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パテック フィリップなぜ人気?なにが人気?

パテック フィリップなぜ人気?なにが人気?

超高級時計として“雲上ブランド”と言われたり、“世界三大時計の一つ”と評されたり、世界随一の時計メーカーとして絶大な人気を誇るパテック フィリップ。数百万円は当たり前で、一千万円を超えるものまで存在する超高級時計であるにもかかわらず、品薄状態になるほどの人気モデルもあります。なぜそんなに人気なのでしょうか。

なぜパテック フィリップは人気があるのか

歴史が培ってきた高い技術

パテック フィリップは1839年にスイスに創業した時計メーカーです。今日に至るまでの百数十年に及ぶ長い歴史の中で、現代の時計に息づいている様々な革新を行ってきました。例えば1844年に世界で初めてリュウズによる巻き上げ機構を搭載した懐中時計を発表します。それまでリュウズは鎖を装着するためのものでしかなく、巻き上げは鍵をムーブメントに差し込んで行うものでしたが、パテック フィリップの発明によりリュウズはムーブメントと連絡し、ただのお飾りではなくなりました。これ以降現代にいたるまでリュウズによる巻き上げや時刻調節が時計の主流となります。そのほかにも永久カレンダー搭載の懐中時計や、スプリットセコンド(ダブルクロノグラフ)などの複雑機構を、もはやロレックスが創業する以前から確立していたのです!そんなパテック フィリップの技術力を示す歴史的名作キャリバーがキャリバー89です。これはパテック フィリップの創業150周年の節目に発表されたもので、33もの複雑機構を搭載したムーブメントでした。

また、複雑機構や高い精度以外にも、高い装飾技術を有しているのもパテック フィリップの強みです。創業当初から王侯貴族の御用達としても時計を製作していたため、王や貴族への特注品の中には彫金や七宝、宝石のセッティングなど芸術作品ともいえる趣向を凝らした名作が数多く存在します。そういった職人技は現代にも受け継がれており、現代的な解釈によって最新モデルの洗練されたデザインの地盤を形成しています。

高いステータス性と希少性

長い歴史の中で、王侯貴族にも認められた高い品質と精度は、パテック フィリップを世界最高峰の時計メーカーとしての名声を確固たるものにしました。このクオリティを徹底的に追求する姿勢は今も変わらないため生産数は少なく、年間6万本と言われます。一方、高級時計に対する需要は高く東南アジアなどの新興富裕層が増えて、一層需要が高まるばかりで、少ない供給量を圧倒する需要という需給のアンバランスが希少価値をより高めているという現状もあります。

パテックフィリップ人気モデル

カラトラバ

1932年に登場したカラトラバ。その名はこのモデルがパテック フィリップを象徴するものであることを物語っています。というのも、カラトラバとはパテック フィリップのシンボルであるカラトラバ十字に因んでいるからです。当時としては革新的であった、ケースとラグ(ブレスレットを装着する部分)を一体化させたスマートなデザインはその後、時計界においてスタンダードとなりました。無駄を排した洗練されたデザインは当時より大きなデザイン変更なく、今に受け継がれるタイムレスなタイムキーパーであり、スモールセコンドで秒を表示するデザインは往時のクラシックを今に伝える粋なディティールとなっています。自動巻きムーブメントながら驚きの薄さを実現している点においてもパテック フィリップの技術力を感じます。ロングセラーモデルなので、ローマ数字やアラビア数字版、コンプリケーションモデルなど豊富なデザインが生み出されたきた経緯があり、ヴィンテージやアンティークのカラトラバも中古市場で人気が高いです。

ノーチラス

パテック フィリップの中でもカリスマ的な存在であるノーチラスは1976年に登場しました。1970年代はクォーツ時計の登場で時計業界に激震が走った時期でありましたが、ノーチラスも新たな価値観を高級時計界にもちこんだ衝撃作でした。42mmという当時としては大きなケースは、丸形が主流であった時代に、丸みを帯びたオクタングル(八角形)型の文字盤を備えたデザインでした。ノーチラスとは1870年にフランス人小説家ジュール・ヴェルヌ作「海底二万里」に登場する潜水艦の名前です。この文字盤はまさにそんな潜水艦の舷窓に着想を得たデザインなのです。これはジェラルド・ジェンタという時計デザイナーによるデザインでした。ジェラルド・ジェンダはノーチラスの少し前にオーデマ・ピゲのロイヤルオークをデザインし一躍人気デザイナーとなり、70~90年代のウォッチデザインを牽引する存在でした。また高級時計においてステンレススティールを大々的に使用した先駆者でもあり「世界一高いステンレススティール製時計」として話題をさらいました。

アクアノート

アクアノートは2世紀近い歴史を誇る老舗であるパテック フィリップにおいては比較的新しいモデルで、1997年に登場しました。ノーチラスをよりコンテンポラリーに再解釈したモデルで、アラビア数字や、エンボス模様をあしらった文字盤は、伝統的なギヨシェ彫りの現代的なアプローチとも言えるかもしれません。薄くてコンパクトなケースながら120m防水を備えているので、水場での使用も安心です。また、アクアノートに特徴的なトロピカルバンドは、ゴムのようでゴムではないハイテク素材で、ゴムのようなしなやかさをもちつつも耐久性にすぐれ、よりアクティブな使用に適した素材です。パテック フィリップの品格を保ちつつも肩の力が抜けたカジュアルさもあるので、日常の装いにもしっくりくるような丁度よさがあります。

まとめ

「世界三大時計メーカーのひとつ」「雲上ブランド」などと呼ばれ、根強い人気を誇るパテック フィリップは現代につながる、時計における歴史的発明の数々を生み出したパイオニアであり、圧倒的な精度と、流行を超越した洗練を結晶させた時計を生み出しています。

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