デイデイト、“プレジデント”のための腕時計
デイデイトは1956年に誕生しました。分刻みでスケジュールをこなす要人やセレブリティに向けて、一目で日付と時間そして「曜日」がわかる時計として誕生しました。また、世界初の両方向巻き上げ式の自動巻きキャリバーであるCal. 1030を発展させた上、高精度な調整機構であるフリースプラング式をロレックスで初めて採用したCal.1055を搭載していました。曜日表示は11か国語に対応していました。現在はさらに増え、英語はもちろん、日本語をはじめ26か国語に対応しています。
特に象徴的なものは、アイゼンハワー元アメリカ大統領に贈られたデイデイトです。さらにこの時計はケネディ元アメリカ大統領も着用していた時計でもあるため、アメリカでは“プレジデント”の愛称が生まれたと言われています。このエピソードはデイデイトとデイトジャストの貴金属モデルでのみ展開されている「プレジデントブレスレット」に名を残しています。プレジデントブレスレットは半月状のコマを3列にリンクさせたブレスレットで、貴金属の輝きを上品にみせます。クラスプにあしらわれたロレックスの王冠も小粋です。
ロレックス独自の貴金属素材を堪能する
デイデイトにはロレックスの十八番である「オイスタースチール」素材はなく、貴金属モデルのみの展開です。完璧を徹底的に追及するロレックスは、原料の金属すら自社で製造します。ロレックスは自社鋳造所を所有し、ゴールド素材をはじめ、腕時計に最適な金属を生み出すため、独自の合金を研究・鋳造しています。例えば、ロレックス特許素材の「エバーローズゴールド」は所謂ピンクゴールドのことですが、ピンクゴールドは赤みを出すため他の金合金よりも銅含有率が多くなり腐食や変色を起こしやすいというデメリットがあります。しかし、独自の醸造所を持つロレックスは独自の配合によって、変質・変色しにくいピンクゴールド「エバーローズゴールド」を開発しました。そして2023年の新作デイデイトでは装飾石文字盤と相まって、エキゾチックな魅力を漂わせています。こうした貴金属の特徴を引き出すディティールとなっているのが、フルーテットベゼルです。これはロレックスが世界で初めて製造した防水腕時計「オイスター」の構造から生まれたデザインです。というのも、オイスターのケースはベゼルと裏蓋をミドルケースにねじ込む構造になっています。その為ねじ込みやすいよう淵に溝をつけたのが、デザインとして昇華されてフルーテットベゼルとなりました。精妙に彫られた溝は貴金属素材の高貴な輝きを繊細に映しだします。
ロレックス デイデイト 2023年モデル
ロレックスの2023年新作は後述のデイデイトをはじめ、カラフルで躍動感あるイメージの新色や新文字盤が印象的です。ここ数年のコロナ禍がようやく落ち着き、旅やヴァカンスへの欲求が湧きだっている世界のムードを感じ取ったかのような、アクティブな雰囲気が漂います。デイデイトにおいては、装飾石を文字盤に採用したモデルが登場しました。ロレックスの最上級モデルであるデイデイトにはアイゼンキーゼル(鉄水晶)やメテオライト(隕石)、マザーオブパールなど様々な種類の素材が展開されていますが、この度の2023年新作デイデイトには鮮やかな翠色で精緻な反射光をもつ「グリーンアベンチュリン」、くすみなき水色と天然石ならではの唯一無二の模様が美しい「ターコイズ」、夕陽のような色気あるオレンジ色を呈する「カーネリアン」の三種類がお目見えしました。これらはそれぞれグリーンアベンチュリン×エバーローズゴールド、ターコイズ×ホワイトゴールド、カーネリアン×イエローゴールドというコンビネーションで、ヴィヴィッドなリュクスを体現する、デイデイトの新たな表情を見せてくれています。
まとめ
ロレックスのデイデイトについて紹介しました。デイデイトは歴代の大統領などにも愛用された歴史をもつ腕時計で、ロレックスの中でも最もハイクラスのモデルと言われます。デイデイトは貴金属素材でのみ展開されており、最高級細部まで貫徹された美意識によって、ロレックス最上位モデルに相応しい風格を備えています。