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ロレックスのさらに上?雲上ブランドとも言われる世界三大時計

ロレックスのさらに上?雲上ブランドとも言われる世界三大時計

高級時計と言えばロレックスが有名ですが、さらにその上をいく「世界三大時計」と呼ばれるブランドが存在します。それらのブランドはロレックスよりも歴史が深く、早くより時計精度の向上や複雑機構の完成など時計史における偉業を成し遂げたブランドです。今回はそんな世界三大時計ブランドを紹介します。

Patek Philippe パテック フィリップ

1839年、ポーランド出身の実業家アントワーヌ・パテックとチェコ出身の時計職人フランソワ・チャペックがジュネーブで時計製造会社「パテック・チャペック」を設立します。その後1844年に入社したジャン=アドリアン・フィリップが正式にパートナーとなります。そしてフランソワ・チャペックが退き、メゾンは「パテック フィリップ」という社名に改称します。1932年には高級文字盤メーカーを経営するシャルル&ジャン・スターンが会社を引き継ぎ、「パテック フィリップ SA」となります。なおパテック フィリップは、現在もスターン家によって経営されています。

当初から時計において革新的な技術力で際立っており、その技術力は万国博覧会での受賞や、数々の特許によっても裏付けられています。時計の複雑機構、特にチャイム機構の熟練した技術は業界随一の呼び声も高いです。そのためその名は早くから世界的に知られており、世界中の富裕層に向けたオーダーメイドの時計で人気を博しました。有名なものには、アメリカの実業家ヘンリー・グレイブスのために製作された、24個の複雑機構を備えた懐中時計があります。そんなメゾンの叡智を集約した「グランド・コンプリケーション」、シンプルでパテック フィリップのエレガンスを体現する「カラトラバ」、舷窓から着想されたモダンでミニマルなフォルムの「ノーチラス」など、さすがの名作揃いです。

またパテック フィリップは、創業当初より高品質の製品を提供することに強いこだわりを持っており、長年にわたって最高品質の時計の証といわれる、ジュネーヴシールを取得してきました。また2009年以降はこれを放棄し、時計の製造から販売までのすべての工程に適用されるさらに厳しい独自基準、「パテック フィリップ シール」を作成しました。

パテック フィリップはメゾンに息づく伝統技術を永続させており、創業以来のすべてのモデルの修理に対応できるといわれています。一方で最新技術も貪欲に吸収しており、シリコンなどの新素材も積極的に取り入れています。パテック フィリップはスイス連邦工科大学ローザンヌ校にマイクロおよびナノテクノロジーの研究部門を設立することにも関与しています。ジュネーブの中心部にあるパテック フィリップ ミュージアムは世界で最も豊富な個人コレクションの1つであり、時計製造の歴史を体感できる貴重な資料が集結しています。

Audemars Piguet オーデマ・ピゲ

オーデマ・ピゲは1875年にジュール=ルイ・オーデマとエドワード=オーギュスト・ピゲによって、スイス ジュラのジュウ渓谷の中心部にあるル ブラッシュに設立されました。若く進取の気性に富んだ彼らは、複雑機構(コンプリケーション)を備えた時計をはやくから製造し、精密機械の愛好家に高く評価されていました。彼らの決意、想像力、規律により、時計製造の偉大な歴史の中でこの会社の名前を確立することができました。有名なものは1899年に製作されたグランド・コンプリケーションの懐中時計です。すでにミニッツリピーター機構、独立したゴングに目覚まし時計、パーペチュアルカレンダー、デッドビートセコンド、ジャンピングセコンド(5分の1秒表示)、スプリットセコンドを搭載していました。コンプリケーションにおける躍進は続き、1915年、オーデマ ピゲは製造に6年を要した非常に複雑巧緻な15 個のコンプリケーション ウォッチを発表しました。1925年には厚さ1.32mmの世界で最も薄い時計を製作します。

1972年、オーデマ・ピゲの象徴的なモデル、ロイヤル オークが誕生します。デザインはジェラルド・ジェンタによるもので、彼はパテック フィリップのノーチラスを手掛けたデザイナーでもあります。スティール製スポーツウォッチをラグジュアリーに昇華したモデルで、今でもブランドのアイコンであり続けています。1986年、オーデマ・ピゲは、世界初の超薄型自動巻きトゥールビヨンを備えた、キャリバー2870を製造しました。

1992年、ロイヤルオーク誕生20周年を記念して、よりソリッドな表情をもつ「ロイヤル オーク オフショア」コレクションを発表します。2002には30周年を記念して、「ロイヤル オーク コンセプト」を発表します。そのフューチャリスティックな美学にもとづき、ケースの素材であるチタンや航空産業で使用される素材アラクライトなどを使用し、新たなムーブメント(キャリバー2896)を搭載しました。

2022年はロイヤルオーク誕生50周年という大きな節目の年でした。さらなるコンパクト化を実現し、デザインとしても映えるトゥールビヨン(あらゆる姿勢において腕時計の精度を保つ複雑機構)を備えた、新たなキャリバー2968を搭載しています。

Vacheron Constantin ヴァシュロン・コンスタンタン

ヴァシュロン・コンスタンタンは、1755年創業の世界で最も古い時計メーカーであり、260年以上にわたり時計を製造してきた、時計製造の歴史の一部と言っても過言ではないブランドです。スイス時計における厳格な品質基準であるジュネーブ・シールをもこえる最高品質の仕上げを施した時計は、メゾンの伝統に裏打ちされたノウハウを実証しています。

創業者ジャン=マルク・ヴァシュロンは24歳にして熟練した時計職人でした。彼の採用した、雇用契約書によって弟子を雇用する後継者育成システムは、当時の時計界おいて画期的であり、早くから技術の後継がシステム化されたことは、ブランドの伝統が後世に連綿と受け継がれていくことを可能としました。ヴァシュロン・コンスタンタンの時計職人は18世紀の時計職人を意味する「キャビノティエ(アトリエが屋根裏“キャビネ”であったことから)」と呼ばれ、当時からの伝統を今も受け継がれていることが感じられます。

1819年、創設者の孫であるジャック=バルテルミー・ヴァシュロンとフランソワ・コンスタンタンによって「ヴァシュロン・コンスタンタン」と改称されます。ヴァシュロン・コンスタンタンは、有名なパンタグラフを含む数多くの革新的な機械を発明します。パンタグラフは、初めて時計のムーヴメントの構成パーツを完全に複製することを可能にし、時計製造における品質と作業効率を大幅に高めました。この発明はブランドを躍進させ、スイスの時計製造全体にも革命をもたらします。1875年ヴァシュロン・コンスタンタンは、ケ・デ・ムーラン(ケ・デ・リル)に本拠地を移動します。この当時に建設された建物は、今日「ラ・メゾン」として知られる歴史的な本社となっています。このころから、ヴァシュロン・コンスタンタンのロゴには、精密さの象徴である「マルタ十字」が描かれるようになります。スポーティエレガントを体現する「オーバーシーズ」や、シンプルでタイムレスなマスターピース「パトリモニー」、2世紀以上深遠なアーカイブにオマージュをささげた温故知新コレクション「ヒストリーク」など、個性と洗練が共存したモデルが展開されています。また、複雑機構をいち早く取り入れてきたマニュファクチュールの一つであり、2015年には57ものコンプリケーションを搭載した「Reference 57260」という驚異の超絶技巧の結晶が誕生しました。

まとめ

パテック フィリップ、オーデマ・ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンは世界三大時計と言われる、名実ともに世界で最も崇高な時計ブランドです。長い歴史の中で培われ、時計製造技術の粋を集結したコンプリケーションと、それを実現できる職人技が体現する名作時計の数々は人間の叡智の結晶ともいうべきものたちです。

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