GMTマスターの歴史
GMTマスターはロレックスがパン・アメリカン国際空港のパイロットのために開発したシリーズです。第2次世界大戦後の1950年代は、航空技術が発達し、ジェット機が世界中を飛び回るようになった時代において、世界各地での正確な時刻の把握が重要視され始めると、パイロットたちからは、異なるふたつのタイムゾーンが確認できる時計を求める声が上がりはじめました。
このような背景のもと、当時米国のフラッグ・キャリアでもあったパン・アメリカン航空は、2カ所の時刻を同時に把握できる時計の製造をロレックスに依頼します。パン・アメリカン航空の要望に応え、ロレックスが生み出したものが55年誕生の「GMTマスター」になります。「GMTマスター」はさらに83年に、最大3カ所のタイムゾーンを把握できる「GMTマスターⅡ」が発表されました。GMTマスターは99年に生産終了となっており、現行モデルはすべてGMTマスターⅡになります。
特徴や魅力
GMTマスターは、どのような点が高く評価されているのでしょうか。主な特徴や魅力を紹介します。
●伝統的な独自のムーブメント
GMTマスターに搭載されているロレックス独自のムーブメントは、蓄積されたノウハウを継承しながら、時計史に残る改良を重ねることで進化した歴史を持っています。初代GMTマスターのセカンドモデルに搭載されたCal.1500系は、現在まで続く自動巻きムーブメントの礎となる存在として、歴史的に高い評価を得ており、その後、Cal.3000系に切り替わり、さらにCal.3100系へと進化し、最新技術を備えた現行のCal.3200系へと続いている点から、その設計思想は脈々と受け継がれていることが分かります。Cal.1500系で実現した自動巻きムーブメントの基礎作りがあったからこそ、目覚ましい発展を遂げた現行のムーブメントが存在していると言えるのでしょう。
●高い評価
国際線のパイロット用に製造されたGMTマスターは、精密さや堅牢さに加え、ベゼルと24時間福時針を使って第2時間を表示した初期の時計であることから、高い評価を獲得する存在となりました。優れたデザイン性も相まって、誕生から現在までの数十年間にわたって、世界中のセレブが愛好する時計として知られるようになっていったのです。日本でも以下のように多数の著名人が愛用しています。
GMTマスターを愛用する芸能人
●竹野内豊さん(俳優)
ロレックス GMTマスターⅠ
竹野内豊さん愛用の時計はロレックス GMTマスターⅠです。リファレンスは1675と思われます。渋さと遊び心の両方を楽しめるGMTマスターペプシカラー、スーツに合わせることでフォーマルな雰囲気にマッチします。テレビドラマ「グッドパートナー無敵の弁護士」で着用していました。
●石原裕次郎さん(俳優)
ロレックス GMTマスターⅡ
石原裕次郎さん愛用の時計はロレックス GMTマスターⅡです。GMTマスター以外にも複数のロレックスの時計を持っていることで有名です。
●京本政樹さん(俳優)
ロレックス GMTマスターⅠ
京本政樹さん愛用の時計はロレックス GMTマスターⅠです。リファレンスは1675と思われます。人気のペプシカラーはしっかり押さえていました。バラエティ番組「火曜サプライズ」で着用していました。これ以外にもコスモグラフデイトナやサブマリーナなど複数を持っています。
選び方のポイント
●デザイン性やシーンで選ぶ
主張の強いプロフェッショナルウォッチであるGMTマスターⅡは、落ち着いたカラーのモデルを選ぶことで、ビジネスシーンでも違和感なく装着できるでしょう。黒ベゼルのほか、ベゼルカラーが黒と茶のRef.126715CHNRも、さまざまなタイプのスーツと相性が良いです。スタイリッシュに着用したいシティ派なら、Ref.126710BLNRなどの青黒ベゼルがおすすめです。GMTマスターの伝統を覆す配色は、クールな男を演出してくれます。あえてロレックスらしさを出さない時計として、赤青ベゼルを選ぶ手もあります。ジュビリーブレスレットと合わせれば、一般的なロレックスのイメージとは一線を画すテイストを出すこともできます。
●評価の高いモデルを選択
ジュビリーブレスレットは、ほかのロレックスと差を付けられることが魅力です。プロフェッショナル系のケースとジュビリーブレスの組み合わせは、ほかのロレックスには見られないデザインです。ドレッシーで華やかな雰囲気を演出し、特別なシーンで手元を彩る1本として重宝するでしょう。GMTマスターⅡのジュビリーブレスレットは、業界でも評価が高いです。黒と青のベゼルカラーも押さえておきましょう。近年登場したこのカラーリングは、ほかのロレックスのモデルには見られない存在として、業界人から注目を集めています。
日々の手入れ方法
優れた防塵・防水機能を保つために、時刻や日付を調整した後は、リュウズをしっかりとケースにねじ込んでおくことが重要です。素材の輝きを失わないよう、時計は柔らかい布でこまめに拭き、ケースとブレスレットは石けん水と柔らかいブラシで定期的に洗いましょう。時計を着用している間は、ゼンマイを巻き上げる必要はありません。ただし、数日間着用せず、時計が停止した場合は、着用前にゼンマイを手動で巻き上げる必要があります。