ダーニングとは?
ダーニングとは、ヨーロッパで伝統的に行われている、衣類の穴あきやすきりれた箇所を修繕する針仕事です。セーターや靴下などは使っているうちにどうしても穴が開きやすいものです。穴が開いてしまったり、しみがついてしまったお気に入りの洋服を針と糸を使って繕います。ダーニングの目的は主に二つです。
一つは直し、つまり繕いをすること、一つはそれ以上穴が広がらないように丈夫にすることです。そのほかに、刺しゅうのように装飾としての効果を狙ってわざとダーニングを施すこともあります。
ダーニングに必要な道具
ダーニングマッシュルーム
その名の通り、マッシュルームの形をしているから「ダーニングマッシュルーム」と言います。ダーニングをするところの下に当てて、針がほかの生地を縫ってしまわないようにするものです。また、生地を引っ張って、糸をしっかり張る目的もあります。上記のクローバー製のものはマッシュルームを付け替えて使うことができるものです。
※代用品
ダーニングマッシュルームは安いものでも2000円程度するものです。たくさん直したいものがあるならば購入してもよさそうですが、1つ2つやってみたいときは、丸くて針を通さないような固いものであれば代用が効きます。こけしの頭や、木製の丸いコマ(100均のおもちゃコーナーでよく見かけます)、けん玉なども代用できます。ガチャガチャのケースなども大きさがちょうどいいです。
とじ針
編み物用のとじ針は上記のように何本かセットになったものが多いです。編み物をする方にとっては必須のアイテムです。もしかするとおうちにあるかも、と思った方は編み物セットを探してみてはいかがでしょうか。とじ針の太さは糸の太さに合わせて選びましょう。針先が丸いので、トレーナーやパーカー、キルティングニットといった素材の場合は、かえって針穴が大きく開いてしまうかもしれません。小さめの針を選ぶようにしましょう。
ダーニング用の糸について
ダーニングをするための糸は直したい服の素材に合ったものがよいです。ただし、初めてやる場合はある程度の太さがある糸を使った方がやりやすいようです。ダーニング専用の糸もありますが、普通の毛糸に比べてだいぶ細いのでセーターや靴下の場合は細~中太の毛糸を使うとよいでしょう。装飾として、目立たせたければ明るい色を、目立たせたくない場合は近い色と細さのものを選ぶとうまくいきます。また、毛足は短いもののほうが扱いやすいです。
刺しゅう糸
刺しゅう糸を使う場合は、「5番」を使います。刺しゅう糸としてはだいぶ太めの糸になりますが、毛糸よりは細いので繊細な仕上がりになります。リネンなどの布帛素材を直したいときにおすすめです。針目は細かくしないときれいに仕上がりませんので丁寧に少しずつ進めるつもりで使いましょう。
コットン糸
毛糸よりも毛足が短く、扱いやすい糸です。ある程度の太さがあり、初心者向きといえます。手触りも柔らかいので子供服の直しにおすすめです。少し高価なので手芸店などで安売りしていないか探してみるとよいでしょう。
基本的なダーニングの縫い方
まずは、基本的なダーニングのやり方を覚えましょう。必ず必要な道具は、補修する衣類の生地に合わせた糸と、その糸に合う針だけです。他は家にあるもので代用できます。基本を覚えるだけでも十分お直しができるので、気軽に挑戦してみましょう!
フォークで横糸を詰める
ダーニングに慣れていないうちは、補修跡に隙間があきがち。隙間をあけないようにするために、フォークを使って横糸をしっかり詰めましょう。補修箇所や糸の太さに合わせて、なるべく小さめのフォークを使うのがおすすめです。
針の太さにも注意
ダーニングに使う針は多少太くても大丈夫ですが、糸に対して太すぎると失敗のもとに。また、針先が尖っていないタイプの針も縫い跡が目立ってしまうので、細い繊維の生地には要注意です。使う糸や生地に合わせた針穴・針先のものを選びましょう。
やり方
繕う部分にダーニングマッシュルームを裏側からあて、生地をほどよく張ってからゴムでとめます。肩幅くらいの長さにカットした糸を針に通し、繕う部分から5mmほど外側をランニングステッチで囲います。縦糸(たていと)をかけ、横糸を通します。最後に裏の糸を切って終了です。
まとめ
ダーニングマッシュルームがない方でも、身近なものを使ってダーニングを施すことができます。穴が開いたり、汚れてしまってあきらめていたお気に入りのお洋服の直しをしてみませんか。繕い物としてでなくシンプルなニットに装飾として、きれいな糸でやってもかわいいです。慣れてきたらいろんな形にチャレンジしてみてください。途中で縦糸や横糸の色を変えるとまた違った表情が出来上がりますので、自分なりのダーニングのやり方を見つけてみてください。