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ロレックスのドレスウォッチに用いられる「フルーテッドベゼル」とは

ロレックスのドレスウォッチに用いられる「フルーテッドベゼル」とは

ベゼルは、文字盤やムーブメントを守る風防ガラスの周囲に取り付けられる、リングのことを指します。元々は風防ガラスをしっかりと固定する部品にすぎませんでしたが、時代とともにベゼルもさまざまな役割を担うようになりました。文字盤の外枠に配置されるベゼルのデザインは、腕時計の印象を左右するものです。特徴的な形状を備えたり、ダイヤモンドで装飾するなど、時計の印象を決定付ける部分ともいえます。デザイン面だけでなく、機能面で大きな役割を担うベゼルも増えてきており、目盛りや時刻表示機能を備えたものに加え、潜水時間の記録機能が付いたものなどが生まれてきました。

ベゼルの素材

ケースやベルトだけでなく、ベゼルにもさまざまな素材が使用されています。近年の時計業界では、強固かつ高級感のあるセラミックスベゼルが増えてきており、セラミックス素材における最大の特徴は、耐傷性の高さだといえます。かつてベゼルによく使用されていたステンレス素材と比べ、10倍以上の強度があるとされています。

ベゼルは時計本体を守る役割もあることから、ぶつけることも多いですが、セラミックス製なら傷つくこともありません。また、耐蝕性に優れていて変色しにくく、金属類に比べて軽量であり、非金属であることから金属アレルギーの心配もありません。

このように、ベゼルに限らず、セラミックスは腕時計の素材として多くの魅力を備えています。ただひとつ、割れやすいことが弱点として挙げられるため、強い衝撃には注意する必要です。

ベゼルのデザイン性

・フルーテッドベゼル

主にデイトジャストやデイデイトなど、ロレックスのドレスウォッチに用いられるベゼルです。「フルーテッド」とは縦じまを意味しており、ギザギザした切込みが規則的に入れられていることが特徴です。

現在ではスカイドゥエラーなどスポーツモデルにも採用されるようになりましたが、基本的にはゴールド素材にのみ見られるハイエンド仕様です。そのためスカイドゥエラー326934などはケース・ブレスレットはステンレススティールですが、フルーテッドベゼルだけはホワイトゴールドが用いられています。

 

・エングレーブドベゼル

こちらもロレックスのドレスウォッチに用いられるベゼルです。とは言え使用は2006年頃までで、現行品にはありません。フルーテッドベゼルのようにギザギザの縦じまが入っていますが、フルーテッドベゼルよりも細かくまたエッジも控えめです。また、フルーテッドベゼルとは逆にステンレススティールで形成されていることから、スポーティーな印象をも与える装飾ベゼルとなっております。

そのため使用はデイトジャストのみで、デイデイトなどハイエンドラインにはありません。

 

・エンジンターンドベゼル

航空機のエンジンが回転している様子から着想を得た、というロレックスのベゼルです。とは言え「エンジンターン」に飛行機のエンジンは関係なく、幾何学的なパターンをエングレービングする装飾技法全般を指します。

一見するとエングレーブドベゼルやフルーテッドベゼルのようにも見えますが、凹凸がもっと控えめでギザギザ感はありません。平面の切れ込みが規則的に並んでいる、といった様相となります。また、5分毎にポリッシュ加工が施された面があしらわれています。また、こちらはステンレススティールモデルに主に使われてきました。

「ロレックスのベゼル」と称しましたが、この装飾はもともとアンティークジュエリーや万年筆などに用いられました。ただ、他ブランドでこう呼ぶことはあまりありません。ロレックスでも現行モデルにはもう使われておらず、2000年代以前のエアキングやオイスターパーペチュアルに用いられました。

 

・バークベゼル(ロレックス)

ロレックス デイトジャスト 18308

バークとは「樹皮」という意味です。フルーテッドベゼルやエンジンターンドベゼルは切込みが規則的でしたが、こちらは不規則な様がまるで樹木の皮のようであることから、こう呼ばれます。1990年代前半より前に製造されていたデイデイトやデイトジャストに見られるベゼル装飾で、独特のクラス感が漂います。

機能性ベゼル

防水機能や回転機能、複数時刻表示機能などベゼルには多数の機能が生まれてきました。その一部を紹介します。

 

・GMTベゼル

両方向回転ベゼルに24時間表記が記載されているベゼルです。24時間針との組み合わせにより第2時間帯の時刻を読み取ることができます。

ちなみにGMTマスターIIの場合は短針と両方向回転ベゼルを併用することで第3時間帯の時刻の読み取りも可能です。午前と午後を分かりやすくするため、ベゼルの上と下の色が異なる場合が多いのが特徴です。代表的なモデルはロレックスのGMTマスターII、タグ・ホイヤーのカレラ キャリバー ホイヤー02 クロノグラフ GMT、ブライトリングのクロノライナーなどが挙げられます。

 

・両方向回転ベゼル

両方向にベゼルを動かすことができるベゼルです。目盛りと時分針を合わせることで経過時間を読み取ることが可能です。簡易的な時間計測時に役立ちます。代表的なモデルはロレックスのターノグラフ、ロレックスのヨットマスター(初期モデルは逆回転防止ベゼル)、タグ・ホイヤーのオータヴィア、ブライトリングのナビタイマー オートマチック 38など。

 

・逆回転防止ベゼル

ダイバーズ時計のベゼルに刻まれた目盛りと時分針を合わせることで経過時間を読み取ることができるのが、逆回転防止ベゼル。ベゼルに表示されている数字は0~15分は1分刻み、それ以上は5分刻みの表示となっています。逆回転防止ベゼルは潜水時に誤ってベゼルが回転しないように、一方向にしか動かない仕組みとなります。代表的なモデルはロレックスのサブマリーナ、オメガのシーマスター、タグ・ホイヤーのアクアレーサーなどです。

まとめ

今回紹介した機能のほかにも、ベゼルには多数の機能が存在します。なかなか使う機会が少ない機能もありますが、知っていて損はないと思いますので、一度お手持ちの腕時計をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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