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ロレックスの傷を研磨すると輝きを取り戻す
腕時計は時間を確認するだけでなく、ファッションアイテムとしての役割も持つため、その美しさを保つことが重要です。
研磨とは、時計の表面を美しくするために行う作業です。高級時計であるロレックスについた傷も、研磨を施すことで新品のような輝きを取り戻します。
研磨を繰り返すと形状に影響が出ることもありますが、ロレックスは精密にデザインされているため、その点も考慮して設計されています。
研磨はロレックス社への依頼が安心
ロレックスウォッチの研磨は、ロレックス社に依頼するのが最も安心です。
他修理業者でも研磨をおこなっていますが、純正部品を使用した修理やメンテナンスが保証されるため、その価値を損なわないでしょう。
ロレックス社のメンテナンス内容
ロレックス社では、熟練の専門技師が時計を分解し、洗浄・検査・調整・研磨を行います。
また、故障箇所のチェックも行うため、傷のケアだけでなく、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
外装メンテナンスには特にこだわっているため、ブレスレットやケースの傷を丁寧に研磨し、各パーツを洗浄します。メンテナンスが必要な箇所を均一に仕上げるため、自然で美しい仕上がりになるのです。
ロレックス社のメンテナンス料金や納期
ロレックス社のメンテナンスであるオーバーホールですが、その費用は約6〜10万円です。モデルや劣化具合によっては、10万円を超える場合もあります。
また、2023年3月にはロレックスの価格上昇に伴い、オーバーホールの料金も値上げされています。
時計専門店や修理業者で研磨のみを依頼することも可能ですが、数年使用しているならロレックス社で総点検することをおすすめします。
オーバーホールは一ヶ月半〜二ヶ月ほどかかります。モデルやパーツの在庫状況にも左右されるため、納期が気になる場合は、依頼前にサービスセンターに問い合わせてください。
ロレックス社で研磨するメリット
ロレックス社では、購入から十年以内にオーバーホールすることを推奨しています。
全てのパーツを対象としているオーバーホールでは、劣化したパーツは交換され、ムーブメントには潤滑油が追加されます。ヘアライン仕上げを保ったまま研磨されるので、新品同様の輝きを取り戻します。
完了後には国際証明書が発行され、修理箇所は二年間保証されます。安心と良質なサービスを受けられるので、料金は高めですが、コストを惜しんで他修理業者へ依頼するよりもメリットがあるでしょう。
希望を出せば研磨をしないことも可能
オーバーホールの際、研磨をしないことも可能です。何度もオーバーホールをしていれば、その都度研磨することに抵抗を感じる方もいるでしょう。
ロレックス社では、点検したうえで必要なメンテナンスを案内してくれます。もし研磨に抵抗があるなら、オーバーホールの際に希望しないことを伝えれば、要望に沿った対応をしてもらえます。
また、傷がある箇所によっては、研磨ではなくパーツの交換になることもあります。特に、文字が入ったベゼルや刻印のある部分は、交換になる可能性が高いでしょう。
ロレックスは自分で研磨できる?
ロレックスに擦り傷がついた場合、小さな傷なら自分で研磨できないかと考える方もいるはずです。実際、「時計」「研磨」などで検索すると、さまざまなセルフメンテナンスの方法が見つかります。
自分でできないことはない
代表的なセルフメンテナンス方法といえば、耐水ペーパーと金属研磨剤を使った研磨です。
サンドペーパーの一種である耐水ペーパーは、使用時に水をつけて研磨する道具です。目の細かさは#1000〜#1500番を選び、擦り傷を磨いた後、コンパウンドなどの金属研磨剤を布につけて拭きます。また、スポンジ研磨材を使う方法もあるようです。
ただし、これらの方法は軽い擦り傷にしか適用できません。所持しているロレックスウォッチに、もっとも適した研磨方法を選ぶことが重要です。
プロに任せるほうが無難
ロレックスの研磨には、そのモデルごとに適した方法があります。基本的に適しているのは「鏡面仕上げ(ポリッシュ仕上げ)」です。
一方、マットな質感であればつや消しの研磨技術の「ヘアライン仕上げ」が用いられています。そのほかには、深い傷に用いられる「外装仕上げ」があります。
ロレックスのような高級時計は、高度な専門技術が必要です。自分で試みて失敗すれば、ロレックスの価値を損なう可能性があります。軽微な傷以外は、プロのメンテナンスを依頼した方が無難でしょう。
自分でロレックスを磨く方法
では、一般的なホームセンターで手に入る道具だけで、どこまでロレックスを美しくできるのでしょうか。自分で磨く際のポイントも合わせてご紹介します。
準備するもの
・サンエーパール(または、粗くないクリーム状の研磨剤)
・ヘッドの小さな歯ブラシ(子ども用など)
・ナイロン研磨シート(耐水ペーパーなど)
・バネ棒外し
これらは、ホームセンターや百円均一ショップ、ネットショップでも購入ができます。
ナイロン研磨シートは、キッチン用のナイロンたわしで代用できます。また、Tシャツ地などの柔らかい布があれば、傷をつけずに磨けます。
他に、マスキングテープやセロハンテープがあれば、削りたくない部分を保護することができるでしょう。
手順➀ヘッドとブレスレットを外す
時計のヘッドとブレスレットを外すには、バネ棒外しを使います。
バネ棒外しにはI型とY型がありますが、Y字型側を使い、先端をブレスレットとヘッドとの隙間に挿入します。
ブレスレットの裏側からY型の先端を隙間に引っ掛け、軽く押し込みます。片側が外れれば、もう片方も自然に外せます。
また、ロレックスの一部モデルにはヘッド側に穴があり、その場合はI型を穴に押し入れて外します。
手順➁ブレスレットを磨く
ブレスレットはナイロン研磨シートを使い、縦線に沿ってまっすぐ磨きます。
ヘアライン仕上げのブレスレットは線傷をつけることで古い傷も削れますが、0.0何mmの薄い研磨では深い傷は消せません。
バックルを中心に12時側、6時側のコマ、およびバックル部分の三箇所を各5分ほど磨きます。コツは縦にまっすぐ擦ることです。
自信がない場合はテープでマスキングし、少しずつ磨くと良いでしょう。サイド部分など、鏡面仕上げである場合は磨かないように注意してください。
手順➂ヘッドを磨く
次に、ヘッドを磨きます。鏡面仕上げの部分は、粗い研磨材だと傷がつく可能性があるため、サンエーパールなどクリーム状の研磨剤を用いて少しずつ磨きます。
ティッシュにクリームを少量つけて擦ると、ティッシュが黒くなります。これは、しっかり磨けている証拠です。鏡面部分を一時間ほど地道に磨くと、綺麗に仕上がりますが、手が痺れることがあります。
手順④歯ブラシで仕上げる
最後の仕上げとして、子ども用など小さな歯ブラシを使い、ブレスレットやヘッドの隅々に付着した研磨材や皮脂汚れを水で洗い流します。
食器用洗剤を使ってステンレス製のスプーンを洗うのと同様に、しっかり泡立てながら磨きます。
その際、水が入らないように「リューズがしっかり閉まっている」ことを確認してください。隙間から水や洗剤が入り故障の原因になるからです。
洗い流したらやわらかな布で、水分を拭き取りましょう。
自分でロレックスを研磨する時の注意点
自分で研磨すると、ロレックスが持つ本来の仕上げを崩す可能性があります。外観に影響を与えることもあるため、自己責任で行いましょう。
風防周りを磨くときはマスキング保護する
研磨する際は、削りすぎに注意しましょう。特に、腕時計の文字盤を覆うガラス面のである風防周りを磨く際は、マスキングで保護してください。
一般的に、市販の研磨剤と紙やすりを使用して磨きますが、細かい部分の研磨が難しく、傷がある部分以外も削ってしまう可能性があります。
また、力加減を誤ると外観を損なう恐れがあるため、傷がつかないように気をつけましょう。
研磨剤の取り扱いに注意する
リューズ部分や、ケースと風防の隙間に研磨剤が入り込むと、内部ムーブメントに悪影響を及ぼす恐れがあります。
その結果、修理やオーバーホールが必要になり、結果的にコストがかさんでしまうこともあるため、自分での研磨は慎重に行いましょう。
自分で難しい部分はプロに任せる
自分で研磨するということは、ロレックス社の高度な技術による、オリジナルの仕上げを崩すことを意味します。
腕時計の外装には「鏡面仕上げ(ポリッシュ)」や「ヘアライン仕上げ(つや消し)」など、さまざまな研磨技術が施されています。
特にヘアライン仕上げは、本来の仕上げが復元できなくなる恐れがあるため、プロに任せた方が安心です。
ロレックスを研磨しすぎると価値が落ちる可能性も!
ロレックスは研磨をすれば、細かくついた小傷や使用感が消え、新品同様の輝きを取り戻します。
しかし、研磨を繰り返すとケースやブレスレットの厚みが薄くなり、強度が低下することがあります。そのため、中古市場での価値が下がる可能性があります。
ロレックスは経済情勢の変化がない限り、その価値が急落することは少なく、資産としても優れています。現在の価値を損なわないよう、大切に愛用してください。
ロレックスに傷をつけないよう日頃から意識しよう
ロレックスに傷がつく主な原因は、落下や衝撃です。硬い物にぶつかると、たとえ頑丈な時計でも大きな傷や凹みが生じることがあります。
腕に着ける際も、強い衝撃を避けるよう心がけましょう。取り扱いには細心の注意が必要で、時計を触る頻度を減らし、湿気や紫外線を避けて保管してください。
また、時計を外す際は落下しないよう注意し、柔らかい場所に置く習慣をつけましょう。
長袖の服を着用することで、時計が硬い物に直接当たるのを防ぎ、汗をかきやすい時期にはブレスレットを拭いておくこともおすすめです。
まとめ
ロレックスの研磨に関する詳しい情報や磨き方、メンテナンスの料金などをご紹介しました。
高級時計の研磨をいかに行うべきかは、慎重にジャッジするべきでしょう。適切な方法を選び、美しさと資産価値を保つことが重要です。