腕から外した時の時計の向き
まずは、腕から外した際、どの向きで置けばよいのか、ということからお話します。一番おすすめとされているのが、竜頭を上向きに、時計を立てておく置き方です。竜頭を下にすると、不意に上から力が加わった際、竜頭一点に負荷がかかってしまうため、危険です。一番多いのが、腕から外してそのままベルトを畳むように平置きする方法かと思います。
この方法でも時計の機能的にデメリットはありませんが、時計の裏蓋とベルトがこすれ、裏蓋に小傷やスレが生じる場合があります。裏蓋には、型番やシリアルナンバーの記載、また記念日やイニシャルなどを入れる方もいらっしゃるかもしれませんので、裏蓋をきれいな状態にしておくには、やはり立てて置くのがおすすめです。
避けるべき保管条件
毎日つける時計もあれば、特別な時にしか身に着けないというものもあるでしょう。長期間保管する場合は、その保管状況にも気を遣う必要があります。
・気温が一定で、高温多湿を避ける
比較的温度変化が少ない環境で、湿度の高い場所は避けましょう。おおよそ、15℃~25℃がおすすめです。特に機械式時計は、高温多湿に非常に弱い構造となっております。そのような場所に長期間保管しておくと、寿命が短くなることがあります。また精密機械であることを鑑みると、ホコリが多い場所も避けましょう。
・直射日光を避ける
時計に限らずですが、直射日光による紫外線は、日焼けをします。日焼けによって文字盤がヤケて色が変わってしまったり、ベルトにもダメージを与えることが多いです。
・磁器は避ける
時計は時期に弱いです。近年、スマートフォンやパソコンなど、身近に磁器を発するものが多いため、そういったものに時計を近づけると、精度や機能に異常をきたすことになるでしょう。一度時磁器を浴びると、磁器抜きをしないといけません。特に注意しましょう。
・乾燥剤に注意
タンスやクローゼットに、乾燥剤をお入れになる方も多いとおもいますが、腕時計には注意が必要です。必要以上に乾燥させてしまうと、時計内部の潤滑油まで乾燥させてしまいます。そうなると、内部のパーツの摩耗が激しくなり、故障の原因につながります。
・落下や強い衝撃が加わる場所
精密な歯車の組み合わせで出来ているものが多く、落としてしまったり、強い衝撃には要注意です。ちょっとした衝撃でも、故障してしまうこともありますので、落下しない安定した場所を選ぶのがベストでしょう。
長期使用しない場合
長期間身に着けない場合も、いくつかの注意が必要です。
・汚れを落とすケアをする
肌に触れるものですので、汗や皮脂などの汚れがつきます。長期間保管する場合は、そういったものを綺麗にしてから保管しましょう。ベルトの劣化やダメージ、錆を招く恐れもあります。
・3か月に一度は動かしてあげましょう
時計は長期間動作させないと、内部の潤滑油が固まってしまい、不具合の原因となります。何か月も使用しない場合は、定期的に動作さましょう。また、ワインディングマシーンという、時計の動作を止めない機械もありますので、そういったものを活用するのも良いでしょう。
クオーツやソーラー電池時計は、常に動作していますので、そういった心配はありませんが、止まっていないか定期的に確認したり、ソーラー電池のものは光が当たる場所に移動させましょう。
また、クオーツ時計が止まってしまった場合は、すぐに電池を交換することをお勧めします。止まったまま放置しますと、電池が液漏れを起こし、故障の原因になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。機械式時計から、電波時計、近年ではスマートウォッチなど、様々な進化を遂げている腕時計ですが、ちょっとした工夫で大きく寿命を伸ばすこともできます。毎日身に着ける方も多く、私たちにとって、とても身近な存在の腕時計だからこそ、少し向き合い方を変え、自分だけの一本を大切にしてみてはいかがでしょうか。