目次
どの程度の破損なら買取できるか
基本的に、部品交換(オーバーホール)で復活するようなものであれば 問題なく買い取ってもらえるでしょう。下記のようなものであれば 高い確率で買い取れます。
・経年劣化
・塗料の欠損
・付属品の不備
・ベルト破損
・ブレスの伸び
・竜頭の故障
・ガラス割れ
・針取れ
・サビ
・文字盤の汚れ
何故壊れたロレックスは売れるのか?
ロレックスは中古市場でのニーズが高く、買取店が在庫を欲しがる時計メーカーのひとつです。ただし、傷や故障がある、動作不良のあるロレックス、ボロボロのロレックスを査定へ持ち込むと買取不可としているお店と買取可能な中古買取業者もあります。数年前までは買取不可の店舗が多かったですが、2017年以降ここ数年で時計修理の知見を備えた時計技師ごと組織に抱える体制が広まって来ているようで、買取可能なお店が増えて来ています。
壊れていても「価格が高額なので価値がある」、というのも間違いではありませんが、正しくは修理代を出しても利益が出るということです。部品取りなど、それぞれの部品だけでも価値があるのでばら売りすることも可能ですが、時計として機能を戻してあげることで販売価格がより高額になりますので、業者としては修理して完全に動く状態で販売をしたいと考えます。
例えば、
・壊れたロレックスの買取価格:15万円
・ロレックス修理費用:20万円
だったとしても
・販売価格:60万円
となると、それだけで単純に25万円の利益となります。これはかなりおおざっぱな計算ですが、販売価格で買取価格と修理費用を賄ってしまえるだけの価値があるということです。業者はロレックスの修理には日本ロレックスに出すこともしますが、ロレックスの修理が出来る別の業者に出すこともあります。基本的に日本ロレックスに出した方が修理の金額が高くなります。ただ、日本ロレックスに修理した証明書があると信用度も上がるので販売価格にプラスすることが出来るというメリットもあります。
自社で修理する店舗は買取可能
通常のダメージのないロレックスはどのお店でも高い値段で買取しているため、競争が激しく、利益も出にくいですが、壊れたロレックスを取り扱える企業は減ってくるため、利益を出しやすい商材として取り扱っている店舗があります。
故障したロレックスの状態によって買取不可となってしまうケースになるか、売れる場合にも査定額は変わります。しかし、一般的にオーバーホール(分解掃除)で対応できるレベルの故障であれば売れます。
自分で修理してから売った方が高額査定になるか
当たり前ですが、ほとんどのケースで壊れていないロレックスと壊れたロレックスでは買取価格に違いが出ます。「だったら修理してから高く売りたい」と考える人も少なくはないでしょう。しかし修理内容によっては、オーバーホールの費用に加えて修理代金が10万円以上の見積もりになるケースがあります。
要するに修理店や時計ショップ、ロレックスの公式販売店などで修理してから売ることは割に合わない可能性が高いです。自分で修理できてしまう人なら話は別ですが、長年の経験が必要であり、ネットで調べてすぐに出来るようなレベルの作業ではないため、おすすめはしません。
オーバーホールの料金は5~100万円程度と高額!
ロレックスのオーバーホールはモデルによって代金が変わりますが、例えば日本ロレックスで行うオーバーホールの代金はヨットマスターであれば48,600円、ヨットマスターIIは80,400円となります。人気モデルのため状態が極めて良い場合は定価よりも数万円高値で売れるケースもあるが、単純に考えて事前にオーバーホールをしていたら損することすらあり得ます。
また、オーバーホールで部品交換などが行われた場合、ヴィンテージロレックスなどのパーツなどはすでに製造されていないため、代替品が使用されるケースもあります。この場合、全てが純正品の時計よりも価値が下がってしまいます。
部品としての価値
もはや時計としては復活不可能なアイテムであっても、各種部品としての価値は生きている可能性があります。ロレックスは世界中で愛されている時計です。修理のための部品を求める方は数多く存在します。また、ロレックスのメーカーは30年間、修理用の部品を保管していますが、30年以上前に発売されたものだと部品が残っているとは限りません。
ロレックスは丁寧に扱えば30年以上現役で動く丈夫な時計です。ロレックス愛用者の中には、メーカーで修理できなくなった時計の部品を求めている方もいます。そのため、古くなってボロボロのロレックスでも、使える部品があれば価値がつくかもしれません。
■ブレスレットのコマ
ロレックスのブレスレットを調整したときに取り外したコマは売り物になるのでしょうか?これはネットオークションを注意深く見ていれば分かるとおり、ブレスレットのコマだけの出品もあり、しかも落札されている例もちゃんとあります。すなわち需要は確実にあります。
例えば愛用するロレックスの時計が体調や体形の変化によってブレスサイズがきつくなってしまった、という話を聞いたことはないでしょうか。もちろん自分で余りゴマを保管していればそれを足して解決するのですが、必要なときに簡単に見当たらないのが附属品というもの。そんなとき、ロレックスのサービスセンターに相談すればコマを足してもらえるのですが、現行モデルのステンレスのコマひとつで10,000円以上の部品代がかかるのです。
そんなとき、ちょうどよく同じ時計のコマを余らせている人が周りにいれば安く譲ってもらう、何てこともあるかもしれませんが、これがなかなかうまくいかないのです。余りゴマも立派な附属品であり、そのうち時計を売りに出すことがあるとすれば、買取店によっては査定額プラスの要素になり得るものであることを考えれば、よほど親密な関係でもなければそんな無理を言うことはできないものです。
また外観が似ているからといって違うモデルのコマを取り付けようとしますと、実はサイズが微妙に違っていて、とりあえず取り付けられたけど動きが硬い、などということになりかねません。すなわちロレックスのような人気ブランドの時計の場合、その部品のひとつひとつにもしっかりと商品価値があるといえるのです。
■ブレスレット
かつて使っていたロレックスの時計、ブレスレットを外して革ベルトを付けて使っていたが、今では時計をどこにしまったか忘れてしまった。そして今手元にほとんど使っていないブレスレットだけ残っている。何てことはないでしょうか。時計の価格上昇とともに、ブレスレットの価格も随分と上がりましたが、時計に驚くような価格の高騰が頻発しているように、そういった高騰した時計に使えるブレスレット単体も意外なほどの高値を付けることがあります。
少なくともスポーツモデル用の取り付け幅が20mmあり、しかもスポーツモデル用の太いバネ棒が通るフラッシュフィットが付いたもので、並み以上のコンディションをキープできていれば、買取価格は簡単に10万円を越えてくることでしょう。
旧タイプの巻きブレスやリベットブレスなどになればなおのこと。さらにはデイトナに使えるもの、特に手巻き時代のデイトナ用の取り付け幅19mm、エンドピースの裏側に “271”や “371”、そして極めつけの “71N” 等と刻印されているものが発見されれば、まさにお宝。それこそ古物の醍醐味といえるでしょう。
■風洞やリューズ
かつてロレックスのサービスセンターにも、修理で交換した部品を返却してくれる時代がありました。
そのころ、ご家族のどなたかがロレックスを所有していて、しかもサービスセンターに修理に出していたとすれば、ロレックスの古い部品がどこかに眠っているかもしれません。
ここに上げさせていただいた風防、リューズ、チューブなどはガスケット、すなわちゴム製のパッキンなどとともに、防水性確保のために比較的交換の頻度が高くなる部品です。そして例えば、これがサブマリーナーのRef.5513やRef.5512等であった場合、現在は生産されていないドーム型風防や、サブマリーナー用の大径のツインロックリューズであったりする可能性が有ります。
今となっては防水性の確保については大した意味を持たず、すでに部品を交換されてしまったヴィンテージウォッチの部品を元の仕様の部品に交換することでよみがえる、その時計がかつて持っていた雰囲気はすばらしい付加価値を与えるのです。
使い物にならないほど痛んでいたのでは仕方ありませんが、風防なら劣化による亀裂が発生していないこと、リューズやチューブならねじ込んでとどまるくらいのコンディションを保っているとすれば、意外な価格が付く可能性が高いといえるでしょう。
壊れたロレックスが買取を断られるケース
壊れたロレックスでも買取は可能ですが、買取を断られてしまうケースがあります。原型をとどめない程の壊れ具合や部品としても使えない場合については、そもそも買取が難しいのですが、多くの場合買取店を間違えると買取してもらえない場合があります。
こちらでどういった場合に買取を断られてしまうのか見ていきましょう。
■壊れたROLEXでも価値があると知らない
経験が浅く、知識もあまりない買取店の場合は、壊れたロレックスに価値があることを知らないケースがあります。本当は部品取りや修理をすれば販売が可能になるのに、そのことを知らずに買取を断られてしまいただのジャンク品として処理されてしまうときには買取を断られてしまいます。
■修理金額が高額になってしまう場合
販売価格が買取費用+修理費用を上回ることが条件となるので、事前の見積もりで修理費用が販売相場を上回ってしまう場合は買取を断られてしまうかもしれません。買取業者側としたら修理費用がかさむことが予想される場合は買取価格を低くして買取をするということが必要になってきます。先ずは買取が出来るかしっかり問い合わせをしてからお店に行きましょう。
少しでも高く売るためにすること
■事前に必ず最低限の掃除をする
お店に持っていく前に、まずは時計の掃除をしておきましょう。掃除といってもそこまで大掛かりにする必要はありません。拭き掃除をするだけでも、査定額が高くなることがあります。少し手間だと感じるかもですが、やっておいて損はありません。拭き掃除の際は、アルコールクロスで拭き取って下さい。更に、時計専用溶剤を使えば、時計にダメージを与えることなく綺麗にすることができます。しかしわざわざ揃えなくても、アルコールクロスで拭くだけでもほとんどの汚れは落ちるので、ぜひやってみてください。
■付属品を用意する
ロレックスを売る際には、必ず箱やブレスレットの余りコマ、鑑定書などを一緒に持ち込みましょう。モデルによっては購入時にいろいろと付属品が付いているので、それぞれ忘れていないか注意して下さい。こうした付属品がないと、買取の価値が落ちてしまうことがありますので、気をつけておくのが良いでしょう。もし鑑定書が見当たらない場合は、鑑定所に依頼して鑑定書を取り寄せておくことをおすすめします。とはいえ、安価なモデルであればここまですることはありません。
他にも、バンドなどを自分で取り替えている場合には、元のバンドに戻しておきましょう。他の部分をカスタマイズしている場合にも、全部元に戻す必要があります。もし元のバンドが紛失していてもう既にないなどの場合には、ネットでバンドだけでも購入する事ができます。こうした工夫をするだけで、高額買取してもらいやすくなります。
■ちゃんとした状態で保管する
さらに、保管状況を整えることも非常に大事です。湿度が高い場所に長期間保管しているとどうしても錆びやすくなってしまうので、しっかりとした保管ケースに入れておくことをおすすめします。専用の保管ケースも売られているので利用しておくべきです。
ロレックスはちょっとした工夫で、高く売ることが可能になります。例えば、先ほどご紹介したように必ず掃除はしておいて下さい。これだけでも査定額が高くなることがあります。逆に汚れたまま売ってしまうと、やはり心象も悪くなってしまい、査定額が落ちることもあるので気をつけておきましょう。
ロレックスを売りたいとお考えの場合は、これらの方法をぜひうまく利用してみて下さい。ロレックスは壊れてしまっていても売れる場合があるので、諦めないようにしましょう。
捨ててしまう前に、一度査定を受けてみるのがおすすめです。時計買取に詳しく、自社修理に対応している買取店なら、部品やそのままの状態でも高い査定金額を提示してくれる可能性があります。手入れは査定直前だけでなく、日ごろから丁寧に行っておきましょう。付属品は紛失しないよう管理し、忘れず買取店へ持っていくのが大切です。