ドイツ高級時計といえば A.ランゲ&ゾーネ
創業者はドイツの著名時計職人にもとで時計づくりを学び、ザクセン時計産業の礎を築いたフェルナンド・アドルフ・ランゲ(Ferdinand Adolph Lange)です。イギリスやスイスで学び1840年にドイツへと帰国したフェルナンド・アドルフ・ランゲは、貧しいエルツ産地に時計産業を確立するために工房を設立することを決意します。ゼクセン政府に支援を訴え続け、1845年についに地域振興事業の計画に承認を得られたランゲは工房を創設します。これがA.ランゲ&ゾーネの誕生です。ドイツの東西冷戦による影響でブランドは消滅しますが、1989年のベルリンの壁崩壊で東西が再び統一すると、その翌年、フェルナンド・アドルフ・ランゲの曾孫にあたるウォルター・ランゲがブランドを再開します。
ブランドの再開からわずか20年でA.ランゲ&ゾーネはランゲ1、サクソニア、1815トゥールビヨン、ツァイトヴェルク、リヒャルト・ランゲなどのヒット作を次々と発表し、世界5大時計ブランドと知られるメーカーへと躍進しました。A.ランゲ&ゾーネの時計は、高度な技術が必要とされる最も高度な複雑機構を組み合わせていることが特徴です。すべてのムーブメントに対して二度組みをおこない、古くから継承されてきた仕上げと装飾の技術で複雑なパーツも一本一本手作業をおこなうのは創業時からの伝統です。
時計の街 ドイツ時計産業
A.ランゲ&ゾーネは、自身が生まれ育ったドイツ・ドレスデンとフランス・パリで最先端の時計製作技術を学んだ時計師フェルディナント・アドルフ・ランゲが、1845年、ザクセン地方エルツ山地の町グラスヒュッテに創業します。「完璧な時計」を追い求めるべく高品質を確保するために時計師の作業分担制を導入したり、ムーブメントの輪列の全軸を一つの地板で支え、全体の安定性を向上させるという、今やドイツ時計の代名詞である4分の3プレートを考案するなど、先駆者として機械式時計製作に多くの革命をもたらしたブランドです。
誕生と消滅
ドイツ・ドレスデンの技術学校に通ったアドルフ・ランゲは、パリなどで時計職人としての修行を積んだ後、1845年にザクセン王室の支援を受けて、ドイツ東部のグラスヒュッテにA.ランゲ・ドレスデンを創業します。過去に銀の採掘などで栄えていたグラスヒュッテはその頃、財政難で苦しんでいました。そんな中で、フェルディナント・アドルフ・ランゲが提案した若い時計師を育成する地域復興事業計画が、ザクソン王国から承認を受けるかたちでの時計工房の開設でした。
1868年、長男のリヒャルトが経営に参画したときに、屋号をA.ランゲ&ゾーネに改め、1871年に次男のエミールも経営陣に加わります。1875年にアドルフ・ランゲは60歳でこの世を去るが、このときグラスヒュッテは、A.ランゲ&ゾーネを頂点とする精密時計産業地帯に変貌していました。その後、順調に成長を続けたA.ランゲ&ゾーネは20世紀初頭に勃発した第一次世界大戦と世界恐慌は無事乗り越えたが、第二次世界大戦において大きな変化を迎えることとなります。
終戦前夜に空襲の直撃を受けて本社は消失します。そして、終戦後の1948年には資産を社会主義国東ドイツに接収され、さらにグラスヒュッテ国営時計会社に統合されるかたちで、A.ランゲ&ゾーネというブランドは消滅してしまいます。1924年生まれのウォルター・ランゲは、A.ランゲ&ゾーネの最盛期から消滅までを体験した人物です。1948年にベルリンの壁の西側、プフォルツハイムに亡命し、時計工房を開いてA.ランゲ&ゾーネ再興の機会をうかがいます。
ウォルター・ランゲは、ドイツ国境に間近いスイス・シャフハウゼンに拠点を置く時計メゾンIWCと協力関係を築きます。しかし、1970年代に襲ったクォーツ・ショックにより再興の機会は絶たれました。転機が訪れたのは1989年11月、ベルリンの壁の崩壊です。ここで、IWCの社長でありドイツ人のギュンター・ブリュームラインとともに「A.ランゲ&ゾーネ」ブランド再建のための行動を始めます。そして、1990年、東西ドイツが統一されるとすぐさまA.ランゲ&ゾーネの再登記と商標登録を行い、ザクセン州(元グラスヒュッテ)にて本社「ランゲ・ウーレンGmbH」を設立、42年越しのブランド復活を果たした。
ドイツ高級時計の種類
・A・LANGE&SOHNE(ランゲ&ゾーネ)
・Odysseus(オデュッセウス)
・Saxonia(サクソニア)
・BRAUN(ブラウン)
・Analog Watch
・CHRONOSWISS(クロノスイス)
...etc
ランゲ&ゾーネ20周年
ドイツ・ザクセン地方の伝統的な時計づくりを継承する時計ブランド、A.ランゲ&ゾーネ、創業は1845年ですが、第2次世界大戦時に休業、そして1994年に復活後初めてのコレクションを発表しました。その第1弾が「ランゲ1」でした。これこそ、ランゲ伝説をいまに伝えるドイツ高級時計のシンボルです。
A.ランゲ&ゾーネ ランゲ1 “25thアニバーサリー ムーブメントの魅力
テンプ受けに施されたエングレービングはグラスヒュッテのウォッチメーカーであることの特徴です。ドイツ時計のメッカと呼ばれる彼の地で、現在もその技術を習得し実践しているブランドは数社に限られます。このテンプ受けに施される装飾は通常、花をモチーフとしたものが用いられ、中にはゴールドのインレイが施されます。ランゲ1の25周年記念モデルには、エングレーバーがA.ランゲ&ゾーネの有名なビッグデイトに用いられるフォントを使って25の数字を彫り込み、そこにアニバーサリーカラーのブルーをあしらっています。テンワのカバープレートは数種類のダイヤモンドパウダーで加工されたやすりの上を8の字を描くようにして仕上げられます。この作業だけで約2時間もの時間が割けられています。