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資源ごみとして回収された服はどうなる?処分方法や資源活用方法を解説

資源ごみとして回収された服はどうなる?処分方法や資源活用方法を解説

「資源ごみとして回収された服はどうなるのか」「活用方法はないのか」そう考えたことはないでしょうか。そこで今回は、国内で捨てられている衣類の量と、その衣類がどうなっているのかを紹介します。

どれくらい服がゴミとして捨てられるのか?

ゴミとして捨てられる服の量はどれぐらいなのか、環境省のデータを基に紹介します。

国内で廃棄される服の量

日本ではどれぐらいの衣類がゴミとして捨てられているのでしょうか。環境省の「一般廃棄物処理実態調査結果」という資料によると、事業所や一般家庭から捨てられるゴミの内訳は「資源ごみとして回収される布類は72.31ktで、63.2%が服である」とのことです。

つまり、家庭から捨てられる衣類の約60%が可燃ごみや不燃ごみとして処分されており、国内で廃棄する場合、故繊維専門メーカーは一般廃棄物として処理します。

気になるのは、廃棄に伴う環境問題です。一般廃棄物から排出されるCO2(二酸化炭素)の量は、0.239kg-C/kg(湿重量)でした。0.239kg-C/kgは、1人1日あたり74.2kg(炭素換算)に相当します。

たとえば、1日に14.4kgものCO2が排出されるとすると、1年間に杉の木1本が吸収できるCO2の量に相当します。つまり、服をはじめとした廃棄物処理は、環境に大きな負担となっているのです。

人が服を廃棄するタイミング

株式会社ライオンのある調査によると、人が服を破棄するタイミングは次のとおりです。

破棄するタイミング 人数
服の劣化 216人
見た目に合わない 148人
型崩れ 103人
ニオイや汚れが目立つ 86人
新しい服を購入した 79人
流行遅れになった 74人
収納しきれない 62人
そのほか 41人
理由なし 74人

衣類の処分理由で最も多かったのは、「衣類の劣化」です。劣化が軽微で、愛着のある服であれば、修理するという対処法があるでしょう。
しかし、自分のスタイルに合わなくなった、流行遅れになったという場合も多いです。衣類を修理せず、不要になったなら、寄付して次の人に使ってもらうのが適切な解決策かもしれません。

また、意外に多かった理由が「型崩れ」「汚れや臭いが目立つ」というものでしたが、これらは洗い方を変えることで解決できます。

服を処分する前に「再利用できないか」という考えを持ち、正しい処分方法や再利用方法を検討することが、リユース・リサイクルにつながります。まずはできることから、持続可能なファッションに取り組むことも大切です。

服の廃棄が多い2つの理由

服はすぐに傷まないものですが、なぜ多くのゴミが出るのでしょうか。その理由は主に2つあります。

1つ目は、衣料品が安い値段で購入できるようになったためです。近年、日本ではファストファッションが流行し、流行の服を安く大量に購入できるようになりました。

服はほとんど着なくても、「安いから欲しくなったらまた買えばよい」という考え方が、飽きたらすぐに捨てるという状況を生んでいます。気軽に服を買えるようになりましたが、当然着る枚数や回数は限られており、捨てる量も増えています。

2つ目の理由は、ファッション・トレンドが多様であることです。シーズンごとに流行が変わり、個人の嗜好も異なるため、販売される衣料品の種類や数は増え続けています。

アパレル企業は、人気があるアイテムを切らさないように十分な量の服を生産しているため、売れずに捨てられてしまう服が多いのです。

資源ごみとして回収された服はどうなる?

資源ごみとして回収された服はどのように処分されるのか、また、再利用されるのでしょうか。ここでは、回収された服がどうなるのかを4つのパターンに分けて紹介します。

約7割は燃えるごみ・燃えないごみになる

家庭や事業所から出るゴミの内訳を見ると、地域の集団回収で回収される布類のうち約63.2%が衣類です。その約7割が可燃・不燃ごみとして処理され、半数以上が焼却処分となっています。

リユース・リサイクルされる

残りの30%は再利用やリサイクルのために回収されています。このうち、市町村による資源ごみと、市町村がサポートする団体によるゴミの回収は、約11%を占めています。

自治体によっては、廃棄された衣類の一部を無償で引き取るところもあります。さらに、繊維メーカーは小売店からの下取り品やリユースショップからの売れ残り品も回収しています。

引き取られた衣類は、故繊維業界によって選別され、国内で販売されたり、海外に輸出されたりとさまざまです。

海外に廃棄されるケースもありますが、ほとんどは東南アジアで分別されます。なお、東南アジアでは、一般的に埋め立てによって処分されます。

海外でリユースされる

中古衣料のリユースに関する海外の調査資料によると、特に日本で販売されている衣類はデザインも良く、リユース品の中でも高評価を得ているようです。

中東やアジアに多く輸出されているのは、日本人と体格が似ていて必要とされることが多いからだといえるでしょう。

ただし、中東やアジアの場合、夏物衣料の需要が高く、冬物衣料は行き先が少ないようです。古着については海外からの需要が多いため、寄付を検討するのも一つの手かもしれません。

工場の布として加工される

衣類としての再利用が難しい場合は、「布」として利用されます。

工業用の雑巾もそのひとつです。工業用の雑巾とは機械をメンテナンスする際に油を拭き取るのに便利な布のことであり、メンテナンスがスムーズに行えるため、工場では重要な道具のひとつです。

工業用雑巾は布製のほかに紙製もあります。しかし、衣類として使われていた布は柔らかく、水をよく吸うため人気があります。

リユース・リサイクル目的の服の処分方法6選

服を無駄にしないために、捨て方を工夫することが大切です。そこで、リユース、リサイクルできる服の処分方法を紹介します。

自治体の資源ごみで回収してもらう

自治体では衣類を資源ごみとして回収しています。資源ごみの日に出すだけであり、とても簡単な方法です。

ただし、自治体によって方法は異なります。住んでいるの地域のルールを守り、適切にゴミを出すことが大切です。

店舗で資源買取してもらう

一般的な中古品販売ショップでは、状態やブランドタグの情報をもとに1点1点査定され、買い取られます。

人気ブランドできれいな状態であれば、高額買取も期待できるでしょう。

店舗で下取り・資源回収してもらう

店頭で引き取ってもらう方法も有効です。ブランドやメーカーのなかには、国内外を問わず、リユースやリサイクルのために衣類の回収や下取りをしているところがあります。

服の引き取りは、スーツを取り扱う青山やAOKI、ファストファッションのユニクロ、H&M、GUで可能です。また、マルイ、無印良品、イオンなど多くのアパレルショップが実施しています。

なかには、キャンペーン内容にもよりますが、衣類と引き換えに割引券を発行するところもあります。

お店の営業時間内に行けば引き取りや下取りは可能ですが、期間限定キャンペーンの場合もあります。あらかじめ、公式サイトを確認しておきましょう。

不用品回収業者に資源回収してもらう

服の量が多い場合や分別が難しい場合は、不用品回収業者を利用すると便利です。不用品回収業者に依頼する場合、シミがあるか、選択しているかなどは関係なく、一括で引き取ってもらえます。

フリマサイトやオークションで出品する

ネットオークションやフリマアプリを利用すれば、不要になったものを必要としている人に譲ることができます。処分料がかからないだけではなく、お小遣いを得られることも魅力です。

特に、高級ブランド品やヴィンテージ品は需要が高く、高値がつくことも多いです。

対面販売のフリーマーケットでは、商品を運ぶ手間がかかりますが、フリマアプリであれば写真を撮って値段を付け、売れたら発送するだけであり忙しい方でも手軽に利用できるでしょう。

寄付する

ゴミの量と矛盾しますが、日本には貧困にあえぎ、着るものに困っている子どもがいるのも現実です。

貧困世帯の子どもの5割以上は、金銭的な理由でファッションを後回しにしているといわれています。そのため、児童保護施設に寄付するという方法もおすすめです。

ゴミにする服を減らすための工夫

リユースやリサイクルを意識していても、残念ながら100%リサイクルできるわけではありません。

そのため、「服がいらなくなってからどうするのか」だけではなく、購入時から先を見据えて取り組むことが、衣類のゴミを減らすために有効です。服を購入時に心がけたいことを紹介します。

長く着れるアイテムを購入する

ファストファッションが流行し、安価なアイテムが手に入りやすい反面、処分候補になりやすい現状があります。

長く使えるかどうかで服を選べば、選ぶアイテムも変わり、長く使える物を選び、処分する枚数も減るでしょう。

本当に必要なアイテムを購入する

引き出しやクローゼットの中で着ずに残っている服は、廃棄されるまでに約6カ月かかるといわれています。人は常に新しいものに買い換えており、古いもののほとんどはゴミとして回収されているのが現実です。

衣類の購入と廃棄の現状を振り返り、本当に欲しいものかどうかを見極めたうえで購入することが大切です。

環境活動に前向きなブランドアイテムを購入する

衣類のゴミを減らす取り組みをしている企業の商品を購入するのも効果的です。ブランドの活動を支援し、間接的に環境を守る活動に取り組めます。

リペアやリメイクして使う

修理やリメイクなどの専門的な知識がない場合は、専門業者に相談してみましょう。

なお、染め直しには、染められる繊維の種類などに制限があります。そのため、業者が適切に染められるよう、衣類の洗濯方法や素材などの情報を伝えるようにしましょう。

また、染めムラを防ぐためにも、シミや汚れはできるだけ落としておくことが望ましいです。染め直し直後は洗濯すると色落ちしやすいため、しばらく単独で洗うか、陰干しするなどの対策が必要です。

正しい洗濯方法や保管方法を行う

当面着る機会がないものの、処分したくない服は、きれいに洗って保管しましょう。

いつの間にか黄ばんでいたり、シミになっていたりするため、袖を通した衣類はしっかり汚れを落としてからしまうことが大切です。自宅で洗濯できない衣類は、クリーニングに出す必要があります。

まとめ

資源ごみとして回収された服は、海外に送られたり、別の商品として再利用されたりします。長く使える服を購入することも意識しながら、リペアやリメイクなどをして着用するのも良いでしょう。

しかし、状態が良い服はリユースする方法がおすすめです。現在自宅にある不要な服は買取店に相談して引き取ってもらうことも検討しましょう。

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