCも持ち運ぶことができ、ビジネスシーンでも活躍できるサイズです。
シンプルなカラーから豊富なカラーバリエーション
初期の頃は、定番なカラー展開しかありませんでした。サイズ展開がされると同時に、カラーバリエーションも豊富になっていったのです。レディディオールのミニは、パーティードレスにコーディネートされクラッチバッグの代用にされる事も多く、パーティードレスにコーディネートするとなると黒色や濃紺という色の展開だけではコーディネートが難しくなります。どんなドレスにもミニが組み合わせ出来る様に、様々なカラーが提案されるようにもなっていきました。
どちらかといえばクールなイメージがあるレディディオールですが、このローズプードルはこれまでのイメージと違い、ホワイトに近いピンクという甘めのカラーです。ペールゴールドのチャームはそのままに、フリルがついた甘コーデにも合わせやすいです。あえてモノトーンスタイルの差し色として使うのも、おすすめです。光沢を生かしたシルバー色なども新たに加わり、ラムスキンの柔らかい光沢を活かしたシルバーは、持つだけでシックなスタイルが決まります。
モード系などのシンプルな服装に合わせやすい万能カラーです。優しいアイボリー色は嫌味がなく、ブラックに次いで人気が高いアイボリーは、明るく女性らしい雰囲気を与えるカラー。Tシャツなどデイリースタイルにも合わせやすいため、すでに黒を持っている方におすすめです。
他に差をつける「レディディオール」
ファッションやセンスに自信が無くても、黒や白のシンプルなワンピースにバッグを組み合わせするだけでランクアップしたおしゃれな女性になる事ができます。レディディオールの特徴は、ハンドルに付けられているゴールドのチャーム。このチャームはディオールの「D」「i」「o」「r」の4文字がそれぞれ独立したチャームとして添えられ、動きに合わせて揺れれば繊細な金属音を奏でます。ディオールブランドをさり気なくアピールする、存在感たっぷりのチャームは、アイコンモチーフになっています。
チャームが非常に目立ち、華やかさを演出してくれるのでその他のジュエリーやアクセサリーを付ける必要がありません。2019年頃から登場したMy ABCDiorは、アイテムを自分好みのイニシャルやモチーフでカスタマイズできるシリーズです。ショルダーストラップ部分にピンを追加し、自分だけのオリジナルストラップを作り上げることができます。TPOに合わせ、変化を付けられる女性こそ、最高にお洒落なレディと言えるでしょう。
大人を醸し出す「レディディオール」というバッグ
レディディオールはブラックラムスキンでカナージュステッチが施されているバッグで、それこそがディオールを代表するバッグと思っている人も多いでしょう。上品というイメージだけではなく、最近では固定概念を覆した雰囲気も見られるようになっています。ディオールのハンドバッグを購入したら、長く使えるように正しいケア方法でお手入れしよう。以下のヒントを参考にしてみてください。
・レザーポリッシュに投資して、レザーバッグの輝きを保つ
・ディオールの布製バッグの汚れは、湿らせた布で落とす
・使用しないときは、ダストバッグやボックスに入れて保管する
・バッグの形を保つために、中にティッシュペーパーや紙を詰めておく
・年に一度はプロのクリーニングを受けるのがおすすめ
まとめ
クリスチャン・ディオールを代表するバッグです。世界中の女性から愛され続けているレディディオール。アップデートされていくアイコンバッグは、今後も目が離せません。持つ人をプリンセス気分にしてくれる、特別なバッグと言えるでしょう。