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ロレックスの鑑定はプロの鑑定士に任せよう
ロレックスは世界中で人気のある時計で、世界でもっとも有名な時計ブランドといっても差し支えないと思います。しかし、その人気から偽物の時計も数多く出回っており、中にはかなり精巧に作られているものも存在します。自身が所有するロレックスの真贋が気になる場合は買取店などの鑑定士に依頼しましょう。
鑑定士は視覚や手感で偽物を鑑定する
ロレックスの偽物は精巧につくられているものもありますが、一目で偽物と分かるほど粗雑な製品もあります。手に持ったときに違和感がある、ロゴや文字盤などの細かい部分が異なるなど、判断基準はさまざまです。買取店の鑑定士はそれらを経験から判断し、ロレックスの真贋を見抜いています。
ロレックス鑑定後に偽物だった場合は買取不可
時計買取店に在籍するロレックスの鑑定士は、偽物の時計を買取しないよう、細心の注意を払って時計を観察しています。これはブランド品のコピーを売買するのは法律違反になるからです。そのため、どんなに精巧につくられていて、コピー品として需要があるものでも偽物と判断した場合は、買取不可となります。
鑑定士がはっきり「偽物」と伝えることはない
買取店の鑑定士は、仮に持ち込まれたロレックスが偽物と判断しても、顧客にはっきりと「偽物」と伝えることはありません。これは、ブランド品の真贋を決められるのは、そのブランドの人間のみと定められているためです。ロレックスの時計は人気が高く、多少の破損や故障で買取不可能になることは少ないです。
買取拒否の際に明確な理由がなく「当店の基準から外れているため買取できません」などと言われた場合、鑑定士が偽物と判断した可能性が高いと判断できます。
ロレックスのセルフ鑑定|本物か確かめる12の方法
セルフ鑑定は、自らロレックスの真贋を判断するための手法で、ある程度の精度で真贋を判別することができます。
本物のロレックスは、細部まで丁寧に作られていますが、偽物は大量生産が優先になるため、本物に似せようとしても細部が雑になっていることが珍しくありません。それらを判断する12のポイントをご紹介します。
文字盤の「ROLEX」の文字
文字盤のROLEXの文字に注目すると真贋の判断ができる場合があります。本物のは文字がきれいに刻まれており、歪な部分がありません。一方で偽物の場合はROLEXの文字配列が微妙にずれていたり、印字の端部分の太さが異なったりします。しかし、文字の形状は年代やモデルによって異なるため、すべてのロレックス時計が同じ形状ではないことに注意が必要です。
リューズの王冠マーク
ロレックスの時計にはリューズ部分にロレックスの王冠マークが刻まれています。この王冠マークも真贋を見抜くポイントとなります。本物のマークは立体的でクッキリしているのに、偽物は少しぼやけている場合が多いです。また、王冠下部の楕円部分の形状が異なる場合もあります。
ブレス部分の王冠マーク
本物のロレックスにはブレス部分にも立体感のある王冠マークが刻まれています。こちらも上述したものと同様に本物のマークは輪郭まではっきりと見え、立体感を感じますが、偽物の王冠はぼんやりと輪郭がはっきりとせず、立体感も少ないです。また、粗悪品になると王冠の形状自体が違う場合も多いです。
リファレンスナンバーとシリアルナンバー
ロレックスの製造施設で製造された時計には、シリアルナンバーが刻印されています。シリアルナンバーは2010年以前のものはストラップを外したケースのラグ6時の位置に、2010年以降のものは、ケースのダイヤル側6時の方向に刻印されています。
ロレックスは細部まで丁寧に仕上げるため、シリアル番号も正確かつ完璧に刻印されています。擦れやブレ、不正確な線で彫られている場合は偽物の可能性が高いです。また、刻印自体がない場合は偽物もしくは盗品の可能性があります。
日付表示部分の切り替わりの速度
日付けが表示されたモデルの場合に、数字の切り替わりを見ることでも、真贋を確認できます。午前0時の日付変更がカチッと瞬時に終われば本物の可能性が高くなります。
ただしたとえ本物であっても中の機械の調子が悪いとカチッと切り替わらないことありますし、スーパーコピーといわれる精巧につくられた偽物のロレックスも日付がカチッ変わるものがあります。
文字盤の数字
ロレックスには数字や針に夜光塗料が塗られているモデルも多く、これが真贋を見極める手がかりになります。
夜光塗料を均一に塗るには技術と時間がかかります。そのため、コピー品の夜光塗料の塗りは端部分が塗られていなかったり、光り方が一定ではなかったりします。本物でしたらルーペなどを用いても粗が見えず均一に塗られているのがわかるため、真贋の判別ポイントとなるのです。
ベルト内部の刻印の立体感
ベルト内部の刻印は、本物であればかなり立体的に見えます。しかしコピー品は立体感が乏しく平面に見える場合が多いのが特徴です。また、刻印されているマークやROLEXの文字の形状も異なる場合があり、本物のベルト内側の刻印を覚えておけば、本物と偽物の判断に役立ちます。
文字盤の様々な文字
文字盤にはROLEXのアルファベットだけでなく、多数の文字が印字されています。これらのアルファベットにはそれぞれ特徴があり、これらの特徴を比較することで本物、偽物の判断をすることができます。しかし、各モデルや年代によって同じ文字であっても特徴が異なるため注意が必要です。
ブレスレットのコマ調整のビス
ブレスレットについているコマ調整のビスは、丸いビスの中心部分にまっすぐ溝を刻む高い精度を求められる作業なうえ、更に小さな穴にピッタリとフィットするように加工しなければならないため金属加工の精度がでやすい部分といえます。 ブレスレッド部分のビスを観察することで、真贋の判別ができる場合も多いです。
ガラス面6時部分の王冠マークの透かし
2001年以降、ロレックスは、偽造品をより効果的に阻止するために、王冠マークの透かしをいれています。サファイアクリスタルの風防の6時位置に王冠がレーザー刻印され、本物であれば小さく、薄く入っているマークを確認できるはずです。
しかし、肉眼では見えずにルーペを使わなければほとんど見ることはできません。コピー品の中にもマークが入っているのはありますが、造りが甘いため、ルーペがなくてもハッキリ見えたり写真にもくっきりと写ります。
秒針の動き
ロレックスは精度と完璧さにおいて決して妥協しません。秒針の動きはもちろん、GMTマスターやスカイドゥエラーなど、GMT機能を搭載している時計であればそれらの針の動きまでが完璧な動作をします。そのため、もしも秒針やGMTの針がぎこちない動作をしている場合、それは偽物の可能性が高まります。
リューズの触り具合
リューズには調整の際に巻きやすいようにギザギザがついています。このギザギザの触り具合も真贋を見極めるポイントです。本物のロレックスは程よく指の腹に引っかかりなめらかさを感じることができますが、コピー品は研磨が甘いため、妙に指に障る感じがします。感覚の部分にもなるため、何度も本物を取り扱ってきた場合に有効な方法となります。
裏蓋に刻印がないロレックスは偽物なの?
ロレックスの裏蓋を見て「あれ?刻印やモデル名などが記されていない」と心配に思っている方もいるのではないでしょうか。安心してください。何の刻みもない裏蓋は偽物の印象を受けるかもしれませんが、むしろ裏蓋に何もないのは「本物の証拠」になる場合もあります。
ロレックスの裏蓋には基本的に刻印がない
ロレックスの裏蓋の外周には、ロレックスの刻印やモデル名が刻まれているものがあります。しかし、こうした意匠が記されていないものも数多くあります。実際、一部の例外を除いてロレックスの裏蓋には刻印がありません。そのため、裏蓋中央にこれ見よがしに刻印やモデル名、シリアルナンバーが刻まれたものは偽物の可能性もあります。真贋の基準はモデルごとに異なりますので、裏蓋に刻印がなくても大丈夫です。
一部例外のモデルと確認方法
前述のとおり、ロレックスの裏蓋には近年のモデルを除き、刻印やモデル名は記されていません。ただし、一部の例外のなかには裏蓋への刻印があるモデルが存在します。例えば、シードゥエラーRef.1665など一部のモデルの裏蓋には裏蓋にストレート刻印があります。
他にはノンオイスターモデルのRef.9576などには、裏蓋に王冠の刻印等が確認できます。ちなみに、ロレックスの廉価ブランドとして登場したTUDOR(チューダー)の時計の裏蓋には、ロレックスの刻印が記されています。これは、同社がロレックスと同じパーツを使っていることに由来しています。
セルフ鑑定だけでロレックスを本物と言い切れない
上述した方法である程度の精度で真贋を判定することは可能です。しかし、精巧に作られている偽物や、本物であっても劣化などによって完璧な動作をしていないものを判断するのは一般の人には難しいのが現状です。これには以下のような理由があります。
スーパーコピー品はセルフ鑑定では見分けが困難
ロレックスの偽物と一口で言っても、一瞬で偽物と判断できるものもあれば、判断がつきにくいものも存在しています。特に、スーパーコピーと呼ばれるものは精巧な作りをしており、専門家が入念にチェックをしなければ見極められないことがあると言います。
スーパーコピー品を本物と信じ、長年着用していて売却の際に偽物とわかることもあるようです。そうならないためにも、買取店などの専門の鑑定士に見てもらうか正規のオーバーホールをするようにしましょう。
ロレックスの部品や構造を知っている必要がある
スーパーコピーの時計はかなり精巧に作られているため、外見での判断は不可能に近いです。そのため、見極めるためには、普段目で見えない部分に注目すると粗がでる場合があります。例を挙げるとコマをつなげるためのネジです。
本物はネジの1本1本丁寧に磨きこまれているため、固定した状態ならば隙間が全くなく、ネジの長さに関してもきっちりと同一になっています。これらが少しでもずれている場合偽物の可能性がでてくるのです。このようにスーパーコピーを見極めるには部品や構造についてかなり詳しく知っていなければ見極めることは難しいといえます。
ムーブベントの動作音での鑑定も素人には困難
セルフ鑑定の項目の一つとして、ムーブメント動作音の判定が挙げられます。時計本体を耳に当てて動作を聞く鑑定方法です。本物の場合はロレックスの時計特有の音がしますが、偽物の場合はカラカラやカタカタなどのような乾いた音がします。
ただし、音の聞き分けは素人では難しい場合も多く、本物であっても部品の劣化等でそのような音となるので素人の方が聞き分けるのはかなり難易度が高いといえます。
ロレックス正規店へオーバーホールを依頼すれば確実に鑑定が可能
所有しているロレックスが本物かどうかを見極めたいときは、ロレックス正規店に「本物です」と証明してもらえるのがベストですよね。しかし、正規店に時計を持ち込んでもさすがに鑑定はしてもらえません。そこで利用したいのが「正規店のオーバーホール」です。
ロレックスのオーバーホールとは
高級腕時計を長く使い続けるためには、3年〜5年に1度の割合で分解修理(オーバーホール)をすることが推奨されています。
オーバーホールは、故障が原因で行うものではありません。オーバーホールを実施して劣化している部品を新しいものに交換する、分解しながらパーツをきれいに磨いて必要な箇所にグリスを塗布するなどを行い、時計を長期的に使えるようにする役割があります。
ロレックスのオーバーホールはロレックスの正規店で行うのが確実です。そして、ロレックスの正規店は本物のロレックスしか依頼を受け付けていないため、正規店でオーバーホールした=本物の証ということになります。
まずは日本ロレックスに見積もり依頼が必要
初めてオーバーホールを依頼するときには費用や期間など疑問点が多いと思いますが、日本のロレックスは見積もりを依頼して費用を確認したうえでお願いすることが可能です。このとき、保証書がない場合や保証書が偽物の可能性がある場合は時計本体を日本ロレックスに送付する必要があります。
時計本体を送付してオーバーホールを断られないのであれば本物の証明になるため、まずは正規店にオーバーホールの見積もりおよび依頼をおすすめします。例外としてアンティークロレックスの場合は部品がないためオーバーホールを断られることもあります。その場合はアンティーク時計専門の時計店に依頼をするのがベストです。
安心してロレックスを売却するための心得
ロレックスは資産としておすすめされるほど、中古品の価格が落ちず、中古市場でも非常に人気の高い商品です。しかし、上述したように偽物も多く出回っている商品でもあるため、売却する際にもいくつか気をつける点があります。今回は自身で売る方法とお店に売る方法の2つについてご紹介します。
オークションやフリマで売却する場合
ネットオークションやフリマアプリを普段から活用されている方も増え、これらは身近な存在となっています。ブランド品はロレックスの腕時計がネットオークションに登場することも決して珍しいことではありません。
保証書や箱などの付属品が揃っているものなどは、出品されるとたくさんの入札が入ることも多いです。ロレックスは高額な商品のため、ノークレームノーリターンでの出品は難しく、取引後にロレックスが偽物だと判明した場合には、出品者の品位に関わり、場合によっては損害賠償請求を起こされる可能性があります。
本物であることを十分確認したうえで出品することが重要です。
買取専門店で売却する場合
「買取大吉」のようなブランド品などの買取を専門にしているお店の無料査定を使う方法もおすすめです。
査定の際には鑑定士が時計の品質や状態などを細かくチェックするため、本物であることの証明に加えて金額に納得できればそのまま売却し、すぐに現金化することも可能です。梱包や発送、その後のお金の取引の手間が必要なオークションと比べると気軽に利用できる方法なのでおすすめの方法です。
まとめ
ロレックスの真贋鑑定について紹介しました。世界的に需要が高いロレックス、昨今ではその人気の高さから正規店で目的のモデルが買えないという状態がつづいており、中古市場で買いたいモデルを購入する人も増えています。
中古市場での高級時計の購入には常に偽物の影があります。そんな偽造品ではなく、一生付き合える正真正銘のロレックスに出会えるよう本記事をご参考にしていただけますと幸いです。