転売防止による購入制限の販売方法とは
2019年から始まった販売方法によりここ数年、ロレックスの一部のモデルの枯渇は有名な話で、どこのブティックに行っても、プロフェッショナルモデルの在庫はまずありません。最近ではコロナの流行もあり、整理券を配っている正規店も増えつつある見たいだが、結局整理券を得るために行列ができている話もありました。実はこの施策というのは「ロレックス側」とは言えメーカーが噛んでいるわけではなく、日本国内の正規店・正規代理店が取り決めました。主なルールは以下の通りです。
① 指定モデルを購入後、同一コレクション(デイトナ,サブマリーナ等)の制限対象モデルは向こう5年間購入不可
② 指定モデルを購入後、別コレクションであっても制限対象モデルは向こう1年間購入不可
③ 指定モデルの販売は日本在住者のみ
この購入制限によって、購入時には運転免許証やマイナンバーカードと言った、顔写真付きの身分証明書が必須となりました。また、購入者情報は全国のロレックス正規店・正規代理店で共有されることになります。さらに一連の制限に関する同意書への同意・署名が求められます。ただし、指定モデル以外の製品に関しては、身分証明書の提示は必要ありません。さらに言うとたとえ制限対象モデルを購入していても、家族や友人を連れていき、ご本人とは別の身分証明書とその持ち主を連れていけば購入できる場合があります(逆にプレゼント目的の場合も、贈る予定の方を一緒に連れてくる必要があります)。もちろん全てのケースにおいて「在庫があれば」という前提付きです。
購入制限が設けられた背景
ロレックス人気は世界的に続いており、需要に供給が追い付いていないのが現状です。高額な時計でありながら、購入希望者はあとを絶たず、在庫を求めてロレックスの店舗に毎日通う「ロレックスマラソン」という言葉も存在します。ロレックスは市場価値を落とさないため、新品の流通量を抑えています。そのため、正規の値段で新品を入手できる機会は非常に少なくなっているのです。しかし、どれだけ高くてもロレックスが欲しいという人も多く、定価で購入したロレックスを転売して利益を上げる、いわゆる「転売屋」も増えています。そこで、定価でロレックスを購入できるチャンスを増やすため、購入制限を設けたとされています。
【購入制限対象モデル一部紹介】
① コスモグラフデイトナ 116500 ブラック/ホワイトダイヤル
② サブマリーナ 124060 ブラックダイヤル
③ サブマリーナデイト 126610 ブラックダイヤル ブラックベゼル
④ サブマリーナデイト 126610 ブラックダイヤル グリーンベゼル
⑤ GMTマスターⅡ 126710 ブラックダイヤル ブラック&ブルーベゼル/ブルー&レッド5.ベゼル ・シードゥエラー 126600 ブラックダイヤル
⑥ ディープシー 126660 ブラック/D-ブルーダイアル
⑦ エクスプローラーⅠ 124270 ブラックダイヤル
⑧ エクスプローラーⅡ 226570 ホワイトダイヤル
⑨ エクスプローラーⅡ 226570 ブラックダイヤル
購入制限対象外で高騰しているロレックス8選
① デイトナ全般
基本的に、現在の購入制限対象はステンレススティール製モデルです。そのため、現段階では金無垢やゴールド×ステンレススティールのコンビ(ロレゾール)モデルは対象とはならず、制度上はモノさえあれば正規店を変えて何度でも購入可能です。しかしながら、時計のリセールバリューに価値を置く方々にとっては、SS以外のデイトナも狙い目です。なぜなら、ほぼ全ての現行デイトナは定価を大きく超えるプレミア価格を築いているためです。ただし、今後購入制限がかかるモデルになる可能性が高いという話も出ています。
② GMTマスターII ピンクロレゾール 126711CHNR
③ GMTマスターII エバーローズゴールド 126715CHNR
同じくGMTマスターIIの、オールエバーローズゴールドモデルです。SSやコンビに比べると大幅に高騰しているわけではありません。とは言えまだ販売開始から2年ほどと言うこともあり、流通量は少なめとなります。並行輸入店にもなかなか入荷してきません。
④ サブマリーナ デイト 126613LN/126613LB
⑤ ミルガウス 116400GV
高い耐磁性能をコンセプトとしたコレクションです。
⑥ エアキング 116900
ミルガウスが生産終了あるいはモデルチェンジになった時、一蓮托生なのは現行エアキング 116900です。
⑦ スカイドゥエラー 326934
購入制限対象外モデルで最も正規店での入手が難しいのでは・・・そんな風に囁かれているモデルが、スカイドゥエラーです。
⑧ デイトジャスト41 126300他
デイトジャストの最大サイズ「40mm」モデルです。
高騰していた理由とは
様々な理由があげられますが、代表的に分かる理由をポイントにまとめてみました。
・コロナ渦影響により生産国であるスイスの工場が閉鎖
・供給が減少しているのにも関わらず、需要が高騰してしまっている
・コロナの影響により海外業者から並行輸入業者が仕入れできない状態
・魅力的なバリエーションの展開
・購入制限による限定意識の需要の拡大
2022年3月から高騰が落ち着き今後
2021年7月頃から一部モデルの買取相場が下がりつつあります。ロレックス相場は過去そうであったようにアップダウンを繰り返しており、それは春先の新作発表後に顕著です。しかしながら今回の下落兆候はどうも「上がりすぎた反動」も大きい予感です。今後、ロレックスの買取相場が下落するのか又は、再び上昇に乗っていくのかはまだわかりません。但し、「買取相場が下がり傾向にある」ロレックスについてお話しましたが、それは一部です。上がり続けているモデルは少なくありません。
最後に
令和から遡り、平成・昭和とそれぞれの時代にロレックスにおける定価はかなり変動がみられました。約40年や50年程前の金額だけ見てみると凄く安いです。例えば、エクスプローラーⅠですと、令和2年は約68万に対して昭和50年は約19万です。この時代の大卒の初任給は8.9万なので、当時の景気・物価・貨幣価値を考えると決して安くありません。実際は今よりも高く、本当に富裕層しか購入できない趣向品の代表格ともいえるでしょう。当時の印象は「ロレックス=お金持ち象徴」であり今現在では「ロレックス=購入したくても品自体が置いてない」状態です。長いながれで見てみると景気に左右されない確立しているブランドといえるでしょう。もし、売却検討されている場合は当社へご相談下さい。