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ロレックスの名前の由来
「ロレックス(ROLEX)」という単語は、創業者であるハンス・ウィルスドルフ氏の造語です。その名前の由来について、実は公式発表がされていません。
①フランス語「horlogerie exquise(卓越した時計製造技術)」の言葉遊び
②英語のロールとエクセレントを掛け合わせた
③英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語など、どの国の言葉でも発音しやすい
このように、さまざまな説があります。名前の由来がなんであれ、ロレックスは世界中で人々の記憶に残るブランドとなりました。
ロレックスの王冠ロゴマークの由来
皆さまご存じの通り、ロレックスのロゴマークといえば王冠のマークが有名です。ロレックスのマークを「オイスターマーク」といいます。ではこの王冠マークの由来はどこからきているのでしょう。
名前の由来はロレックス「オイスター」
1926年、ロレックスは世界初となる防水腕時計を発表し、「ロレックス・オイスター」と名づけました。オイスターマークという名前の由来はそこからきています。
「オイスター(oyster)」は二枚貝である牡蠣を意味します。ロレックスの創業者であるハンス・ウイルスドルフ氏は「牡蠣のように部品を守りながら、水中で時間を気にせずに過ごす」という意味を込めました。
水中でも頑丈で耐久性のある時計を目指すため「オイスター」という名前が選ばれ、ロレックスのシンボルとなります。
ロレックスの王冠マークに込められた想い
1931年に登場したロレックスの王冠マークには、品質、精密さ、信頼性といった価値が込められています。王冠のモチーフが選ばれた理由は、公表されていませんが2つの説が有力です。
ひとつは「時計の王様」であることです。王冠がロレックスを最高の品質であると象徴し、時計産業のトップに立つという決意を表しています。
もうひとつは「時計職人の指」を表しているという説です。これは同社の職人への敬意を表していると言われています。
ロレックスの王冠マークには様々な種類がある
ロレックスのリューズには王冠マークが描かれていますが、モデルによっては王冠マークの下に「-」や「・」など装飾が刻まれています。
これは主にリューズの構造や時計の素材を意味しており、基本的な種類は5通りで、装飾なしのものはアンティークのロレックスに多く見られます。
一部のモデルには「+」や「ROLEX OYSTER」が刻まれているものもあります。
「-」 | ステンレス |
「・」 | プラチナ |
「・・」 | ツインロック式リューズ |
「・・・」 | トリプルロック式リューズ |
ロレックスに採用されている王冠透かしマーク
ロレックスのガラスには、6時位置に王冠マークの透かしが入っていることはご存じですか。とても薄く小さいため肉眼で確認することは難しいでしょう。では、この透かし王冠マークはいつ頃から登場したのでしょうか。
王冠透かしマークは1999年から採用
王冠の透かしマークが採用されたのは、1999年です。当初は「ヨットマスター・ロレジウム」のみに採用されていました。2000年には新型の「デイトナ」、翌年には「サブマリーナ・ノンデイト」、「エクスプローラーI」、「エアキング」などの、Cal.3130ムーブメントが搭載されているモデルに採用されています。
その後も、少しずつ王冠透かしマークを採用したモデルが増えていきます。2003年には、ほぼ全てのモデルにこの王冠の透かしマークが採用されました。
王冠透かしマークは偽造品対策
ロレックスの王冠透かしマークは、単にデザインという訳ではなく、偽造品対策として重要な役割を果たしています。ロレックスガラスには「サファイアクリスタル」という素材を使用しています。
サファイアクリスタルはダイヤモンドに次ぐ硬度を持つため、加工が難しい素材です。透かしの濃さなど細部にこだわったデザインを施すとなると、高度な技術が必要となってきます。王冠の透かしマークは、真贋の見極めのポイントになるでしょう。
王冠透かしマークが採用されていないモデルもある
王冠の透かしマークは、1999年から徐々に採用され現在に至ります。そのため1999年より前のモデルは透かしマークが入っていません。
また近年のモデルでも、部品交換などの特殊なケースを除けば、王冠の透かしマークが入っていないものもあります。例えば、グリーンのサファイアガラスを用いた「ミルガウス 」です。ガラスが非常に硬い素材なので、加工が難しいからではないかと言われています。
ロレックスの王冠透かしマークの確認方法
王冠の透かしマークはガラスの6時位置にありますが、腕につけた状態で確認することはほぼ無理でしょう。ではどのように確認したらいいのでしょうか。
肉眼だけではほとんど確認できない
ロレックスの王冠透かしマークは、模造品対策と言われているだけにあって、非常に小さく、細かいデザインが施されています。そのため肉眼ではほぼ見えません。
確認する方法は「ルーペ」を使用することです。ルーペで見てやっと確認できるくらいなので、高い倍率を選んでください。また見つけたとしても、本物と偽物を見分けるのは非常に難しいでしょう。
角度を変え反射を利用すると見つけやすい
王冠透かしマークはガラスに刻まれているので、傷を探すようにライトを当て、角度を工夫して見る必要があります。ルーペを使用しても正面からではほぼ見えません。
ポイントは斜めから見ることです。特に文字盤の色が白や青、シルバーなどのモデルはさらに見つけにくく、どうしても見つからない場合は12時側から斜めに覗き込むようにして見ると見つけやすいでしょう。
ロレックスの王冠透かしマークで偽物を判断するポイント
王冠の透かしマークは「ルーペ」を使用してやっと確認できるくらいなので、肉眼で見えるものは本物でない可能性があります。他にも真贋を判断するポイントをまとめましたのでご紹介します。
王冠マークとROLEXの文字間隔やフォントが異なる
文字盤のフォントや王冠マークは、偽物を見分けるポイントです。本物は熟練の職人によって丁寧に仕上げられ、細部にまでこだわりが見られます。そのため、文字盤のフォントや王冠マークには微妙な違いがあります。
例えば、「ROLEX」の「O」のフォントです。本物は上下の幅が左右の幅に比べると狭くなっています。一方、偽物は上下左右の太さが均一になっているものが多いです。
また、王冠マークも本物は細部まで美しいデザインが施されており、5本の突起部分も先端に行くほどバランスが保たれています。一方、偽物は均一だったり不自然な箇所が見られます。
肉眼で確認しにくい王冠透かしマークは、デザインが新旧と二種類あるようなので注意が必要です。
そもそも王冠透かしマークがない
王冠透かしマークは1999年から登場したため、マーク自体がないモデルもあります。また、1999年以降のモデルであっても、例えばグリーンのサファイアガラスを用いた「ミルガウス」にはマークがありません。
肉眼では見えにくいため、文字盤が青い「ディープシー ディーブルー」は確認するのが難しいでしょう。「マークがないから偽物?」と勘違いしてしまうかもしれません。マークがあるモデルと、マークのないモデルの知識が大切です。
まとめ
今回はロレックスの王冠マークに焦点を当ててみました。ルーペで角度を調整してやっと確認できる「王冠の透かしマーク」ですが、どれほど精巧に作られているのでしょう。ぜひ本物をご自身の目で確認してください。