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ロレックスバブル崩壊の実情!中国市場が影響か?
ロレックスのバブル崩壊の実情は、実は中国市場が影響しているといわれています。
日本市場の中でのトラブルではありませんが、中国市場におけるバブル崩壊によって景気が後退したことで、ロレックスの価格相場が下落しているのです。
それでは、なぜ中国市場の景気が日本にも影響されるのかご説明しましょう。
中国市場の景気後退は日本市場にも影響する
そもそも影響を受けているのはロレックスだけでなく、他の高級時計も同じく価格相場の下落の影響を受けています。
相場の下落が始まったのは2022年の春頃からで、原因は中国のラグジュアリー商材市場が暴落したからだとされています。
たとえば新型コロナウイルスの対策として行われた上海のロックダウンでは、市場価格がこれまで一時240%もあったロレックスのサブマリーナ―の中古価格が46%も下落したといわれているのです。
サブマリーナーほどの人気がある時計が46%も価格が下落するのは前代未聞だといえるでしょう。
ロレックスの相場下落の5つの要因
ロレックスの相場下落の5つの要因は、以下の通りです。
・中国市場の景気後退
・需要の減退
・公認中古販売の開始
・コロナによるインフレ
・暗号通貨の暴落
中国市場の景気後退
まず第一に挙げられるのが、中国市場の景気が後退したことによる影響です。
新型コロナウイルスへの対策と同時に不動産バブルも崩壊しているため、景気後退による混乱による中国の富裕層は非常に大きな痛手と混乱を巻き起こしました。
かつて中国バブルなどで栄華を極めた富裕層が、バブル崩壊などによって次第に焦り出し、負債を抱えるようになった末に手元のロレックスを売却して現金を確保するようになったことから、中古市場にロレックスが出回るようになったのです。
需要の減退
ロレックスは世界的に需要が高いといわれていましたが、実は近年になって需要が低下しつつあります。なぜなら、新品の定価が高すぎて購入しにくいからです。
中古でもかなり高いのに、定価で購入する余裕はないという人が多いため、安価で購入できる他の時計の購入を検討する傾向にあります。
プレミアム価格になっているモデルも多く、転売対策として一部の信頼できる顧客にしか販売しないスタンスが逆に需要を定価させてしまっているのです。
公認中古販売の開始
2023年に公式が公認中古販売を始めたのも大きな影響を与えています。
公認中古販売とは、いわゆる天井のようなもので、これまで上がり続けていた値段に制限がかかったようなものです。つまり、公認中古販売が行われると、他の業者が中古価格以上の金額で販売しても売れなくなります。
一種の転売対策ともいえますが、事実上ロレックスが中古の販売価格をコントロールできるようになったことで相場が下がっています。
コロナによるインフレ
新型コロナウイルスによるインフレの影響も、相場下落に大きな打撃を与えています。
コロナによるパンデミックは、世界的に見ても景気を減退させるのに十分すぎるほどで、現金を確保するために次々とロレックスを売りに出す人が増えました。
結果的に中古市場でロレックスが余るようになり、相対的に相場が下落しているといえるでしょう。
暗号通貨の暴落
多くの富裕層や投資家たちが保有していた暗号通貨の価値が暴落したのも大きな影響を与えています。
暗号通貨の価値が暴落したことによって多額の損失を被った人たちは、損失分を少しでも補填するためにロレックスを売却する流れが生まれたのです。
ロレックスの価格暴落は一時的なものである理由
ロレックスの価格暴落は一時的なものである理由は、以下の通りです。
・市場は中国だけでなく世界中にある
・需要増加でスイス時計の輸出総額が過去最高
・景気回復とともに相場も回復
ロレックス市場は中国だけでなく世界中である
ロレックスの価格が暴落しているとはいえ、それは中国市場に限った話です。
ロレックス市場は中国が独占しているわけではなく、世界中にあります。中国市場では下落していますが、世界中にはロレックスを購入したい人が非常にたくさんいるので、ロレックスの価値が今後ずっと下がることはありません。
世界中にロレックスを欲しがる人がいる限り、価値は下落しにくいといえるでしょう。
高級時計の需要増加でスイス時計の輸出総額が過去最高
現在、高級時計の需要が増加したことによってスイス時計の輸出総額が過去最高になっています。
もちろん新型コロナウイルスの感染拡大によって多少なりとも需要は低下したものの、その後は商品の高額化が上手く働いたことによって、需要が増しているのです。
2022年6月時点で対前年同月比で6.9%も生産量が増加し、2022年上半期全体の前年比で見ると11.9%も増加しています。このように、徐々に生産量が増加しているので需要が低下するどころか高くなっているといえるでしょう。
景気回復とともに相場も回復する
景気が悪化してロレックスの相場が下落しているなら、単純に景気が回復すれば中古市場にも与える影響も解消されるので相場も回復します。
現在では少しずつ相場が元に戻りっているモデルもあり、景気とともに回復しています。
ロレックス相場下落時のモデルごとの価格変動
ロレックスの相場が下落したとき、モデルごとにどのくらいの価格変動があったのか気になる人も多いのではないでしょうか。それでは、ロレックスの相場が下落したときのモデルごとの価格変動についてご説明しましょう。
ロレックス デイトジャスト41 Ref.126334
ロレックスのデイトジャスト41 Ref.126334は2017年に発売されて以降、かなりの人気を博している人気モデルです。
そんなデイトジャスト41 Ref.126334の平均価格は2022年12月時点で約192万円でしたが、2023年1月には約168万円まで相場が下落しました。
ロレックス サブマリーナー Ref.16610
ロレックスのサブマリーナー Ref.16610はダイバーズウォッチの代表的なモデルであり、初期モデルの完成度の高さが変わらない人気を維持しています。
そんなサブマリーナー Ref.16610の平均価格は2022年12月時点で約156万円でしたが、2023年1月には約130万円まで相場が下落しました。
ロレックス コスモグラフ デイトナ Ref.116500
ロレックスのコスモグラフ デイトナ Ref.116500は、NASAの宇宙開発と同時に発表されたコスモグラフと、レース用モデルとして発表されたデイトナを組み合わせた時計です。
そんなコスモグラフ デイトナ Ref.116500の平均価格は2022年10月時点で約470万円でしたが、2023年1月には約389万円まで相場が下落しました。
ロレックスオイスターパーペチュアル Ref. 124300
ロレックスのルーツを今に伝えるロレックス オイスター パーペチュアル Ref. 124300は、ロレックスファンに絶大な人気を誇っています。
この時計は、さまざまなサイズと幅広いカラーパレットで展開されています。ターコイズブルーの文字盤を備えた直径41mmのバージョンは、一部の中古市場では5月から9月にかけて約30%の値下がりをみせました。
このモデルの価格は、そもそも異様な価格の高騰がみられたモデルなので、価格が下がった後とはいえ、約300~500万円ほどの相場です。
ロレックス サブマリーナー Ref.1680
ロレックス サブマリーナー Ref.1680は、サブマリーナーシリーズにおいて大きな進化を果たした時計です。
これは、サブマリーナーでデイト表示機能を搭載した最初のモデルであり、サブマリーナーの歴史において非常に重要な時計となっています。
公式には、このリファレンスは1967年から1980年の間に製造されたものですが、この期間、ロレックスはサブマリーナーのさまざまなバージョンをリリースしています。
最も有名なのは、文字盤にモデル名が赤く刻印された、「赤サブ」と呼ばれる赤文字のサブマリーナーです。
赤サブの価格が依然として高額である一方で、Ref.1680は2022年の5月から9月にかけて約20%下落しました。ステンレススチールモデルの価格は、約130万円くらいのものから、レアバージョンの良品となると約500万円を下らないものまであります。
ロレックス デイトナ Ref.16528
ロレックス デイトナは、恐らくロレックスで最も人気のあるモデルです。
過去3~5年間でデイトナの価格は全体的に急上昇しました。完全自社製造のムーヴメントが搭載された現行のモデルは特に人気が高く、高額です。
一方、デイトナ Ref.16528は、ゼニス社が製作した名作ムーヴメント「エル・プリメロ」を搭載し、シリーズ初の自動巻きを実現した記念碑的なモデルです。
デイトナ Ref.16528は、最後に値上がりし、最初に値下がりしました。たとえば、ロレックス デイトナ Ref.16528のイエローゴールド製の白文字盤は、2022年の5月から9月にかけて約20%値下がりしています。
ロレックス デイデイト Ref.228235
ロレックス デイデイト Ref.228235は2015年に登場したモデルで、ロレックスデイデイトを思い浮かべたときに、最初に思い浮かぶモデルではありません。
実は、40mmのエバーローズゴールドバージョンは、クラシックなイエローゴールドとは異なる選択肢を探している方に人気があります。
けばけばしさはなく上品な佇まいで、その文字盤は機能性と美しさを兼ね備えた名作です。
しかしその価格は、この四半期で18%下落しました。とはいえデイデイトはロレックスの最高級モデルの一つです。依然として約600~1,000万円ほどが相場となっています。
価格暴落しても高く売れやすいロレックスのモデル
どんなに景気が悪化して価格が暴落したとしても、デイトナやサブマリーナー、エクスプローラー、GMTマイスターなどの知名度や人気が高いモデルは、高額で売却しやすいのがポイントです。
高額での売却を狙う場合は、定期的なメンテナンスを行うことも大切です。
2024年以降のロレックスの相場動向予想
2024年以降のロレックスの相場動向が気になるところですが、結論からいえば一時的に相場が下落しているだけで、そこまで大きな影響はないと予想できます。
慢性的に需要が高い上に供給量も少ないため、今後も相場は上昇する可能性が高いでしょう。
特に2029年にスイスのフリブール州ビュールで新規製造拠点の立ち上げを予定しているので、さらなる増産が期待できるのもポイントです。
まとめ
ロレックスは新型コロナなどの影響で相場が下落していたことがありますが、一時的なものだと予想できます。
基本的に生産量に対する供給量が見合っていないので、非常に需要が高いことに変わりはありません。
いかに中国市場が打撃を受けていても、世界的に人気が高いロレックスには大きな影響を与えることはないでしょう。