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ココマークからバッグまで、シャネルを象徴するアイコンたち

ココマークからバッグまで、シャネルを象徴するアイコンたち

世界中で人気のブランドCHANEL(シャネル)。ココ・シャネルが生み出した名作はもちろん、ココ・シャネルからカール・フィールド、そしてラガーフェルド亡き今、ヴィルジニー・ヴィアールに受け継がれるシャネルのクリエーションが、なぜ今も世界中の人々に愛されつづけるのか。シャネルというブランドを象徴するアイコン達を紹介します。

シャネルのアイコンその1:ココ・シャネル

シャネルの創業者はココ・シャネルの名で知られるガブリエル・シャネルです。王の古城が多くそびえる名勝地、ロワール地方のソーミュールに生まれ、幼少期を孤児院で過ごします。ガブリエル・シャネルが“ココ”と呼ばれるのは、彼女がカフェ・コンセールの歌い手をしていたころの十八番が「Qui qu'a vu Coco dans l'Trocadéro?(トロカデロでココを見たのはだれ?)」という歌だったためについたあだ名に由来しています。

また、シャネルを象徴する、ココマークともいわれるCCのロゴは、1925年頃から登場したと言われています。その成り立ちには「イニシャルを重ね合わせた」、「恋仲にあったボーイ・シャペルとシャネルのイニシャルを重ねた」、「ブロワ城にあるカトリーヌ・ド・メディシスのシンボルに着想を得た」など、様々な説があります。

シャネルのアイコンその2:ジャージー素材

ココ・シャネルは1910年、パリのカンボン通りに「シャネル モード」という名の帽子店を、友人のエティエンヌ・バルサンとボーイ・シャネルの援助を受けて開店します。間もなくして、帽子だけでなく、洋服も手掛けるようになります。しかも当時はおもに男性用下着にしか用いられなかったジャージー素材を大胆に使用したデザインを打ち出します。ジャージー素材は伸縮性があり着やすく機能的であったため、働く女性から大きな支持を得ることとなります。これがフランスで「マリニエール」と呼ばれるマリンボーダーシャツです。ココ・シャネルはそのように、女性に着心地の良く動きやすい服を提案したため、「女性をコルセットから解放した」と言われます。

またココ・シャネルは活発な女性で、乗馬などのスポーツを楽しみました。そんな彼女の活躍的な性格も動きやすい女性服を創るインスピレーションとなったことでしょう。ジャージー素材のウェアは、レディースファッションにおけるスポーツウェアの先駆けともいえるかもしれません。

シャネルのアイコンその3:黒

シャネルは黒をブランドのイメージカラーにしています。黒はココ・シャネルが好きな色であった一方で、当時は喪服や僧服の色として認識され(とくにヴィクトリア女王がアルバート公の死を嘆き、喪服で過ごしたことが黒に強いイメージを与えた)、決してファッショナブルな流行色として認識されることはありませんでした。過剰な装飾や虚飾を忌み嫌い、「たくさんの色を使えば使うほど、醜くなるということを、女たちは気づかない」とまで言ったシャネルは、無駄を排し機能的な黒いドレスをつくります。これは後に「リトル ブラック ドレス」と言われ、アメリカ ヴォーグ誌が絶賛したシャネルスタイルの金字塔です。

シャネルのアイコンその4:N°5

シャネルはいち早く香水を売り出したファッションブランドでもあります。オートクチュール メゾンをカンボン通り31番地に開設して間もない1921年、天才調香師エルネスト・ボーの手によってシャネルの5番が生み出されました。「女性を感じさせる、女性のための香水」を目指してつくりあげられたこの香水は、天然香料だけでなく、アルデヒド系合成香料を絶妙に混ぜ合わせた香水で、そのスタイルは極めて革新的でした。またN°5は、この香りが数あるサンプルの中で5番目であったことに因みますが、発売日も1921年の5月5日でした。マリリン・モンローが「寝るときには数滴のN°5」と言ったということはあまりにも有名な話ですが、誕生以来、100年以上も愛され続けている香水なのです。

シャネルのアイコンその5:ショルダーバッグ

「マトラッセ」として知られるシャネルのショルダーバッグは1955年2月に誕生しました。そのため、このモデルは「2.55」とよばれ、当初のデザインを受け継ぐ直系モデルには今でも「2.55」の名が与えられています。このショルダーバッグは軍用サコッシュにインスピレーションを受けてココ・シャネルが生み出したものです。チェーンストラップもこのサコッシュに由来するディティールです。マトラッセの名前の由来になっているダイヤ状のMatelassage(マトラッサージュ:キルティングを意味するフランス語)は、ココ・シャネルの愛した乗馬用のジャケットから着想を得ています。流行を超越したシャネルのスタイルそのものとすら言えるこのバッグはその後、ココ・シャネルの遺志を継いだカール・ラガーフェルドが再解釈した「11.12」とも呼ばれるクラシックバッグや、ココ・シャネルを愛し人生のパートナーであったボーイ・シャペルにオマージュをささげた「BOY CHANEL」など、姉妹モデルも登場し、今なお絶大な人気を博しています。

まとめ

シンプルこそ洗練と考え、当時フランスを席巻した豪奢で大仰なファッションから女性を解き放ち、より社会活動に適した機能美をモードに持ち込んだ女性、ココことガブリエル・シャネル。彼女の遺産はファッション史は言わずもがな、現代の私たちの装いにも大きな影響を残しています。

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