バーゼルワールドとは?
スイス北西部に位置し、ライン川が街を貫くバーゼル。
バーゼルで毎年3月から4月頃、約1週間をかけて開催される世界最大級の腕時計・宝飾品の見本市、バーゼルワールド。
有名時計ブランドが一堂に会しその年の新作を発表するこの展示会は、業者だけではなく多くのメディアや腕時計愛好家が待ち望み注目しています。
期間中は各国から1500を超える出展社が、そして関係者・一般客を合わせて毎年約15万人もがこの地を訪れ、その年の新作をチェックしたり商談を行ったりします。
その歴史は古く、1917年に同地で開かれたスイス産業展が始まりと言われます。
国内のさまざまな文物が集まって、見本市を行っていたそうです。
やがて腕時計・宝飾品の取扱いへと限定されていくなかで、国内からヨーロッパへ、そして世界中のあらゆるブランドが参加するようになりました。
最大級・最高峰と称される理由は、なんと言ってもその有名ブランドの参加数です。
日本からもセイコーやシチズン、カシオなどが参加しており、他のハイブランドに負けないクオリティの腕時計を毎年誕生させています。
バーゼルワールドとロレックス
バーゼルワールドにおいて、最も注目度の高いブランドのうちの一つがロレックスです。
毎年発表されるロレックスの新作時計は世界中の多くの人々が注目しています。
しかし2020年4月14日、ロレックス、パテック フィリップ、シャネル、ショパールとチューダーの5ブランドがバーゼルワールドを離脱しました。
5ブランドはFHH(高級時計財団)と共同で時計フェアを開催することを発表しています。
FHHは離脱の理由を「この離脱は、バーゼルワールドのマネジメント陣による、協議なしに行われた一方的な決定が引き起こしたもののひとつである。それは2021年1月までの時計ショーの延期も含まれており、それはブランドのニーズや期待に応えることができない」と回答しています。
対して、バーゼルワールドを運営するMCHグループは、同日に以下のように発表しています。
「MCHグループは、バーゼルワールドにおける主要な出展者たちのキャンセルに対して、非常な驚きと遺憾を覚えている。バーゼルワールド2020のやむを得ない延期に伴う新しいスケジュールは、主要な出展者たちと共同で決定されたものだった。その目的は、Covid-19に関わる処置に従って、時計業界で最も早く、最も適切なタイミングを見つけるためだった。現在『ジュネーブに移行』している企業(ロレックスを含む)は、2021年1月への延期を支持する旨を表明していた」
離脱を表明した5社はバーゼルワールドの中心的存在であり、とりわけロレックス(チューダー含む)、パテック フィリップ、ショパールの3社は、バーゼルワールドを支える通称「ビッグファイブ」(ほかはスウォッチ グループおよびLVMH グループ)の一角として大きな存在感を示していました。
5ブランドの離脱が確定すると、バーゼルワールドを運営するMCHグループは、約1億スイスフラン前後の減収が予想されています。
まとめ
今回はバーゼルワールドについて紹介させていただきました。
新型コロナウイルスの影響もあり開催中止が続いているバーゼルワールド。
今後どのような形で展開されていくのか注目です。