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神話的ブランド「ゴローズ」
1956年レザークラフト(革の彫刻)ブランドを設立。当時アメリカの文化が日本に流入し、特にファッションにおいては、デニム、パッチワークパターン、プレッピースタイル、レザージャケットが流行していきます。
シルバーアクセサリーが日本の若者たちに広まっていく中、ネイティブ・アメリカンジュエリーは、その生き様が伝説となった、故高橋五郎氏(通称ゴローさん)によってもたらされました。
1972年に東京の原宿地区にショップ『goro’s』をオープン。ゴローさんはサウスダコタ州を拠点とするラコタ族と出会い、インディアンネーム「イエロー イーグル」を授かります。さらにその2年後の1979年には、神聖な儀式「サンダンス」に参加するほどの関係性を築き、日本人初のインディアンとなったのだそうです。
ゴローズには神話的なカリスマ性があります。
ブランドオリジナルであるイーグルのペンダントやフェザーなど、そのアイテムに魅了された著名人で知られるのは、タトゥーアーティストのDr. Woo、ミュージシャンのジョン・メイヤーやエリック・クラプトン、デザイナーの藤原ヒロシさんや俳優の木村拓哉さんなどです。
ゴローズの暗黙のルール
ゴローズでのショッピングは忍耐力が必要です。辛抱強く行列に並び、また店内では購入の際に知っておくべき暗黙のルールがあります。また現金決済が絶対条件で、クレジットカードは利用できません。お店に足を運ぶ際は、それなりの現金を持参してください。
1度の買い物でフェザーは1つしか買えない
ゴローズでのショッピングにおける暗黙のルール、それは「One day, One feather」、つまり、1回の購入でフェザーは1枚までです。これはゴローさんのアメリカでのネイティブインディアンとの交流が影響しています。
一度断られたイーグルの羽根を手に入れたエピソードがあり、その経験から1つずつ大切にする考え方が生まれました。
フェザー1枚のルールは、人との交流を大切にする文化を背景に持つ、ゴローズの特別な価値観が反映されています。
店内にある全ての商品が買えるわけではない
暗黙のルールはまだあります。店内の全アイテムが、必ずしも購入可能とは限らないことです。ディスプレイには価格のついていない商品も存在し、値札のついたアイテムのみが販売対象です。価格の不明な商品に関する質問は避けましょう。
また、望む商品が見つかったとしても、通りすがりの呼びかけは慎重に。間違った呼び名で注文すると、最悪の場合購入が難しくなることも。「この一番左のをください」と指差すのが、確かな方法でしょう。
目的のものがあればすぐに声をかける
最後に。複数人で入店しても、目的のアイテムを見つけたら即座にスタッフに声をかけましょう。なぜなら、一組につき1つしか販売されないフェザーなどがあるためです。
そして、心に留めておきたいのは、他ブランドのアクセサリーを身につけないこと。ゴローズ以外のアクセサリーが店員の目に留まり、最悪の場合、購入が難しくなることもあるといわれています。
既に持っている人はゴローズだけに、初めての人は何も身につけずに訪れることを心がけましょう。
ゴローズの店内で禁句ややってはいけないこと
ゴローズ店内では気を付けなければならない「禁句」や「禁止行為」が存在します。創業以来、お客様との対話を大切にするゴローズでは、商品に興味がない方や転売目的の方は不適切です。店内での言葉づかいや態度には気をつけましょう。
「自分の買い物ではない」ことを言う
店内で禁句となるのは、自分が着用しないことを連想させる言葉です。例えば「彼氏へのプレゼントです」や「友達に頼まれて買いに来ました」などといった言葉で購入しようとすると、帰されることがあるようです。
ゴローズの魅力は、アイテムを自分でカスタマイズし、世界でただ一つのあなただけのオリジナルを手に入れることにあります。つまり、ゴローズのアイテムは他者のためではなく、自分のために購入するべきなのです。
「〇〇ください」の一点張りの連発
店内の禁句となる言葉はまだあります。それは「○○をください」と一点張りのリクエストをすることです。レア物は極めて希少なので、それを知りつつ「○○を売ってください!」と連発するのは避けましょう。
特に入店回数が少ない人は、コミュニケーションを大切にし、アドバイスを受けながらカスタマイズすることが大切です。常連となってからレア物を狙うのが賢明でしょう。店員さんとの良好な関係を築きつつ、ゴローズの魅力を存分に楽しんでください。
商品を言い間違えたり写真を見せて買う
最後にゴローズ店内での避けるべき行為についてお伝えいたします。まず、商品名を間違えないように心掛けましょう。また、スマホなどで画像を見せることも厳禁です。ゴローズへの訪れは、心からの愛着が前提。商品名は事前に覚えておきましょう。
誤った表現や理解不足だと「次回は『ゴローズ大全』を読んでから来てくださいね」と示唆されるかもしれません。ゴローズに対して、知識と理解を深めましょう。
ゴローズに行く前の注意点
ゴローズでは毎日200〜300人ほどが列を作ります。そのためスタッフが、それとなくチェックしています。ゴローズのアイテムは世界的に人気で、転売目的の訪問が絶えません。疑いをかけられないよう心掛けることが大切です。
ゴローズに似合うアメカジファッションで行く
ゴローズへ出向くには慎重なスタイル選びが必要です。転売目的の人は、明らかにゴローズのファッションとは異なるファッションで現れがち。ゴローズのコンセプトに合う、デニムやチェックシャツ、革小物でコーディネートするアメカジが最適です。
アメカジの代表格、木村拓哉さんやさまぁ〜ずのようなスタイリングがベストでしょう。過去には整理券を求めて並んでいる間に、洋服が不適切とされたケースも。服装には注意しましょう。
店員さんの質問にしっかり回答する
ゴローズの接客はコミュニケーションを大切にしています。普通のお店と異なり、列に並んでいる最中や入店時に、店員さんから質問されることがあります。
たとえば、「ゴローズは何で知ったの?」には、「TVでキムタクがつけていて、かっこいいと思いました!」と答えると好印象です。
また、「ゴローズで並ぶのは何回目?」には、「もう10回近いですね!今日こそ当たりたいです!」と経験をアピール。もしも並ぶのがはじめてなら「はじめてです」と素直に伝えましょう。自然な受け答えをすれば問題はありません。
ゴローズアイテムを身に着けて行く
ゴローズのアイテムを所持している場合は、必ず身につけてください。ゴローズのアイテムを身に着けることで「ゴローズ愛」をアピールできます。持っていないからといって、友人から借りたり、偽物を身に着けるのは避けましょう。偽物をつけていると見破られますし、不信感を持たれる恐れもあります。
まだアイテムを持っていない場合は、正直に初心者スタイルで行くことがおすすめです。ゴローズへのリスペクトを示しましょう。
紙のリストバンドはつけておく
高い倍率の中、抽選で当選した人は入店順位が書かれた、リストバンドを手首に巻いてもらえます。このリストバンドは紙製で、破らないとはずせません。
ゴローズでは、これが転売対策の一環となっています。当選者は慎重に扱い、絶対に破らないよう注意してください。
転売防止策として写真撮影がいる
購入後には写真撮影が行われています。これは不当転売を防ぐための対策です。ゴローズではアイテムと購入者の写真を撮り、スタッフが顧客ごとの所持アイテムを記憶します。これにより、誰が転売したかを特定しやすくしています。
このような厳格なルールにもかかわらず、アイテムの転売はなくなりません。ゴローズは「本当に欲しいと思っている人にだけ商品を販売する」というポリシーを掲げています。これに協力し、ゴローズの価値を守りましょう。
ゴローズの並びと抽選のルール
ゴローズの直営店は原宿にしかありません。しかも一店舗のみなため、アイテムを求める人々で常に行列ができています。入店するためには並び方や流れを知ることが重要です。抽選や厳格なルールについてご紹介しましょう。
ゴローズ直営店の営業時間
ゴローズの直営店の営業時間は、「月曜日~土曜日:1:00 PM - 8:00 PM」、「日曜日・祝日:1:00 PM - 7:30 PM」。「水曜日:休業」となっています。
また、夏季休暇(8月1日~8月31日)や年末年始(12月31日~1月5日)の長期休暇もあります。並ぶ前にゴローズの公式ホームページのスケジュールで、営業時間について確認しましょう。変更される可能性もあるので、事前に必ずチェックしてください。
ゴローズ入店時の持ち物とルール
新型コロナウイルスの対策としてマスクの着用、検温・手指消毒、適切な距離の確保が求められます。一度に来店できる人数は2人まで、18歳未満の方の来店・同行は不可です。
【当日必要になる持ち物を準備しておきましょう】
・顔写真つきの本人確認書類……運転免許証(公安委員会・警視庁発行のものに限る)もしくは顔写真付きのマイナンバーカードが必要です。また、現住所の確認出来るもの(公共料金の領収証等)も持参してください。
・現金……支払い方法は現金のみ。クレジットカードも含めキャッシュレスは未対応です。
・モバイルバッテリー……長時間待つことになるので持参した方が便利です。
・携帯型折りたたみクッション……待機列はガードレール沿いに形成されます。ガードレールに腰かける際に小型クッションがあると重宝します。
・折りたたみ傘……待機場所には屋根がありません。突然の雨に備えましょう。
ゴローズの抽選参加のための3つの条件
抽選に参加するためには3つの条件があります。
①住んでいる地域
②誕生月
③来店記録
これらの条件は、抽選に参加できるかどうかを左右します。公式ウェブサイトで確認できるスケジュールには、日毎に変わる条件が色分けされています。記載された条件をクリアしている日に、抽選に挑戦してください。
日本在住であれば、抽選は11時頃からスタートします。抽選自体は何度も参加できますが、入店できるのは一か月に一回のみです。
条件が合っているのに抽選に参加できないケースがある
抽選へ参加できる条件をクリアしていても、スタッフの判断で抽選に参加できないケースがあります。
①転売屋と判断された。
②ブラックリスト入りしている。
③ゴローズのアイテムを身に着けていない。
④類似品を身に着けている。
などが挙げられます。
ゴローズは転売の防止とブランドイメージの保護に注力しています。抽選に参加する際は、ブランドをリスペクトするスタイルで臨むことが大切です。
当選確率は20~30%ほど
ゴローズの当選確率は非公開です。そのため具体的な数字は不明です。ただし、入店できる目安の番号は40番から60番までといわれています。つまり通常の営業日には約200人が列をなすため、当選の確率は20%から30%程度でしょう。
休日や長期休暇明けはより多くの人が並び、当選の可能性は低下します。また、入店しても目当てのアイテムが手に入るとは限りません。そのため、ゴローズへの入店は、まさに一種のイベントだといえます。
ゴローズの時代とともに変わる並び方の変化
ゴローズでの並び方には決まったルールがあります。しかし、そのルールも時代とともに変化していきました。その移り変わりについてご紹介します。
創業当初は並ばずに入店できた
ゴローズが原宿でオープンした当初はブランドとしての知名度が低く、そもそも行列ができることはありませんでした。しかし、1990年代になり「裏原ファッション」や「渋カジ」など、多くのトレンドが生まれます。
ゴローズも同時期に高い人気を獲得、芸能界での愛好家が増え、そして若者層に急速に広まりました。ブームの拡大に伴い、オープン当初の静けさから一変。入店を希望して人々が集まり、長く列を作る光景が定番となったのです。
自主的に徹夜で並ぶ人が出てきた
急速に人気を博したことで、アイテムを求める人々は、開店前から自主的に行列を作り始めます。そして「徹夜組」と呼ばれる徹夜をしてまで並ぶ人々が現れました。当初ルールが曖昧で、近隣住民からの苦情が寄せられるようになます。そこでゴローズ側が並び方に正式なルールを設けました。
この頃、確実に入店をするためには並ぶことが当たり前でした。並びさえすれば入店できたので、徹夜組が増える一方だったのです。
近隣からのクレームによりルールを明確化した
ゴローズの並び方に明確なルールができたのは、近隣住民からのクレームが影響しています。前夜から行列を作っていた徹夜組のマナーの悪さが問題視されたのです。
当時、店頭に掲示されたお知らせには、「徹夜や早朝からのお並びは禁止」「朝7時以降の並びのみ可」「周囲への迷惑行為は入店拒否の対象」といった具体的な規定が示されました。これによって徹夜で並ぶ人はいなくなります。
抽選のルールが導入された
列の先頭から並び順で入店するルールから、抽選して入店するルールへと変更されました。
2015年9月、ゴローズは公式Twitter(現X)を通じて次のように伝えます。
「並び開始時間はAM11時、ゴミ管理や近隣住民への配慮をお願いします。ゴローズを末長く存続させるために皆さんのご協力、よろしくお願いいたします」
この変更に伴い、来店者は本人確認書類の提示が必須となりました。ネット通販普及に伴う転売増加への対策と、顧客管理を徹底して行っています。
コロナウイルスにより細かいルールが生まれた
2020年、新型コロナウイルスの影響でゴローズは感染対策に配慮し、並び方のルールを再び改定しました。店舗前に並んでも良いのは午前11時からとし、入店ルールとして、住んでいる地域や誕生月によって分類したのです。また来店記録のあるなしも項目に含まれました。
入店ができる条件は日によって変えられ、組み合わせも異なり、また月によっても異なるため、最新情報をゴローズの公式サイトで確認することが非常に重要でしょう。
ゴローズに並んでから入店までの流れ
ゴローズに並ぶ手順はシンプルです。まず「抽選」で順番を決定し、「再び整列」。その後、「入店」となります。つまり順序は3段階に分けることができるのです。
11時から整列して抽選を行う
抽選に参加するために11時から並ぶことが可能です。並ぶことができるのは、11時から13時とされていますが、余裕をもって11時頃には列に加わることが重要です。身分証の確認が終わった後、スタッフの指示でタブレットを操作し、抽選がスタート。
番号が表示されたら当選です。その番号が入店番号と考えて問題ないでしょう。しかし、数字が60番以降だと入店が厳しいかもしれません。当選者は、その場でリストバンドを手首に巻かれます。
当選したら再度整列する
抽選で当たった幸運な人は、待機列の後ろに再び並び、すべての抽選が終わるまで待つことになります。そしてスタッフによる番号での点呼が行われ、当選者は順番に整列します。番号が小さいほど、開店13時まで待機が必要です。
逆に、入店のタイミングが後方の番号であれば、店舗前から離れても問題ありません。ただし、15時に再点呼があることが一般的です。スタッフの指示に従い、再び店舗前に戻りましょう。
グループで入店して購入する
ゴローズへの入店は、5~8名ずつが1つのグループとなり店内に入る形式です。店内ではカウンター前で整列し、ひとりの顧客に担当がひとりつきます。担当の店員から接客を受けショッピングを楽しみます。また順番に注文が取られるので、他の人を抜かさずに待ちましょう。
ここで重要なのは、ゴローズのアイテムは高額で希少性が高いため、購入を決断する前に確認事項を把握しておくことです。サイズ、デザイン、素材などについての質問も積極的に。
初来店時に購入できるフェザーアイテムおすすめ3選
ゴローズで初来店でも購入できるアイテムの中で、おすすめなのは「フェザーモチーフ」です。常連にならなければ購入できないものもありますが、フェザーは定番アイテムなので入門編としてもピッタリです。
メタル付き特大フェザー
ゴローズの魅力を最初に味わうなら、まずは「メタル付き特大フェザー」がおすすめです。その単体でも存在感がある個性的なデザインは、初めてのゴローズでも手にしやすい定番です。
年間を通じて入手できる可能性が高いレギュラーアイテムなので、気軽にファッションに取り入れてみてください。きっと頭の中でイメージしていた、ゴローズを取り入れたコーディネートを存分に楽しむことができるでしょう。
上金特大フェザー
「上金特大フェザー」は、ゴローズの象徴とも言えるアイテムです。イーグルの胸の羽がモチーフのハートフェザーが上にロウ付けされています。ネイティブアメリカンにとっても特別な意味をもち、両向きで揃えられるよう左右で向きが存在します。
定番系に分類され、陳列確率は高いといえます。その人気の高さはゴローズ愛好者からの支持が厚く、初来店の方にもぴったりでしょう。
上金金縄ターコイズ特大フェザー
ターコイズが見事にあしらわれた「上金金縄ターコイズ特大フェザー」は、特大フェザーの中でも最も希少で価値の高いアイテムです。夏場には特に人気があり、ターコイズモデルの中でも高い注目度を誇ります。
定番モデルの特大フェザーの中で、最も定価が高いものですが、初来店でも購入が可能なので、購入候補にいれることをおすすめしたいアイテムです。
ゴローズはなぜ価格が高いのか
ゴローズの価格が高いのには、深い理由があります。ゴローさんの手によって魂が込められた初期の製品は、たぐいまれな希少性と個性が溢れていました。現在は大量生産となりましたが、それにより均一で美しい品質が実現しています。
それでもなお、入手が困難なゴローズ。来店可能人数の制限や商品入荷も日ごとに変動があり、カスタムには時間と忍耐が必要ですが、これが他ブランドとの決定的な差別化となるのでしょう。
ゴローズの商品を確実に買える方法
ゴローズの商品を入手するには、ブランドが設けるルールを忠実に守ることにあります。原宿の正規店を訪れ、抽選に参加し、見事当選を引き当てましょう。ゴローズに対するリスペクトも大切です。ブランドの世界観を大切にしたコーディネート、そしてコレクションに対しての見識も深めましょう。
公式サイトのチェックも重要ですが、積極的にWebでの情報を発信していないブランドなので、情報収集には本や雑誌など書籍も効果的です。イーグルからフェザー、ブレス、レザー商品などが掲載されている『ゴローズ大全』はブランドのバイブルといえるでしょう。
それでも購入が難しい場合があるため、信頼性のあるリセラーやリユース市場などで、中古も検討してください。
まとめ
日本のインディアンジュエリーといえばゴローズ。他のブランドと一線を画す、多彩な魅力と希少価値があります。購入には難易度が高いように感じますが、それを差し引いても購買欲を掻き立てられるでしょう。
新たにゴローズに興味を抱いた方もぜひチャレンジしてみてください。