ROLEX1016の歴史を振り返る
現在のエクスプローラーの原型となったともいえるエクスプローラーI 3rdモデルRef.1016。約30年にも渡って製造された、エクスプローラーきってのロングセラーとなります。さらに言うとエクスプローラーの基本デザインを確立したモデルとしても有名です。また1016は生産時期と搭載ムーブメントの違いによって前期・後期モデルに分けられます。前期型はハック機能(リューズが引くと秒針がストップする機能のこと)無のCal.1560もしくはCal.1570を搭載した個体、そして後期型はハック機能有のCal.1570を搭載した個体となります。
さらに前期型には「初期」として分類される文字盤仕様があります。この初期文字盤は、Ref.6610で使われていたと言われるミラーダイアルがそのまま採用された仕様になっています。ミラーダイアルは1967年頃までロレックスで使われていましたが、マットダイアルへの移行期にあたる1967年前後、恐らく同一リファレンス内で併用されていたと思われます。なお、製造年が新しくハックという便利機能がついた後期型の方が人気は高い傾向にあります。この初期文字盤のミラーダイアルの中でも、キレイなブラウンに変色した「トロピカルブラウンダイアル」はファン垂涎のレア仕様としてきわめて高い相場での取引となり場合が多いです。
ROLEX1016の価格の推移について
多くのロレックスオーナーは自身の持つ時計の魅力と同じく資産としての価値も気になるところではないでしょうか。1016の発売時から今日までの価格の推移についてご紹介いたします。発売された1963年時点では定価114,500円と今と比べるとかなり気軽に購入できる金額にも見えますが何しろ50年以上前ですから大卒の初任給が2万円と言われていた時代ですのでそのころから誰もが気軽にとは言えない品物でした。さらに1980年頃にはすでに倍近い金額まで高騰していきました。現在ではコンディションやシリアル、付属品の有無によっても変わってきますが200万円以上の値にもなっています。
ROLEX1016を長持ちさせるために
非常に価格の高騰が起こっている為このチャンスに売却される方もいればまだまだ寝かせるもしくは使用してさらなる高騰を待つと言う方もいらっしゃると思います。しかし長く良いコンディションを保つためにはそれなりにお手入れ、オーバーホールが必要とされています。目安としては2年から3年に一度のペースと言われております。金額についてはまちまちではありますがアンティークという事でやはり部品交換や研磨などを考えるとある程度の金額はかかってくるのでいつか売却される際に今の価格とその時の価格を比べそれまでにメンテナンスで掛かった金額と比べ損をしていないかまだしばらくは手放さず置いておくという方は考えねばなりません。
まとめ
ロレックス1016は、ロレックス愛好家からもアンティーク品のコレクターからも、とくに人気のある魅力的なモデルです。今後の価格推移も気になりますがもちろん時計は精密機械ですのでまだ大事に持っておくという方はくれぐれもメンテナンスをお忘れなきようお気を付けください!