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パネライ・ダイバーの腕時計はなぜ人気?その理由を解説

パネライ・ダイバーの腕時計はなぜ人気?その理由を解説

パネライは、他のブランドにはない独特の魅力を持つ高級時計メーカーとしての地位を築いています。しかし、ロレックスやオメガなどに比べると知名度が高いとはいい難く、パネライというブランド名を初めて聞くという人もいるのではないでしょうか。パネライは他の有名ブランドに比べて重厚感のあるモデルが多いですが、デザインはシンプルなので女性でも利用しやすい時計として人気を博しています。そこでこの記事ではパネライというブランドをそもそも知らない人や、聞いたことがあっても詳しく知らない人に向けて概要を徹底解説していきます。

パネライとは?

パネライという名前は通称で、正式名称は「オフィチーネ・パネライ」といいます。もともとは「G.Panerai & Figlio」という社名でしたが、1972年にディノ・ゼイが4代目社長へ就任した際に、社名を変更しました。現在ではジュエリーやファッションブランドなども運営するリシュモングループの傘下に入っています。パネライの特徴は高級腕時計ブランドであるにもかかわらず、腕時計やクロノメーター以外の機器も生産していることです。

例えば、温度計や湿度計、気圧計といった機器も製造しています。また、創業当初からイタリア海軍と強い結び付きがあったことから、潜水用の装備品メーカーとして携行深度計や潜水灯を生産しているのも特徴です。

パネライの人気を歴史から振り返る

パネライの歴史は1860年にイタリアのフィレンツェで創業者のジョバンニ・パネライが時計店をスタートさせたことから始まります。当時はまだ腕時計という概念自体がメジャーではなく、時計店と輸入された時計などを修理する時計工房を兼務して営業していました。また、フィレンツェ初の時計学校として機能していたことも有名な話です。

転機となったのは1910年に夜光塗料の「ラジオミール」を自社開発したことです。時代は2度の世界大戦に向けて、各国が戦力の増強に余念がないときでした。国土の大部分を海に囲まれているイタリアでは海軍の強化が必須であり、パネライの持つ高い技術力に目を付けたイタリア海軍はさまざまな機器の開発を依頼します。この期待に応え、精度の高い機器を納入し続けたパネライは、潜水時でも視認性が高いダイバーズウォッチの製作の依頼を受けました。

その結果生まれたのが、自社開発した夜光塗料を使用し、現代の人気コレクションの一つとなるラジオミールの原型です。その後、1949年には新たな蛍光物質としてトリチウムを原料にした「ルミノール」の開発に成功します。ルミノールを使用したコレクションは1993年に民間向けにアレンジして販売され、現在ではラジオミールと並びパネライを代表するアイテムの一つとなっています。

パネライが人気の理由は?

パネライは時計メーカーであると同時に、軍用向けの精密機器を作るブランドでもありました。軍用に作る精密機器はわずかな狂いが生じるだけで、兵隊の命を危機にさらしてしまいます。そうした緊張感のある現場へ長年にわたって納品を続けてきたパネライには、イタリア海軍からの高い信頼がありました。そして、一般向けに開発された腕時計も消費者から高い関心を示され、人気になっていきました。

このように数多くの魅力を持つパネライの中から3つの魅力を見ていきましょう。

 

・軍用として使われた高い視認性

パネライの初期モデルは、暗い海中での視認性を最重視して設計されました。1938年製作の初代ラジオミールのケース径47mmというビッグサイズや、2針仕様などもそのためです。

また、ダイアルが2重構造だったのも特徴で、当時の自発光塗料が体積が大きいほど強く発光する性質を持っていたため、全面に自発光塗料を塗布した下段プレートに、インデックス部分をカットオフした上段プレートを重ねるという方法を採用しています。ただし、自発光塗料は放射線を含んでいたため、近年では視認性とともに安全面を追求し、新世代夜光塗料「スーパールミノバX1」を採用しています。

 

・ほぼ変わらない安定したデザイン

1993年、パネライはイタリア海軍巡洋艦の船上で民間向けコレクションの発表を行なって以来、軍用ダイバーズウォッチの製造メーカーという来歴が、同社のブランディングの中核を担っています。このため、製造する腕時計はラジオミールまたはルミノールの派生モデルに絞っています。

また、1940年代に生まれた「LEFT-HANDED(レフト・ハンデッド)」モデルもパネライの伝統です。特殊潜水隊員はコンパスや水深計を左腕に装着していたため、腕時計は右腕に装着する想定でブリッジ型リュウズプロテクターを左側に配置しています。

 

・自社製のムーブメント

ネライはかつてアンジェリュス製やロレックス製のムーブメントを使用していたが、現在では設計・部品製造からケーシングまで一貫生産を行うマニュファクチュールに成長しました。パワーリザーブは軍用ダイバーズウォッチ仕様の約8日間を基準として、最短でも約3日間、最長で約10日間を誇る。さらに、時計好きを唸らせる独自機構が豊富なのも特徴です。

たとえば「Cal.P.3001/C」は、カーボンやタンタルによる低摩擦の複合素材を用い、液体の潤滑油を必要としない前代未聞のムーブメントです。石数はわずかに4石で、それらにもDLCコーティングを施して注油が不要という仕様になっています。

「ラジオミール」と「ルミノール」は何が違うの?

『パネライ』のアイコンは大きく「ラジオミール」と「ルミノール」に分けられます。両機とも暗闇で発光する同名の放射性物質を文字盤に使用していたものの、当時の蛍光物質は禁止されており、現在では人体に害のない蓄光型塗料に変わりつつモデル名として残されているのです。

ちなみに「ラジオミール」はアップグレードバージョンの「ラジオミール 1940」を、一方の「ルミノール」もオリジナルにもっとも近い「ルミノール 1950」のほか、近年では薄型の「ルミノール ドゥエ」などを開発。総じてパネライイズムを継承し、時計界でも突出した個性派として認知されています。

 

・クラシックなワイヤーラグが特徴的な「ラジオミール」

「ラジオミール」のオリジナルモデルは、47mmのクッションケースにワイヤーループ式ストラップ・アタッチメントを備え、上下にガードを備えない大きな円錐形リューズを特徴としています。

このクラシックスタイルを現行モデルも受け継いでおり、また1940年に発展型として誕生した、ラグをケースと一体化してリューズも変更した「ラジオミール 1940」も再現復刻されています。

現代「ラジオミール」のベーシックに位置付けられる「ラジオミール ブラックシール ロゴ アッチャイオ-45mm」は、あえて手巻きムーブメント(自社製)を搭載しており、古き良き時代の腕時計を今に伝えています。

 

・リューズガードのボリュームが男心くすぐる「ルミノール」

「ラジオミール」を進化させたのが「ルミノール」で、より高いスペックが授けられたのですが、注目はやはり特許取得のリューズプロテクターにあるでしょう。レバーを下げるとリューズが操れるようになる仕組みは、潜水中のリューズの破損や誤操作を防ぐために考案されました。このプロテクターを装備する同シリーズは大きく、「ルミノール」、「ルミノール 1950」、「ルミノール ドゥエ」に分けられます。

数多くのコレクションの中でも、2018年に発表された「ルミノール マリーナ ロゴ 3デイズ アッチャイオ-44mm」は、9時位置に小さな秒表示を配しながらも比較的にリーズナブルなため、同社の新エントリーモデルとして期待が大きいです。

まとめ

多くの芸能人・有名人が愛用していることでも知られるパネライ。高級時計メーカーであると同時にさまざまな精密機器を軍用向けに製造しているブランドです。そのため、防水性や耐久性が重視された腕時計のコレクションを多く発売しています。重厚感と存在感を感じさせるモデルが数多くありますが、一方で女性でも気軽に身につけられるようなシンプルでオシャレなデザインのモデルが多いのも特徴です。他のブランドでは見られない独特の魅力を持っているブランドといえます。

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