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カルティエはどこの国のブランドですか?
カルティエはフランス生まれの高級ジュエリーブランドとして1847年に創業された高級ジュエリーブランドで、世界5大ジュエラーのひとつでもあります。
世界中の王族が愛用する格式高いブランドであり、イギリス国王のエドワード7世に「王の宝石商、宝石商の王」と評価されるほどの安定を確立しています。日本では結婚指輪や婚約指輪の定番にもなっています。
カルティエはどんなブランドですか?
カルティエという名前は知っているが、どんなブランドかまで詳しく知らないという方もいるのではないでしょうか。そこでここではカルティエの特徴について紹介していきます。
世界中の王族・貴族御用達ブランド
カルティエは世界中のセレブリティや王侯貴族御用達のブランドであり、インドのマハラジャや英国王だったエドワード7世、ナポレオン3世の妻であるウジュニー皇后など、世界16カ国にも及ぶ国の王室御用達ジュエラーに任命されている高級ジュエリーブランドです。
世界最高の品質を求めている王侯貴族が長い間愛用していることからも、カルティエが歴史に残る作品を世に送り出し続けていたのがわかりますね。
革新的なデザインを生み出すブランド
今ではプラチナを用いたジュエリーは当たり前に存在しており、ブライダルリングの定番素材ともいえるほど定着しています。そんなプラチナ素材を世界で初めて使用したのがカルティエです。それまで主流だったシルバーからプラチナと小さなダイヤを組み合わせ、花や蔦を彷彿とさせる複雑なデザインを誕生させました。
その後もモダンな幾何学模様を取り入れた「アールデコ様式」、豹をモチーフにした「パンテール」、昔の貞操帯から着想を得た「ラブコレクション」など、カルティエ独特の革新的デザインでジュエリー界に革命を起こしています。
超一流の素材・技術で製作されたジュエリー
カルティエでは厳選されたダイヤモンドやルビーなどのカラーストーンを使用し、最高品質のジュエリーを製作しています。宝石はもちろん、ゴールドやプラチナなどの素材自体の美しさを際立たせるため、カルティエのデザインは緻密に計算されつくされています。
この緻密なデザインを実現させるため、カルティエでは一流の職人が丁寧に手作りすることによって実現させています。そのため、カルティエのジュエリーは世代を超えて受け継ぐことができ、資産としての価値も十分に期待することができます。
デザインが豊富
カルティエが展開しているジュエリーコレクションには、カルティエならではともいえる独特なデザインも多いです。
定番アイテムともいえる「トリニティリング」や「ラブコレクション」、「ディアマンレジュ」などの毎日着けることができるシンプルなフォルムのものから、「ジュスト・アン・クル」、「クラッシュ・ドゥ・カルティエ」のように他ブランドではないような個性的なデザインまで、豊富に展開しています。
また、カルティエが展開するほとんどのモデルがユニセックスで着用できるため、ペアリングとして用いるなど様々な人に愛されています。
世界5大ジュエラーの1つ
世界的な知名度や人気、歴史、偉業を誇る5社の高級ジュエリーブランドのことを世界5大ジュエラーといいます。カルティエは、「ティファニー」、「ブルガリ」、「ハリー・ウィンストン」、「ヴァン・クリーフ&アーペル」と同様に世界5大ジュエラーのひとつに数えられています。
創設当時から確かな品質と優れたデザインのジュエリーを製作し、世界の王侯貴族やセレブ達を魅了してきました。世界中の誰もが認める名立たる宝飾店として、確固とした位置を確立しています。
メンズアイテムも多く存在している
カルティエはジュエリーブランドとして世界5大ジュエラーになるほどの知名度を誇りますが、ジュエリー以外にも幅広いアイテムを製作しています。
特に、カルティエが他のジュエリーブランドと一線を画しているのは、メンズアイテムも豊富に取り揃えている点にあります。そのラインナップにはレザーアイテムを中心に、筆記具、シガレットケース、ライター、サングラスなど数多くあります。
時計ブランドとしても歴史が深い
カルティエは革新的なアイテムを数多く輩出しているジュエラーです。その先進的な設計思考は時計製造の歴史を語る上でも欠かせない存在です。カルティエが初めて腕時計をつくったのは1888年のことで、ダイヤモンドを贅沢につかった、女性用のブレスレッドウォッチでした。
懐中時計が主流の時期に、女性用の腕時計ということで多くの人に驚きを与えました。特に3代目であるルイ・カルティエの代ではカルティエ独自のデザインの時計製作が進められ、「サントス」など現在でも人気の高いモデルが開発され、カルティエの躍進の一助になったといえます。
カルティエのロゴマークの意味とブランドコンセプト
カルティエの特徴は、宝石の素材そのものの輝きをさらに美しく魅せることをブランドコンセプトとしています。
カルティエを象徴するロゴマークは「ダブルC」といわれ、Cと反転させたCを重ねたデザインです。このCは「カルティエ」と「クリエイション」の頭文字からきており、カルティエのこだわりを表すロゴマークと言えます。
そのこだわりによって、世界中の多くの人が憧れ、16カ国以上の王侯貴族に愛用されるアイテムが生み出されているのです。
カルティエの歴史
1847年:フランスでカルティエが誕生
カルティエの誕生は今から150年以上前である1847年まで遡ります。ルイ=フランソワ・カルティエが師匠でもあるアドルフ・ピカールからジュエリー工房を受け継いだことでカルティエの歴史が始まりました。
その後1853年に当時のパリの繁華街(ヌーヴ・デ・プティ・シャン通り5番地)にカルティエのブティック1号店にあたるジュエリーブティックを開業しました。
1859年:イタリアン大通りに移転
1859年に人通りの多いパリ2区イタリアン大通りに移転します。その結果カルティエのブティックはパリの中心的な存在となりました。
先に注意した皇妃ユゥジェニーがカルティエへオーダーしたことをきっかけに宮殿御用達となったカルティエはその名をヨーロッパ全土へと広げ、ブランドとして大きな成長を目指していきます。
1899年:パリに本店を移転させる
その後も王侯貴族や富豪たちに評価され続けたカルティエは、1899年にヴァンドーム広場の北側、パリ2区のラ・ぺ通り13番地へ移転させていきました。これは現在のカルティエ本店がある場所となっております。
1903年:ガーランド様式とプラチナを融合させる
カルティエは移転後も次々に顧客を獲得していき、その実力をフランス中で認められるようになりました。そんな中、カルティエは新たな挑戦を始めました。融点が高く、加工の難しいプラチナを世界ではじめてジュエリーに利用したのです。
カルティエは、プラチナ素材をレースの様な透かし柄を織りなす花網模様を特徴とするガーランド様式で表現し、その華やかで繊細なプラチナジュエリーは世界的な不朽の名作として現在でも知られています。
1904年:世界初の男性用腕時計「サントス」を完成させる
カルティエはジュエリーの分野で大成功を収めた後、時計製造という更なる挑戦を行いました。
ブラジル人飛行家アルベルト・サントス=デュモンという海外の顧客から飛行中に確認できる腕時計の製造を依頼され、ジュエリー加工の技術を反映させた世界初の腕時計を完成させました。
依頼者の名前から「サントス」と言われたこのモデルは、現在でもカルティエのラインに存在するベストセラーとなっています。
1914年:ヒョウをモチーフにした「パンテール・ドゥ・カルティエ」を発表
1914年世界が戦争に向かっている時代、カルティエは新たなコレクションを発表しました。それが、フランス語でパンサー(豹)という意味を持つパンテール・ドゥ・カルティエです。
この腕時計は、ケースの側面へ腕を伸ばした豹の背中から頭、手のラインを表現したジュエリーウォッチとして発表されました。
この優美で大胆なデザインの腕時計は瞬く間に高い人気を呼び、カルティエにおける腕時計の優位を不動のものにしました。
1919年:戦車をモチーフにした「タンク」を発表
第一次世界大戦時、戦場の主役となっていたのは戦車です。その姿は、当時の人々に大きな衝撃を与えました。そんな戦車をモチーフにして作られた時計が、1919年に発表した「タンク」です。
フランスルノーの軽戦車をイメージし、ケースとラグを一体化させ、さらにベゼルレス仕様と近代的なデザインをしています。
1924年:カルティエを象徴する「トリニティコレクション」を発表
カルティエは1924年にキリスト教で三位一体を意味するトリニティをモチーフにしてデザインされたジュエリーライン「トリニティ」を発表しました。
愛・忠誠・友情を意味するピンク・イエロー・ホワイトの3つのゴールド素材を使用し、3種のリングが重なり合ったデザインをしています。トリニティは当初発表から絶大な人気を誇り、リング・ブレスレット・イヤリングなど多数展開し、現在も人気ラインとしてカルティエのアイコンモデルとなっています。
1930年:マラケシュ太守の依頼を受け「パシャ」を製作
当時のモロッコ・マラケシュの太守(パシャ)であったエルジャヴィ公から依頼を受けて開発された腕時計が「パシャ」です。防水性能を高めたこと、オスマン帝国で一般的だったアラビア数字をカルティエの腕時計に初めて採用したことから、現在でも人気の高いモデルです。
2019年:サントスの最新モデル「サントス デュ カルティエ スケルトン LM」を発表
「サントス」は世界最古の腕時計として発表され、それを現在の解釈でリメイクさせたモデルが「サントス デュ カルティエ スケルトン LM」です。サントスの基本的なデザインを踏襲しつつ、中の機械が見えるスケルトン仕様となっています。
防水性や長時間稼働など、性能面においても高い水準を誇っているため、実用性と装飾性を極限まで高めた、カルティエ時計の極みといえるモデルとなっています。
カルティエのジュエリーのデザイン10種類
カルティエは様々なデザインのジュエリーを世に送り続けており、その数は計り知れません。そんな中で特に人気の高いカルティエのコレクション10種類について紹介していきます。
ガーランドスタイル
ガーランドスタイル(Garlad Style)は19世紀のフランスで流行した小粒なダイヤモンドとプラチナを使った花や葉、花輪をモチーフにした連続模様のジュエリーを指す言葉。ヨーロッパ諸国で馴染み深いアカンサスモチーフの連続は美しいスクロール模様を作り出し、新しいデザイン様式として瞬く間に広がっていきました。
アールデコ
1900年台初頭、ヨーロッパでは花や動物をモチーフに金属やガラスを用いて曲線的にデザインする「アールヌーヴォー・スタイル」というのが流行しておりました。
そんな時勢に一石を投じるべく、カルティエは直線的で近代的なデザインである「アールデコ・スタイル」をもちいた腕時計「タンク」を発表し、やがてそれはアールヌーヴォーに代わって新たなトレンドとなっていき、現在でもカルティエを代表するデザインとなっています。
パンテール
パンテールは、フランス語で「豹」を意味する言葉で、カルティエが1914年に発表した、豹をモチーフにした力強く野性的なコレクションです。
時計やブローチなどが展開されており、1949年には英ウインザー公爵夫人ウォリス・シンプソンが、152.35ctのカシミール産サファイアの珠に豹が乗った、大変豪華なデザインのパンテール・ブローチを購入したことでも有名です。
トリニティ
トリニティは1924年に誕生したコレクションで現在では、カルティエを代表するアイコンリングとして、定番アイテムとなっています。イエローゴールド、ホワイトゴールド、ピンクゴールドの3つのゴールドリングを連ねた3連リングのデザインで、YGは忠誠、WGは友情、PGは愛を表しています。
LOVE
カルティエの「ラブコレクション」は1970年代にニューヨークで誕生し、現在でも世界中の夫婦や恋人に支持されている人気コレクションです。ラブコレクションの特徴はなんといっても、等間隔に施されているビスモチーフといえるでしょう。
これは、過去にヨーロッパの兵士たちが自身の妻に貞操帯をつけさせていたという伝説から着想を受け、そのカギであるビスをモチーフにデザインされたものです。そのため、ラブコレクションは「愛の絆」や「束縛」といった背景をもつため、永遠の愛を誓う恋人たちに支持されています。
Cドゥカルティエ
カルティエのイニシャル「C」をモチーフにしたコレクションです。シンプルでありながら綿密に計算された、エレガントなデザインが特徴的。カルティエのロゴを施したタイプなど、洗練されたスタイルです。
ディアマンレジェ
定番人気のある、一粒ダイヤモンドのコレクションです。メゾンの宝石職人が厳選した、最高品質のダイヤモンドをベゼル・セッティングしたジュエリーが揃います。ピンクサファイアの一粒タイプも展開しています。
エタンセル
メレダイヤモンドを配した豪華なコレクションです。エタニティやパヴェなど、ダイヤモンドをびっしりと敷き詰めたラグジュアリーな雰囲気です。シンプルなフォルムにダイヤモンドが輝き、華やかです。
ジュスト・アン・クル
1970年代にニューヨークで誕生したコレクションです。フランス語で「1本の釘」という意味で、釘が曲線を描いたフォルムに仕立てたモチーフです。活気あふれる自由なニューヨークの街から着想を得ています。
クラッシュ・ドゥ・カルティエ
スタッズやビーズを施した、独創的なデザインのコレクションです。立体的で躍動感のあるフォルムを生かした、モダンでシャープな印象で、スタイリッシュに装えるジュエリーが揃います。
今注目のカルティエの時計コレクション
カルティエはジュエリーブランドとしての側面以外にも時計ブランドとしてもその名が知られています。ここでは人気の時計ラインについて紹介していきます。
カリブル ドゥ カルティエ
カルティエのカリブルドゥカルティエは2010年にカルティエ初のメンズ専用コレクションとして誕生しました。カリブルドゥカルティエは自社で開発したムーブメントを搭載した初のモデルであり、カルティエラインナップの中では随一の厚さとサイズで、多くの男性から支持を得ています。
ドライブ ドゥ カルティエ
カルティエの時計にはシンプルでスタイリッシュなデザインのものが多く、この「ドライブ ドゥ カルティエ」もそんな時計のひとつです。2016年発表とかなり新しく、完全自社製のムーブメントを搭載さた本格派腕時計です。
リリースから間もないですが、優雅なフォルムはカジュアルからフォーマルまで場所を選ばず使え、人気メンズラインとして早くもポジションを確立しました。
バロン ブルー ドゥ カルティエ
カルティエの「バロン ブルー ドゥ カルティエ」は、男女兼用のコレクションで手元を豪華に演出してくれます。
弧を描く貴金属に守られたサファイア カボションの巻上げ機構やラインをたどるようにあしらわれたローマ数字が特徴的でカルティエの優雅さを存分に表しています。
サントス ドゥ カルティエ
「サントス ドゥ カルティエ」はカルティエが初めて手掛けた腕時計です。これをベースに大幅にリニューアルした新しい「サントス ドゥ カルティエ」が2018年に発表され、大いに注目を集めました。
自社製のムーブメントに変更され、ベゼルとブレス部分の一体感があるデザインで薄型につくられているため、スマートな印象を与えるデザインをしています。
サントス ドゥ カルティエ スケルトン
洗練されたエレガンス、サントス・デュモン・スケルトンウォッチは、許容精度の高いムーブメントに現代的なデザインを融合します。この比類のないモデルに搭載されており、キャリバー9611 MCはダイアルの役目も担っています。
ローマ数字を象った移動のブリッジが時間を表示するという斬新さは、このモデルのもう一つの技術特性となっています。デュモンのために創作した、現代的な腕時計の初期モデルの男性的なエレガンスを再解釈します。
パンテール ドゥ カルティエ
フランス語で豹を意味するパンテールはカルティエのアイコンとして長く愛され、カルティエの中でも高い人気を誇っています。
腕時計としての誕生は1983年と他のパンテールコレクションに比べると比較的新しく、豹の持つしなやかな美しさを表現したケースサイドの造形やカルティエらしい優雅なデザインは多くの愛好家がおり、人気が高いです。2022年には文字盤にグラデーションを配したモデルが新たに登場し、その美しいデザインが大きな話題を呼びました。
カルティエの代表的なリング4選
世界5大ジュエラーであるカルティエは、結婚指輪や婚約指輪として不動の人気をほこります。ここではそんなカルティエのリングの中で特に人気が高い4アイテムについて紹介します。
1895 ソリテールリング
1895年に発表された、カルティエのクラシックコレクションの代表作です。一粒ダイヤモンドを4本爪でセッティングしたデザインで、婚約指輪として特に人気が高いモデルです。
しなやかなラインのフォルムが特徴的な地金部分にカルティエが厳選した品質のダイヤモンドを配しています。地金部分はシンプルなものから、写真のようにメレダイヤをふんだんにあしらったゴージャスなモデルもあります。
バレリーナリング
バレエからインスピレーションを得た、カルティエの象徴的な「バレリーナ」は、気品、調和、均衡を連想させるデザインをしています。カルティエが厳選したダイヤモンドを優美な曲線によって輝かせるデザインは、婚約指輪としても人気が高く、現在でも多くの人に愛されています。
ラブリング
1970年にニューヨークで誕生したコレクションです。貞操帯から着想を得た、永遠の愛を象徴する「ビスモチーフ」が施されています。愛の絆と束縛をテーマにしていることから、結婚指輪やペアリングとして人気が高く、カルティエを代表するアイテムです。
幅が広いストレートの地金が特徴で、幅のバリエーションや地金の種類が豊富です。ダイヤモンドを配したものや2連リングなど、様々な組み合わせを楽しむことができます。
トリニティリング(3連リング)
イエロー、ピンク、ホワイトの3色のゴールド製のリングを連ねた、カルティエの永遠の定番アイテムです。「トリニティ」はキリスト教で三位一体という強い絆を意味する言葉で、イエローゴールドは「忠誠」、ピンクゴールドは「愛」、ホワイトゴールドは「友情」を象徴します。
時代を超えて、すべての年齢層に愛され続けているアイテムです。クラシックな3連リングのほか、ストレートのウエディングリング、パヴェダイヤモンドをふんだんに配したものやエタニティリング、セラミック製などデザインの幅が大変豊富です。
まとめ
このようにカルティエは175年以上かけてジュエリーや時計製造の第一線を走り続けるブランドです。当時から先見性のあるアイデアやイメージを伴った一の技術と美学によって形にしてきました。新たなデザインのインスピレーションとなり温故知新が新たな世界を見せてくれるブランドでもあります。