ショパールの歴史
20世紀以前までは時計が宝飾品として扱われていたため、その歴史を鑑みると必然とも言えます。卓越した技術とノウハウ、輝かしいデザインとクオリティなど150年を超える経験と実績により腕時計と宝飾品の分野において確固たる地位を築き上げたショパールの魅力に迫ります。
ショパールの歴史は古く、起源は1860年にルイ-ユリス・ショパールがスイスのジュラ山脈地方に位置するソンヴィエリという小さな村に設立した懐中時計の製造を行う時計工房にあります。ショパールが製造する懐中時計は高い精度と信頼性からスイス鉄道に納められるほどで、その評判は東ヨーロッパやロシア、スカンジナビアの時計販売業者やマニアの間で広がり一気に名を馳せます。1921年に息子であるポール-ルイ・ショパールがラ・ショー・ド・フォンに支店を開設し、1937年には事業の安定と拡大のため高級時計の中心地であるジュネーブに本拠を移転しました。このことにより世界各国に市場を広げ順調に業績も伸ばしていきます。そして1963年に大きな転機を迎え、さらなる飛躍へと結び付くこととなります。
創始者の孫である3代目のポール-アンドレ・ショパールは自分の息子たちが跡継ぎになる意思が無いことを知り、ショパールを継承できる相手としてドイツのフォルツハイムで時計と宝飾品の製造を行っていたカール・ショイフレ社と出会います。すぐに合意に達してカール・ショイフレ社が経営権を継承することになります。これにより時計技術とジュエリー技術が融合したエレガントで高級感のあるデザインの時計製造が可能となり、ジュエリーウォッチブランドとして新たな歴史を刻み始めることになります。
最初のヒット作となったのは1979年に発表した女性用腕時計のハッピーダイヤモンドです。二重構造の風防にダイヤモンドをセットしたハイジュエラーらしいモデルで世界中の女性を魅了しました。ちなみにハッピーダイヤモンドは当初のコンセプトとして挙げられていたのは男性用の角型時計でした。しかし1970年代後半から80年代は機械式からクォーツへの転換期であったため小型で薄型のクォーツムーブメントが女性用のジュエリーウォッチを製作する上で非常に適したメカニズムであったために、男性用ではなく女性用として世に送り出されました。
1996年にはマニュファクチュール工房を設立し、創業者であるルイ・ユリス・ショパールのイニシャルに由来する自社製ムーブメント「L.U.C」を開発しました。手巻きの「L.U.C 98.01-L」やトノー型用の自動巻き「L.U.C 97.03-L」などを次々に発表し、現在では50以上のバリエーションに分かれた9シリーズにまで進化しており、マニュファクチュールとしての技術力の高さの証明とも言えます。さらにショパールの歴史の中で特筆すべきコレクションが「ミッレミリア」です。1988年から公式スポンサーとして参加している世界的なクラシックカーレースの祭典「ミッレミリア」にちなんで毎年限定で発表されるクロノグラフやGMTといったスポーツ系モデルはファンならずとも見逃せない特別なモデルです。
ショパールの発展には目覚しいものがあり創造性と最先端技術、最高級を追求するクラフトマンシップにおいて高い評価を受けるとともに、高級時計とジュエリーのトップブランドとしての地位も確実なものとしました。ショパールは完全な独立企業として家族的な伝統を代々受け継いで成長を遂げてきたが、ショイフレ家の努力と尽力は現在も変わることなく二人の子供が共同社長となり守っています。兄のカール-フレドリッヒ・ショイフレがメンズコレクションとショパール・マニュファクチュールを担当し、妹のキャロライン・ショイフレがレディースコレクションとジュエリーを統括しています。
ハッピースポーツの魅力
ハッピースポーツの魅力は、なんといっても文字盤上で自由に動くダイヤモンドです。自在に動くよう加工した石座にダイヤモンドをセッティングし、2枚のサファイアクリスタルで挟んだ後、文字盤に組み込んでいます。この仕組みにより、腕の動きに合わせてダイヤモンドが揺れ動き輝きを放ちます。
ダイヤモンドの輝きを活かすため、石をセッティングせず自由に動かすという従来では考えられなかった、柔軟かつ大胆な発想により付ける方によって様々な顔を見せてくれる唯一無二の時計と言えます。
ハッピースポーツラインナップ
1、ハッピースポーツ ムーン&スター
三日月と星をモチーフにしたムービングパーツが文字盤を飾るハッピースポーツです。月と星は女性と希望を表現しているかのようで前向きにアクティブに生きる女性に人気でハッピースポーツを代表するモデルです。
2、ハッピースポーツ ハッピーフィッシュ
水族館を彷彿とさせる魚のムービングパーツが揺れ動く様子は小さな水槽を眺めている気分にさせてくれます。モデルによっては、さまざまな宝石を豪華に使ったクマノミパーツもあります。
3、ハッピースポーツ スクエア ミニ ウォッチ
こちらは小さめのスクエアモデルです。直線的で鋭いスタイリッシュなフレームに角型のベゼルにセッティングされたダイヤが繊細に動く様子はまさにアクティブ、そして、積極的で躍動感にあふれながら、女性らしさも演出します。
4、ハッピースポーツ オーバル ウォッチ
しなやかで流動性を感じさせるカーブは、スポーティでありながらドキッとするほど魅力的です。文字盤の上をカーブに沿って流れるように動く、ムービングダイヤの輝きは、オーバルモデルならではの魅力です。
5、ハッピーダイヤモンド アイコン ウォッチ
このアイコンウォッチはショパールのハッピーダイヤモンドをもっとも活かすフレームといえるのではないでしょうか。文字盤の周囲を、まるで空中を滑るように回るダイヤモンドの輝きは他にありません。斬新なアイディアと技術の賜物です。
まとめ
1976年に誕生したショパールの看板コレクション「ハッピーダイヤモンド」ですが、最初に時計を見たショパール現会長夫人、カリン・ショイフレが「セッティングから解き放たれたダイヤモンドはとても幸せそうね」と言ったことから名付けられたそうです。ムービングダイヤモンドはもちろん、ベゼルにもダイヤモンドがあしらわれており、見る人に独創的でエレガントなイメージを与えています。
