目次
グランドセイコーとは?
1960年12月18日に誕生した日本を代表する高級腕時計ブランドです。セイコーが「世界一の時計」を目指して開発した最高級ラインとして登場しました。
当時は、スイス製の高級時計に対抗できる品質と精度を持つ時計の開発に力を注いでいました。特に高い精度と優れた視認性や、耐久性に優れています。
精度については、スイスの公的機関であるCOSC(スイス公認クロノメーター検定協会)の基準を上回る厳しい社内基準を設けています。
2017年には、セイコーウオッチ株式会社からグランドセイコー株式会社として独立しました。
現在では、機械式にクオーツや、スプリングドライブなど、さまざまなムーブメントを採用したモデルを展開し、世界中から高い評価を得ています。
グランドセイコーはやめとけ?後悔すると言われる理由
グランドセイコーは高い評価を得ている一方で、「買って後悔した」という声も聞かれます。ここでは、グランドセイコーを購入して後悔すると言われる理由を見ていきましょう。
予算を超える価格へのプレッシャー
多くが数十万円から数百万円の価格帯に位置しており、中には1,000万円を超えるモデルも存在します。
高価格帯の時計を購入することで、予算を超えてしまい、経済的なプレッシャーを感じる人もいるでしょう。自身の収入や生活スタイルに見合わない価格で購入してしまうと、後悔につながる可能性が高くなります。
また、高額な買い物への罪悪感や、周囲の目を気にする問題もあるかもしれません。そのため、購入する際は、自分の経済状況を考えて、無理のない範囲で選ぶことが重要です。
デザイン性と価値観
シンプルで洗練されたデザインが特徴ですが、自分の好みや価値観に合わないと感じる人もいます。
特に、派手なデザインや個性的な外観を好む人にとっては、デザインが地味に感じられるかもしれません。また、日本の美意識を反映したデザインが、国際的な高級時計ブランドのイメージと異なると感じる人もいるでしょう。
デザインの好みは個人的なものであり、一度購入してしまうと変更が難しいため、後悔の原因となりやすい要素です。そのため、購入前にデザインを吟味し、自分の価値観や好みに合っているか、慎重に検討しましょう。
メンテナンス費用
定期的なメンテナンスは必要ですが、機械式モデルは3〜5年ごとのオーバーホールが推奨されており、費用は10万円以上かかることもあります。
また、修理が必要になった場合の費用も高額になる可能性があります。特に、複雑な機構を持つモデルや、限定モデルなどは修理費用が高くなる傾向です。
購入前にメンテナンスや修理にかかる費用についても十分に理解し、長期的な視点で検討しましょう。
機能性や使い道
豊富な機能を十分に活用できないと感じる人もいます。ダイバーズウォッチやクロノグラフなどの防水性能や計測機能は、生活でほとんど使用する機会がなく、高額な費用をかけたことへの後悔を感じるかもしれません。
また、スマートウォッチの普及により、腕時計に対する役割が変化している中で、高級機械式時計の必要性を疑問視する声もあります。
さらに、フォーマルな場面でしか使用しないのに高額な時計を購入してしまったり、逆に、カジュアルな場面で使いづらい高級感のあるモデルを選んでしまったりすることもあるでしょう。
資産価値が高くない
高級腕時計は、時間とともに価値が上がり、投資対象としても注目される場合があります。しかし、グランドセイコーは一部の限定モデルを除いて、一般的に資産価値が高くないと言われています。
認知度や希少性で、海外の有名な高級時計ブランドに及ばないことが要因の一つです。将来的な価値上昇を期待して購入した場合、期待通りの結果が得られないかもしれません。
また、中古市場での売却を考えた際に、購入時の価格よりも大幅に価値が下がることに驚く可能性もあります。新品で購入した場合、一度使用しただけで価値は大きく下がることも多々あります。
他の高級ブランドよりステータスが低い
ロレックスやオメガなど、海外の高級ブランドと比較すると、認知度が低いと感じる人もいます。
海外では「セイコー」というブランド名が一般的な時計メーカーとして認識されていることもあり、グランドセイコーの価値が正当に評価されないことがあります。高級時計を身につけることで、社会的なステータスや周囲からの評価を期待して購入しても、良い反応が得られないかもしれません。
また、ビジネスシーンなどで、取引先や顧客に対して印象付けたい場合に、グランドセイコーでは十分な効果が得られないと感じる可能性もあります。
コレクターの間でも、グランドセイコーよりも海外で有名なブランドを好む傾向があり、同じ趣味を持つ人々との会話で物足りなさを感じることもあるでしょう。
グランドセイコーの評価は悪い?
実際の評価はどうなのでしょうか。ここでは、グランドセイコーの評価について、「恥ずかしい」「謙虚にみえる」といった観点から考察していきます。
恥ずかしい?
まず、日本製であることへのコンプレックスがあるかもしれません。海外の高級ブランドに比べて「格が落ちる」と感じる人もいるでしょう。
また、知名度が海外ブランドほど高くないことも要因の一つです。周囲の人々がグランドセイコーの価値を理解していない場合、高額な時計を身につけていることを説明しづらく感じるかもしれません。
さらに、シンプルで控えめなデザインが、高級時計としての存在感を主張しにくいと感じる人もいるでしょう。
しかし、実際には時計愛好家からの評価も非常に高いのです。むしろ、優れた品質と控えめな外観のバランスを理解し、誇りを持って身につける人も多いのが現状です。
謙虚にみえる?
シンプルで控えめなデザインや、比較的リーズナブルな価格設定に起因しています。海外の高級ブランドのような派手さや華やかさがないため、自己主張が強くないイメージがあります。
また、日本人特有の謙虚さや控えめな美意識が反映されているとも言えるでしょう。ビジネスシーンや フォーマル な場面で適していると評価する人もいます。過度に高価な時計を身につけることで生じる周囲との軋轢を避けつつ、品質の高さを楽しむことができるからです。
一方で、謙虚さが「物足りなさ」につながる場合もあります。とはいえ、真の価値を知る人にとっては、控えめに身につけることができる時計として、高い評価を得ているのです。
買って後悔しないグランドセイコーの魅力
購入して後悔する前にグランドセイコーの魅力を理解するべきです。ここでは、主な魅力について見ていきましょう。
世界水準の高い技術
特に、精度と耐久性の面で卓越した性能を誇ります。機械式時計では、独自の「メカニカルハイビート36000」や「コンスタントフォース機構」などの革新的な技術を採用し、高精度と安定性を実現しています。
クオーツ時計では、年差±10秒という驚異的な精度を誇る9Fキャリバーを開発しました。機械式とクオーツの利点を融合させたスプリングドライブも、グランドセイコー独自の革新的な技術です。
この技術は、単に精度を追求するだけでなく、実用性と耐久度の高さを考慮して自社開発されています。
機能性・実用性の高さ
まず、視認性の高さが特筆されます。文字盤デザインや針の形状、インデックスの配置など、あらゆる要素が最適化され、瞬時に正確な時刻を読み取ることができます。
夜間や暗所では時刻が確認できる、長時間発光する蓄光塗料を使用しているモデルも多いです。さらに、耐磁性や耐衝撃、防水性能なども高水準であり、日常生活のあらゆる場面で安心して使用することができます。
また、磁気の影響を受けにくい設計により、電子機器が多い生活環境でも安定した精度を保つことができるのです。
コストパフォーマンスが良い
年差±10秒という驚異的な精度を誇る9Fクオーツモデルは、約30万円から購入することができます。同等の精度を持つスイス製高級クオーツ時計と比較すると、かなり手頃な価格と言えるでしょう。
機械式モデルは、同等の性能を持つ海外ブランドと比較しても、価格は控えめです。このコストパフォーマンスは、自社で一貫して開発・製造を行っていることや、過度なマーケティングコストをかけていないことなどが要因として考えられます。
充実のアフターサービス
セイコーは日本国内に多数のサービスセンターを持ち、迅速かつ丁寧な修理を提供しています。海外でも認定されたサービスセンターによるサポートが受けられるため、旅行や海外赴任時にも安心です。
特筆すべきは、長期にわたるサポート体制です。生産終了後も長期間にわたって部品の供給を続けており、古いモデルでも修理可能な場合が多いです。
定期的なメンテナンスプログラムも充実しており、時計の状態を最良に保つことができます。
グランドセイコーを買って後悔しないための選び方
グランドセイコーを購入して、後悔しないためにはいくつかのポイントを押さえることが重要です。ここでは、選ぶ際の重要な観点について見ていきましょう。
自分に合った価格帯のものを選ぶ
幅広い価格帯のモデルを展開していますが、自分の経済状況に見合ったモデルを選ぶことが大切です。
高すぎる価格のモデルを選んでしまうと、購入後に経済的なプレッシャーを感じたり、使用を躊躇したりする可能性があります。一方で、あまりに安価なモデルを選ぶと、本来望んでいた機能や品質が得られず、不満を感じる可能性もあります。
収入や貯蓄、突発的な支出を考慮しながら、無理のない範囲で満足できるモデルを選びましょう。例えば、月収の約2〜3か月分を目安にする方法もあります。
資産価値を考えて選ぶ
一般的に、他の高級時計ブランドと比べて資産価値の上昇率は高くありません。
しかし、一部のモデルは高い資産価値を保持しています。特に、限定モデルや特別なデザインのモデルは、将来的に価値が上がる可能性があります。「スノーフレーク」の愛称で知られるSBGA211や、2017年に発売された機械式モデルのSBGR305は、中古市場でも特に人気が高いです。
革新的な技術を搭載したモデルや、記念モデルなども、将来的に価値が上がる可能性が高いと言えるでしょう。
ライフスタイルに合ったものを選ぶ
ビジネスシーンであれば、シンプルでエレガントなデザインのモデルが適しているかもしれません。スポーツウォッチ「9R スプリングドライブ」シリーズのSBGA229などは、高い防水性能と耐久性を持ち、アクティブなライフスタイルに適しています。
頻繁に海外出張がある方は、GMT(グリニッジ標準時)機能付きのモデルが便利です。SBGJ203などは、複数の時間帯を同時に表示できる機能を持っています。
フォーマルな場面であれば、華やかで改まったデザインのモデルを選ぶと良いでしょう。SBGW231などの「エレガンスコレクション」は、クラシカルで上品なデザインが特徴です。
グランドセイコー「9Fクオーツ」の後悔しないおすすめモデル
グランドセイコーの9Fクオーツは、驚異的な精度と耐久性で知られています。ここでは、購入後の満足度も高いと評価されている、おすすめのモデルを3つ紹介します。
SBGN029
< 参考価格:約429,000円 >
2018年に誕生したSBGN029は、グランドセイコーのスポーツコレクションに属するGMTモデルです。ブルーのダイヤルと赤いGMT針によるコントラストが特徴的で、視認性の高さが魅力です。
年差±10秒という驚異的な精度を誇る9F86キャリバーを搭載しています。GMT機能により、2つの時間帯を同時に表示することができ、海外出張の多いビジネスパーソンに重宝されています。100m防水性能や耐磁性能も備えており、実用性も高いモデルです。
2022年には、このモデルをベースにした限定1,200本の『SBGN027』も登場し、コレクターからの注目度も高まっています。
SBGP005
< 参考価格:約418,000円 >
1967年に誕生した44GSの伝統的なデザイン要素を継承しつつ、現代的な解釈を加えたモデルです。
ダイヤルに際立つのは、洗練された美しさを表現する伝統的な多面カットです。ケースには、グランドセイコーの代名詞とも言えるザラツ研磨が施され、鏡面仕上げの美しさが際立ちます。
2020年に発表された「9F85キャリバー」を搭載しており、時差修正機能を備えています。秒針を止めることなく時刻を合わせることができ、高い精度を維持したまま時差調整が可能です。
SBGP009
< 参考価格:約341,000円 >
2019年に登場したSBGP009は、グランドセイコーのスポーツコレクションに属するモデルです。ブラックのダイヤルに白い指標というコントラストの高い配色が特徴で、高い視認性を誇ります。
特筆すべき点は、200m防水性能です。水辺でのアクティビティにも安心して使用することができます。また、ルミブライトを施した針とインデックスにより、暗所での視認性も抜群です。
最近では、バリエーションとして、グリーンダイヤルのモデル『SBGP017』も登場し、選択肢が広がっています。
グランドセイコー「9Sメカニカル」の後悔しないおすすめモデル
9Sメカニカルは、高い精度と信頼性を誇る機械式ムーブメントです。ここでは、優れた技術と魅力的なデザインを兼ね備えた、おすすめのモデルを3つ紹介します。
SLGH005
< 参考価格:約1,210,000円 >
2020年に発表されたSLGH005は、グランドセイコーの機械式時計の新時代を告げるモデルです。白樺をモチーフにした独特の模様が施されたダイヤルが特徴的で、日本の自然美を表現しています。
新開発の高振動キャリバー9SA5が搭載されており、従来よりも薄型化と高精度化を実現し、機械式時計の新たな可能性を示しました。
2021年には、ジュネーブ時計グランプリ(GPHG)のメンズウォッチ部門で優勝するなど、時計愛好家やコレクターから高い評価を受け続けています。
SBGJ237
< 参考価格:約946,000円 >
グランドセイコーのヘリテージコレクションに属するGMTモデルです。深い青色のダイヤルが特徴的で、日本の伝統的な美意識を感じさせるデザインが魅力です。
機械式ムーブメントの中でも高精度を誇る9S86キャリバーを搭載しています。GMT機能と高い精度を両立させ、実用性と美しさが際立ちます。
最近では、このモデルをベースにしたグリーンダイヤルの『SBGJ255』や、ブラウンダイヤルの『SBGJ251』など、さまざまなカラーバリエーションが登場しています。
SBGW291
< 参考価格:約693,000円 >
グランドセイコーの原点回帰を象徴するモデルです。1960年に発表された初代グランドセイコーのデザインを現代的に解釈し、クラシカルな美しさを追求しています。
シンプルで上品なクリーム色のダイヤルと、細身のケースデザインが特徴的です。また、手巻きムーブメントを採用しており、機械式時計の魅力を存分に味わうことができます。
限定ではなく恒久モデルとして発売されたことや、現代的なサイズ感への調整などが、クラシックデザインを好む層から高い支持を得る要因になっています。
まとめ
グランドセイコーは、一部の人々から「後悔する」という声も聞かれます。しかし実際は、多くの魅力を持つブランドであり、適切に選択すれば非常に満足度の高い時計となります。買ってから後悔しないように、自分に合った価格帯のモデルを選びましょう。