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ロレックスは5つのタイプに分類できる
誰もが知っているロレックスですが、人気、知名度、ともに腕時計ブランドの中で最上級であることは紛れもない事実です。
① クロノグラフ
クロノグラフの誕生に関しては諸説ありますが、腕時計のクロノグラフは、第1次世界大戦の最中である1900年代の前半にブライトリングによって開発されたといわれています。
その後、第2次世界大戦を経て航空網が発達することでクロノグラフも進化しました。速度や燃料消費の計算ができるタキメーターや回転計算尺を装備した、現代に通じるクロノグラフが完成しました。
② 3針モデル
見た目のインパクトでクロノグラフやGMT、ワールドタイマーなどに目が行きがちですが、やはり機械式腕時計の基本は時針、分針、秒針を搭載したスタンダードな3針モデルは、何年経っても飽きのこないクオリティの高いモデルが多く、シンプルだからこそ、逆にロレックスの個性が高い次元で表現されています。
基本になるデザインは主に2種類あります。最も一般的な時針、分針、秒針を搭載したタイプと、秒針をなくした2針タイプです。見かけることの少ない2針は、3針に比べてもさらにすっきりとした印象が強いので、デザインを重視したファッションブランドの時計や、高級な宝飾時計に見られることが多くあります。
③ ダイバーズ
ダイバーズウォッチは一般的に200メートル以上の防水性能を持つことが前提です。逆回転防止機能の付いた回転ベゼルを搭載し、水の侵入を防ぐねじ込み式リューズを装備しているタイプが最もベーシックなモデルとして知られています。
スポーツでダイビングを楽しむ人向けのものから、ロレックスのシードゥエラーのように1220メートルという驚異的な防水性能をもつプロ仕様のモデルまで幅広いアイテムがリリースされています。
④ GMTモデル
GMTモデルとは、専用のGMT針を使用して第2時間帯を表示する機構を搭載したモデルのことです。一度、時差を確認してGMT針で第2時間帯をセットすれば、通常の時分針と連動して常に現在時刻を表示してくれるので、海外に渡航した際に非常に便利です。本国との連絡を取るときや、日本で海外との連絡をとる場合などに大活躍します。
国と国が地続きで、電車での移動で時差が変わることもある海外に比べると、さすがに日本での使用頻度は低いかもしれないが、インターネットにより海外とのやりとりが増えた現代では、意外に重宝する機能といえるでしょう。
⑤ カレンダーモデル
カレンダー機能の一番スタンダードなものは、文字盤上に日付表示用の小窓を搭載し、日付を記載したディスクで表示するタイプです。現在ではとんどのモデルに搭載されています。実際に日常生活で使用してみると意外なほど役に立つ機能です。何か書類に日付を記入するときなど、この機能があるとすぐに日付が確認できてかなり便利です。
さらに機能を進化させ、日付と曜日を表示するデイデイト搭載モデルであれば、なお便利なことは間違いありません。また、日付と曜日表示にさらに月表示機能を加え、月、曜日、日付を文字盤上で同時に表示することができるトリプルカレンダーモデルもあります。
このトリプルカレンダーに関しては、実用性の高さという点もさることながら、機械式腕時計ならではの複雑でメカニカルな文字盤のデザインも大きな魅力となっています。
ロレックスの代表的なモデル
サブマリーナー
1953年に誕生した世界初のダイバーズウォッチ、サブマリーナーは、ダイビングツールとしての基本デザインを確立し、長い歳月の中で熟成を重ねダイバーズウォッチの代名詞的なモデルへと成長しました。
ロレックスを代表する人気モデルであり、現在もスポーツロレックスの中で1位、2位を争うセールスを誇ります。また、他のスポーツモデルと比べて非常に多くのリファレンスが存在し、「赤サブ」や「軍サブ」、「Wネーム」といったヴィンテージロレックスの中でも極めて希少性の高いモデルが数多く存在し、コレクターズアイテムとなっています。
デイトジャスト
ロレックスの中でも圧倒的な知名度を誇るスタンダードモデル「デイトジャスト」は、1945年に「オイスターケース」、「パーペチュアル機構」、さらにダイヤルの3時位置にデイト表示を備えた世界初の画期的な腕時計として登場しました。
1955年には、デイト表示が瞬時に切り替わる「デイトジャスト機構」を搭載し、「ロレックス3大発明」の全てが集約されました。ダイヤル、素材、サイズのバリエーションは、他のモデルと比べ数多く存在し、両方向の回転ベゼルを搭載した特別仕様の「サンダーバード」や「ターノグラフ」も存在します。
また、レディース、ボーイズサイズの展開もありペアウォッチとしてや、個性を演出出来るモデルとして世界的に愛されており、ロレックスの中で最も所有率が高いモデルでもあります。
デイデイト
ロレックスの最高峰モデルであるデイデイトは、1956年に誕生しました。当時のアメリカ大統領アイゼンハワー氏に送られた事をきっかけに、装着されるブレスレットは「プレジデントブレス」と呼ばれています。
ステンレスモデルが存在しないデイデイトは、プラチナ・ホワイトゴールド・イエローゴールド・ピンクゴールドの4つの素材のみが使用されるハイクラスモデルとなり、ロレックスユーザーの憧れのモデルとなっています。また、12時位置にはデイデイトで最も特徴的な曜日表記が備わり、26ヶ国からなる言語が選択可能です。
さらにリューズの形状もプラチナモデルはドットが1つ、その他モデルにはドットが2つとなり、デイデイトにしか存在しない特別な仕様となっています。
ロレックスの中でも特別なモデルとなっているデイデイトは、様々なバリエーションが存在するのも嬉しいポイントで、私たちの目を常に楽しませてくれるモデルです。
エアキング
歴史あるロレックスの中で、当時はモデル名の他にペットネームと呼ばれる愛称が名づけられていました。数あるロレックスモデルの中でも、現存している最古のペットネームをもつ『Air-King』、ロレックスの数あるバリエーションの中では、比較的低価格で展開されている事、またデイト表示が無く操作もシンプルな事から、ロレックス入門モデルとして紹介される事が多いです。
2007年のモデルチェンジ以降はダイヤルバリエーションが大幅に増え、またベゼルバリエーションもシンプルなドーム型とエンジンターンドが展開される他、18Kホワイトゴールド製のフルーテッドなどが存在し、幅広いラインナップから選択できるのも魅力です。
同時にクロノメーター取得のムーブメントを搭載しているが、モデルチェンジ前と市場相場に大きな変動はなく、手頃感は変わらずというのが非常に嬉しいモデルです。
しかし、2014年のマイナーチェンジにより全てのダイヤルから「Air-king」ロゴが消え、エアキングシリーズが一時的な生産終了を迎えます。
2016年、ロレックス最古のペットネームモデルとして、多くのロレックスファンから愛されたエアキングが、デザイン・サイズ・機能面において新たにブラッシュアップされ復活を果たします。
エクスプローラーI
人類未踏の地へチャレンジする探検家(エクスプローラー)のために開発されたモデルです。初代より一貫したカレンダーさえ持たない究極のシンプルデザインは、いつの時代も多くのユーザーから愛され、エクスプローラーI のアイデンティティとなっています。
そのシンプルさから、TPOを選ばず幅広いシーンで着用でき、幅広い年齢層のユーザーから高い支持を獲得しています。また、1960年~1989年に製造されたRef.1016は、アンティーク・エクスプローラーIの傑作と評され、現在もデイリーユース可能な実用時計として人気を博しています。
エクスプローラーII
機能性と堅牢性を高めたエクスプローラーIの上位機種「エクスプローラーII」ですが、昼夜の区別をするため24時間針が備えられ、2代目より第2時間帯を同時に表示可能なGMT機構を搭載しています。その機能性と刷新されたスマートなデザインは、ビジネスパーソンからの高い支持を獲得し、ロレックスを代表する人気モデルとなります。
エクスプローラーIIに注目が集まったことによりファーストモデルもフォーカスされ、そのデザインと流通量の少なさからプレミア化が進行、誕生40周年となる2011年には、初代だけの斬新なデザインが復活し人気を博しています。
シードゥエラー
サブマリーナーの上位機種として誕生したプロスペック・ダイバーズですが、海の居住者を意味する「シードゥエラー」とネーミングされたプロダイバーのためのツールであり、ケースサイドには飽和潜水時に自動でヘリウムガスを排出する特殊機構「ヘリウムガスエスケープバルブ」が装備されています。
また、ロレックス市場でも常に中心となる人気モデルで、希少性の高い「赤シード」や「レイル文字盤」、「COMEX」などレア・ヴィンテージは高値で取り引きされています。
GMTマスター
ロレックスがパン・アメリカン航空の国際線パイロットのために開発したGMTマスターは、異なる場所の時刻を把握できる機能を備えたロレックス唯一のパイロットウォッチです。GMTマスターには、GMTマスターIとIIの2つの系譜があり、「GMTマスターI」は異なる2つの時刻を把握可能であり、「GMTマスターII」は最大3つのタイムゾーンを把握することが可能です。(GMTマスターIは1999年に廃盤)
GMTマスターは、エクスプローラーやサブマリーナーほどの人気を獲得していなかったが、2007年のステイタス性を押し出したモデルチェンジを機に現行モデルを代表する人気スポーツモデルとなりました。この人気が引き金となり、旧型、ヴィンテージモデルともに再注目され、特に鮮やかなカラーリングの2トーンベゼルに人気が集中しています。
スカイドゥエラー
ロレックス史上最高の複雑機構が搭載されたスカイドゥエラーは、42mm径のケースの中に2タイムゾーンと年次カレンダー機構を組み入れたムーブメントを搭載したモデルで、世界中を旅する旅行者や、世界を相手にビジネスを展開する人向けに造られた時計です。
スカイドゥエラーには、古代ギリシャの天文現象からインスピレーションを受けて開発された、サロスシステムと呼ばれる、ロレックスが開発した年次カレンダーが搭載されています。複雑機構の時計は、ムーブメントの構造がよりシンプルであればあるほど、堅牢性、メンテナンス性が上昇します。このサロス年次カレンダーのシンプルなつくりは他のブランドには類を見ないシンプルさです。
ヨットマスターIIのベゼルとムーブメントが連動する接続機構が更に進化を遂げ、リングコマンドシステムと呼ばれる、ベゼル、リューズ、歯車の連動により、日付、ローカルタイム、ホームタイムの変更が出来るようになった事により、複雑時計でありながら、操作は非常にシンプルです。
24時間表記は文字盤中央の赤い▽マークで表記され、月はインデックス外周の小窓の色で表されており、極めて洗練、且つ、スタイリッシュさは他社の追随を許さない完成度です。ロレックスの考え抜かれた堅牢性、メンテナンス性が実現し、さらに操作性、デザイン性への飽くなき開発意欲が体現したモデルといえるでしょう。現在は金無垢モデルのみとなっています。
デイトナ
「KING OF ROLEX」と名高い、ロレックス唯一のクロノグラフ、デイトナは、エクスプローラーやサブマリーナーなど様々なラインナップがある中、このデイトナの人気の高さはここ十数年衰えを知りません。日本はもとより、ヨーロッパやアメリカなど海外においても、デイトナ人気は絶大で、現在生産されている現行モデルよりも、むしろ生産が終了した60年代~70年代のヴィンテージモデルの市場価格の高騰がすさまじい状況です。
ヴィンテージモデルの中でも特に注目は、「エキゾチックダイヤル」と呼ばれる超レアモデルの存在です。俳優であり、レーサーでもあった故ポール・ニューマンが愛用したことから「ポールニューマンダイヤル」とも呼ばれています。市場ではプレミアム価格として数千万円、パーツやコンディションによっては1億円を超える価格がつけられています。
まとめ
ロレックスを代表的なモデル、歴史を紹介してきました。ロレックスのスポーツモデルは、ラインナップの多くが定価を上回る価格で取引されて、かなり高い金額で取引されています。今回紹介したモデルの中から、自身のお気に入りのモデルを見つけてみてください。