ルイスレザーの歴史
ルイスレザーのブランドの歩みについて紹介します。レザージャケットは重厚感のあるスタイルながら程よくカジュアルダウンできるアイテムで、男性だけでなく女性にも人気のファッションです。マイルドなテイストのレザーからハードコアなものまで、価格もピンからキリまであるレザーアイテムですが、最高峰と言われているのが「ルイスレザー」です。
特に世の男性にとって1枚は持っていたい憧れのレザーと言われています。ルイスレザーは100年以上の歴史を持つ、イギリス発の老舗レザーブランドです。1892年に創業して以来、飛行やモータリング用のレザーウエアから始まり、1970年代のパンクロックカルチャーのマストアイテムとして世界中に広まりました。そして迎えた1980年代は、ルイスレザーにとってまさに変化の時代でした。1970年後半に爆発的な一大ムーブメントを起こしたパンクロックでしたが、80年代に入るとブームが過ぎ去り、ルイスレザーの売り上げも激減していきました。
ルイスレザーの人気に肖ってか、イギリス内には安価で販売する輸入品のモーターサイクルアイテムが急増しました。さらには経営体制も大きく変わりました。会社の株を売り、ワード・ホワイト・オブ・カンパニーによって買収されます。その後、1982年にイージーライダーM/Cクロージングの子会社になりますが、1986年にはまた会社の所有者が変わりました。経営面でも経営権が定着せず、状況を打破しようと廉価なアイテムを売り出します。1980年から90年代前半はルイスレザーの低迷期でした。以前のようなルイスレザーを取り戻すべく立ち上がったのが、デリック・ハリス氏です。
現在のルイスレザーの代表でもある彼は、元代表のリチャード・ライオン氏に声をかけます。ルイスレザーの復活を試みる二人が注目したのは、1960年代から1970年代に発売されたジャケットでした。当時の成功例からヒントを模索し、復刻版としてリニューアルしたパターンのジャケットを作り出します。まだ完全復活とはいえない1993年、101年もの間同じ場所でお店を開いていたイギリスのショップが閉店を迎えました。
しかし、その一方で取扱業者がいくつか現れるようになります。その中には日本の存在もありました。1990年代に入ってから日本はルイスレザーに注目しており、1996年の新作が発表された際にも日本国内でのルイスレザーへの興味はますます高まっていったのです。2001年、デザイナーのジャンヤ・ワタナベとコラボレーションの契約が成立し、日本向けのルイスレザーがリリースされました。これが大成功をおさめ、2005年には、東京都渋谷区に「ルイスレザーズ・ジャパン」が設立されました。そして現在では、ロックバンドのメンバーやアーティストが愛用するレザーブランドとして、日本でも認知されています。
ブロンクスジャケット
まだフライングマーケットに広告を出している間、1956年5月にD.ルイスはその最も象徴的なジャケットであるブロンクスジャケットを発売しました。これは1930年代のフライングジャケットのアップデートです。マーロン・ブランドの映画「乱暴者」の禁止の影響を受けて、10代の市場を目指して、ブロンクスはイギリスのショット・パーフェクトに相当するものになる予定でした。モーターサイクリングの人気の大幅な増加と、モッズとロッカーズの時代に合わせて、同社はファッションに敏感な反逆者にもアピールし始めた黒革のジャケットの範囲を拡大し続けました。
ルイスレザージャケットは、パーフェクトモーターサイクルジャケットなどのアメリカのジャケットとは異なり、1950年代半ばにイギリスで、多くの若いライダーが、タンクや腕の真上でしゃがんだレーシングヒーローのライディングスタイルに影響を受けました。クリップオンハンドルバーを前方に保持します。アメリカンスタイルのジャケットを着用するには、ほとんどのアメリカンスタイルに見られる真ちゅう製のバックルに傷が付いていたため、背中の両側に拡張プリーツを付けたり、バックルを革で覆ったりするなど、さまざまな変更を加える必要がありました。
ロッカー世代に選ばれるジャケットとなり、40年以上経った今でも生産されています。オリジナルのブロンクスジャケットのさらなる開発は、スーパーブロンクスツイントラックバージョンであり、追加のジップトラックが取り付けられて拡張できるため、ライダーは冬にかさばる暖かい服を着ることができます。1965年9月のブライトンモーターサイクルショーに最初に登場し440TTと指定され、広告の伝説では「他では入手できない」と宣言され、標準のブロンクスと一緒に384と指定され、2つのバリエーションは1966年から継続しました。
ルイスレザーのラインナップ
●LIGHTNING(ライトニング)
1958年に誕生した歴史あるレザージャケットは、ルイスレザーのスタンダードなモデルです。胸に垂直に、その下に水平2個ずつ、合計4個のジップポケットが配され、両サイドには前方に向かってダブルストラップのアジャスターが付けられています。4つのジップポケットとフロントに回り込むバックル、バックスタイルのデザイン、その全てがシンボルとなっており、まさに英国を代表するライダースジャケットと言えます。
No.402 LIGHTNINGは1977年にリリース。No.391 LIGHTNINGの後続モデルで、違いとして腰に配されたアジャストバンドがバックに付いている事、フロントにドットボタンが付きシンプルでクリーンな印象を与えてくれます。No.402 LIGHTNINGは4番目のLIGHTNINGジャケットで、No.401(現在は生産中止)の次のモデル。レギュラーフィットとタイトフィットの2タイプから選択可能です。
●CYCLONE(サイクロン)
1973年に発売されたCYCLONE。CYCLONEのそのシンプル且つ端正なプロポーションは現代に於いても完成されたバランスと讃えられています。スッキリしたデザインの中でもフロント裾部分のジップを覆うように配されたスナップボタンベルトが特徴的です。当時のライニングはニットナイロンが主に使用されていました。レギュラーフィットとタイトフィットの2タイプから選択可能です。シンプルなデザインでありながらも、その絶妙なシルエットから熱烈な支持を集め、"完成されたバランス"として現代においても揺るぎない存在感を放っています。
●DOMINATOR(ドミネーター)
1962年頃にラインナップに加えられたDOMINATOR。左右のチェストに付くジッパーポケットが、シンプルなデザインの中に主張を与えています。また、フロントのスナップボタンベルトは、モーターサイクル乗車時にジッパーでタンクを傷つけないようにガードしてくれます。レギュラーフィットとタイトフィットの2タイプから選択可能です。ジッパーポケットが両胸に配され、タイトフィットモデルのみ袖にコインポケットが付属します。
●CORSAIR(コルセア)
1962年に登場したCORSAIR。極力無駄を省きつつも、ルイスレザーズならではのディティールを落とし込んだレザージャケットです。永年愛用するにはうってつけの1着です。フロントのスナップボタンベルトが、モーターサイクル乗車時にジッパーでタンクを傷つけないようにガードしてくれます。ライニングにはジッパー付きの内ポケットがあるので、十分なキャパシティーを確保しており、レギュラーフィットとタイトフィットの2タイプから選択できます。バイクタンクを保護する為にフロントのスナップベルトを、サイドにはアジャスターバックが配され、ウエストのサイズ調整もできます。
●SUPERMONZA(スーパーモンザ)
1978年に登場したSUPER MONZA。バックに装着されたシャープなデザインのパッドと、ウエストベルトの切り替えがこのモデルの特徴で、着丈は長めに設定されています。身体に沿うボディシェイプがジャケットをよりスタイリッシュに仕立てています。スタンダートなダブルライダースとは一味違うものを求めるカスタマーに支持される1着。レギュラーフィットとタイトフィットの2タイプから選択できます。
●SUPER PHANTOM(スーパーファントム)
1975年にラインナップに加えられたSUPER PHANTOM。レーシングスタイルでの実用性と、デザイン性を兼ね備えたシングルライダースで、着丈は若干長めに設定されています。フロントの左右に配置されているポケットが全体を引き締めており、マンダリンカラー(スタンドカラー)のバックにはヴィンテージ同様、コーデュロイが使用されています。タウンユースにも対応するスタイリッシュなレザージャケット。こちらは、レギュラーフィットのみの展開となります。
●WESTERN JACKET(ウエスタンジャケット)
1968年にリリースされたWESTERN JACKET。このレザージャケットのスタイルはオーセンティックなウエスタンラインで、スナップ釦付きのポケットと美しいブラックサテンのライニングが配され、洗練されたデザインになっています。ライニングはブラックサテンで固定となっています。レギュラーフィットのみの展開。ルイスレザーで唯一デニムジャケットの形をした"ウェスタンジャケット"ライダースジャケットといえばシングル、ダブルのイメージを持つ方も多いでしょう。そんな中、デニムジャケットをモチーフとした形の珍しい形状を持つのがこのウェスタンジャケットです。幅広いコーディネート力の高さが非常に魅力的なモデルです。
●SUEDE WESTERN JACKET(スウェードウエスタンジャケット)
ウエスタンジャケットにはシープのスウェード生地を表に使用したモデルも存在します。柔らかく着心地の良いスウェードレザーは通常のスムースレザーよりカジュアルな印象を与えてくれます。ライダースのハードな雰囲気が苦手な方にも人気なモデルです。
●BRONX JACKET(ブロンクスジャケット)
約60年間に渡るブリティッシュモーターサイクルジャケットのスタンダードモデルです。バイクに乗る際のアーム部分の動きを妨げない仕様として背中のアクションプリーツが付き、ハーフベルトのバックルがレザーでカバーされているのはバイクのタンクに傷をつけないためのディティール。このスタイルは若いブリティッシュモーターサイクリストと結びついて究極のTon upジャケットとして称されています。
●UNIVERSAL RACER Mk.1(ユニバーサルレーサーマーク1)
1926年D-Lewisレンジのレーシングスーツ。このスタイルはUNIVERSAL RACER MK1として初めてとなるモデル。ジャケットの肩と肘のパッドとフロントの2つのポケットはSupoer Monzaのデザインの先駆けとなった、古き良きを形にしたモデルです。
インナーの種類
●レッドキルティング
ルイスレザーといえばレッドキルトをイメージされる方が多く、代表的なインナーでございます。中綿が入っておりクッション性、保温性が高くなっております。レッドキルトの場合、袖はゴールドサテンになります。着用時、フィット感が高く感じますが、着用後はブラックニットとさほど変わらない着心地になっていきます。
●ブラックナイロンニット
中綿が無く生地を縫い付けてあり、レッドキルトに比べ着用時の締め付けが少ないインナーです。クッション性と保温性はレッドキルトに比べると落ちますが、通気性が良く暖かくなったときでも、比較的に着やすいインナーです。ブラックナイロンニットの場合、袖もブラックナイロンニットになります。
●スコティッシュタータンチェック
60年代のジャケットに見られたディテールで、オールド感を楽しめます。ブラックナイロンニットと同じく着用時の締め付け感は少なく、肌障りも柔らかくなります。スコティッシュタータンチェックの場合、袖はブラウンサテンになります。
●ドッグトゥースウール(千鳥格子)
2021年6月3日より新たに加わったライニングです。ライニングには、スコットランドのアウターへブリディーズ諸島で手織りされる“ツイードの王様”こと最上質のハリスツイードを採用。ドッグトゥースウール(千鳥格子)の場合、袖はブラウンサテンになります。
レザーとカラーについて
●カウハイド
革としてトータルバランスが良く頼れるレザー。ライダースジャケットの王道です。古くから牛革が最も多く使用されています。まずはカウレザーからという言葉もよく耳にすると思います。それは牛革が体を守るギアとしての強度、耐久性を備えています。タフで着込めば着込むほど味がでます。革としてトータルバランスが良いのが人気の秘密です。
●ホースハイド
ホースハイドの魅力はツヤだけでなく、本来キメの細かさとしなやかさにあります。独特な張りと着込んだときの光沢感が特徴です。最初は固さを感じますが、比較的早く馴染みます。カウに比べるとかなり早く柔らかくなります。着込んでいって出てくるホース独自の"アタリ"の雰囲気が好きな方も多く、根強い人気を誇ります。
●シープスキン
牛革や馬革に比べ軽量で柔らかく保温性が高く、独特の経年変化が特徴です。表面には独特なシボ感もあり渋い雰囲気が好みの方から、絶大な支持を得ております。着心地が良く軽いので、日頃からよく着るセカンドジャケットとしてオーダーする方が多いレザーです。
●ラットランドシープスキン
イギリスのラットランド地方のシープスキンで通常のシープスキンに比べ、シボ感が少ないのが特徴です。上品な光沢感があり、洗練された雰囲気を持っております。見た目はどちらかと言うとホースハイドに近く、通常のシープスキンよりも若干固めですが、カウやホースよりも柔らかく着やすいレザーです。
ベジタブルタンニンカウハイドは、2020年に新たにラインナップされた"ベジタブルタンニンカウハイド"ルイスレザーズでは、1970年代にごくわずかに展開されていた茶芯を牛革で復活させました。着用していくと経年変化し、茶色の芯が少しずつ現れてきます。
まとめ
ライダースジャケットは男の憧れです。ライダースブランドの老舗、英国ルイスレザーはやはり、ミュージシャンや有名人まで幅広く愛用されのレザーブランドの代名詞となりました。