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カルティエのタンクの歴史や魅力とは

カルティエのタンクの歴史や魅力とは

一昨年、誕生100周年を迎えた歴史的名作時計、カルティエの「タンク」ですが、1917年に誕生しました。第一次世界大戦の終結を決定づけ、再びヨーロッパに平穏な日々をもたらした平和の象徴である戦車=タンクをモチーフにしたことから、「タンク」と名付けられました。以来、「タンク」は基本的なかたちを変えずに、一昨年、誕生100周年を迎えました。100年もの間、変わらずにつくられ続けているプロダクトというのはほかに類例がありません。「タンク」はまさに歴史的名作なのです。今回は、そんなタンクについて解説します。

次世代の「腕時計のかたち」を創造した、時計史に残る傑作デザイン

「タンク」の魅力のいちばんは、なんといってもデザインです。「タンク」の生まれた20世紀初頭は、時計が懐中時計から腕時計へと移行していった、腕時計の草創期となります。腕時計は第一次世界大戦で戦う兵士たちが、懐中時計を出し入れする煩わしさを軽減するために、腕に巻きつけたのが実質的な始まりとされます。そして、そのため最初期の腕時計は、懐中時計の丸いケースにベルトをつけるための突起=ラグを付加した、単に懐中時計を改造したものがほとんどでした。

しかし、「タンク」のデザインの考え方はまったく違いました。タンクの白眉は、戦車のキャタピラー(厳密には「キャタピラー」はアメリカのキャタピラー社の商標登録。正式な呼称は「無限軌道の履帯・りたい」「ベルト式の履帯」など)をモチーフにしています。四角形のケースの両サイドの上下をキャタピラーのように突き出し、そこにベルトをつけたのです。

結果、「タンク」はラグを不要としました。つまり「タンク」は、それまでの腕時計が懐中時計の単純な改造であったのに対し、懐中時計とはまったく違う"腕時計のかたち"を創造したのです。「タンク」のデザインは時計史に残るものなのです。

時計を超えた、歴史的芸術作品である

「タンク」のデザインの非凡さは、それだけに留まりません。たとえば、「タンク」の簡潔を極めた造形は、その時代の潮流であった「未来派」や「マシンエイジ」の文脈で語ることができます。兵器である戦車をモチーフにした手法は、その大きな証左といえるでしょう。しかし、「タンク」の何よりの素晴らしさは、新しい時代の芸術である「アール・デコ」を表していたことなのです。

アール・デコは1925年のパリ「アール・デコ展」(現代装飾美術・産業美術国際博覧会)を機に開花し、「世界で初めて世界を一周した芸術」などともいわれる、世界中を席巻した芸術です。そしてそのアール・デコは、実はカルティエの創案した様式であり、またアール・デコの主役はカルティエでした。

ところがそれ以前に、カルティエは「タンク」で既にそれを体現していたのです。「タンク」の幾何学的な直線性を強調したかたちや、白と黒の対比といった、独特のデザインコードは、そのままアール・デコのものだから、すなわち「タンク」は、カルティエが生み出したアール・デコの最初期の代表作のひとつなのです。時計という以前に、全デザイン史のなかで語られるべき、歴史的芸術作品であるのです。

また、タンクのもうひとつの魅力が、進化し続けていることです。基本的なデザインはまったく変えることなく、1921年には縦長の「タンク サントレ」のデザインを発表、以降「タンク ア ギシェ」、「タンク アメリカン」、「タンク フランセーズ」、「タンク バスキュラント」など、さまざまなタンクが生み出され、それが今もなお続いています。

余談ですが、現在にも世界中に多く存在するタンク愛好家たちは通称“タンキスト”と呼ばれます。著名人で言えば芸術家のアンディ・ウォーホルが有名でしょうか。彼はタンクのデザイン性に強く惹かれ、時計としてだけではなくファッションアイテムとして愛用し、たとえ時計が止まっていてもその腕に巻いていたそうです。このタンクウォッチには、芸術家でさえ虜にするような美しさが秘められていると感じるエピソードですね。

タンクシリーズそれぞれの魅力を解説

タンクウォッチは、廃盤になっているシリーズを除き、7種類のシリーズが展開されています。それぞれの特徴とともに、その魅力をご紹介しましょう。

 

★タンク ルイ カルティエ

ルイ・カルティエ本人が愛用した、タンクシリーズの原点となるタンクウォッチです。レクタンギュラーシェイプや丸みを帯びたアタッチメントなど、随所に散りばめられたモダンデザインはタンクの本質的な美しさを表現し、のちに続くアールデコ様式の礎となりました。「カルティエの定番」と迷わず選ばれる人も多く、今なおタンキストたちの心を掴んで離さない1本です。

 

★タンク マスト

タンクマストは男性から絶大な人気を集めていた、「タンク ソロ」の廃盤と入れ替わり、2021年に登場したシリーズです。実は、タンクマストは、7~80年代に登場した「マスト ドゥ カルティエ タンク」通称”マストタンク”の復刻モデルであり、ファンからすると待望のラインナップであると言えるでしょう。

マストタンクは、当時庶民にとって手が届かなかったタンクウォッチに、素材、ムーブメントを見直すことで大衆化、親しみやすさを持たせたシリーズラインで、その名の通りカルティエを国民の必需品とするためのラインナップでした。

現行のタンクマストに関しても、機械式よりも安価なクォーツ式を導入し、貴金属の使用を抑えたことでタンクの中でもリーズナブルなラインですが、伝統的なタンクのデザインコードがしっかりと継承されており、特徴的だった豊富なカラーリングも健在です。男性に向けられたラインナップのようにも思えますが、チェーンブレスなど、タイプによっては女性にも馴染みます。

 

★タンク フランセーズ

フランスの女性を意味する「フランセーズ」と名付けられた、タンクのレディースラインです。ケースとチェーンブレスレットがなめらかに一体化されていることで、腕時計というよりもブレスレットのような感覚で身につけられる、上質なフェミニンウォッチです。

ブレスレットへの円滑な流れを生み出す、斜めにカットされた特徴的な縦枠を備えるこのシリーズは、これまでのタンクのイメージにモダニズムの新風を呼び込んだ時計としても知られています。

一体化したブレスとケースは、ヘアラインと鏡面の表面加工が見事に使い分けられた上品な輝きを放っており、女性の輝きを引き立てるアクセサリーとしても申し分ないでしょう。より女性らしさを際立たせる、貴金属や宝石をふんだんに用いたハイジュエリーモデルも多くラインナップされています。

 

★タンク MC

2013年に誕生した、究極の男らしさを謳うタンクシリーズです。タンクの中でも一際存在感のあるモデルで、正方形の文字板の大胆なフォルムから感じる力強さは随一と言って良いでしょう。全てのモデルの小窓に秒針を配したスモールセコンドが搭載されており、他モデルとの差別化がしっかり図られています。ムーブメントには自動巻きムーブメント“キャリバー1904 MC”を搭載しており、シースルーバックからのぞくムーブメントは、メカ好きの心をもくすぐります。

 

★タンク アメリカン

タンクのオリジナルデザインを伝承しながらも、優雅な縦長フォルム採用したケースが特徴的な、女性向けの印象が強いシリーズです。縦長のラインはタンクの魅力のひとつでもあるブレスレットとラグの美しいラインを強調し、よりタンクらしいエレガンスモデルを生み出しました。その柔らかな雰囲気は着用者の女性らしさをより引き出します。

ストラップはレザーのものが主流ですが、金属製のものはしなやかな鱗のようなデザインで官能にも似た上品さを感じさせ、他のシリーズでは得られない輝きを見せます。年齢を選ばないそのスタイルゆえ、一度は試してみたいシリーズです。

 

★タンク サントレ

タンクシリーズの中でもとりわけ縦長のフォルムを採用した、1924年誕生の歴史あるシリーズです。タンク アメリカンよりもさらに縦長のシェイプは腕にしっくりとなじむようで、文字盤の色とケースの配色にはセンスが光ります。現在ではタンクシリーズの中でも限定シリーズの立ち位置が強く、記念モデルかスケルトンのようなハイエンドラインしかリリースされていません。

 

★タンク アシメトリック

1936年に登場した、ひし形のケースの特徴的なデザインが一際異彩を放つ独創性にあふれたシリーズです。独創的なのはケースだけでなく、シンプルなインデックスは45°ほど傾いたユニークなデザインになっており、主張の激しい時計が好みの方におすすめでしょう。そんなアシメトリックシリーズの現行モデルは、どれも世界でたった100個程度の限定モデルほとんど。他の人と差をつけたいなら、これ一択かもしれません。

まとめ「タンクシリーズの歴史の奥深さ」

今回は、カルティエのタンクシリーズついてご紹介しました。不朽のタンクのデザインコードが生きる時計は、そのどれもが意味を持ってデザインされており、一度身につけたら手放したくない存在になるでしょう。ここまで読んでくれているあなたなら、タンキストまであと一歩かもしれません。あなたもタンクを手にして世界中の時計マニアと肩を並べるタンキストの仲間入りをしてみませんか。

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