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オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)の人気モデル、ロイヤルオーク

オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)の人気モデル、ロイヤルオーク

オーデマ・ピゲは19世紀に創業して以来、家族経営によってそのエスプリとノウハウを継承・発展しつづける、スイスの老舗時計メーカーです。創業当初より複雑機構を得意とする高い技術力を誇っていましたが、1970年代に登場したロイヤルオークは、大胆にもステンレススティールを用いたエレガントなスポーツウォッチとして、高級時計界に金字塔を打ち立てます。この記事ではそんなロイヤルオークの誕生秘話に迫ります。

オーデマ・ピゲAudemars Piguet

オーデマ・ピゲは1875年にスイスのジュウ渓谷の村、ル・ブラッシュに創業した時計工房です。見習い時代から類まれなる才能を発揮していたジュール=ルイ・オーデマがアトリエを開き、ほどなくして旧知の仲であるエドワール=オーギュスト・ピゲを誘い、二人で下請けとして高精度で複雑巧緻なムーヴメントを販売したのが始まりです。1882年には、ムーブメントだけでなく自社で時計としての完成品を製作するようになります。ジュール=ルイ・オーデマは複雑機構を得意としており、当初より複雑機構を搭載した時計を製作していました。世界初のミニッツリピーター搭載腕時計や、トゥールビヨン搭載腕時計を手掛けたパイオニアであり、その複雑機構への飽くなき情熱は今も受け継がれており、現在発表されている「Grande Complication」コレクションは最低でもミニッツリピーター、スプリットセコンド(ダブルクロノグラフ)、パーペチュアルカレンダーという複数の複雑機構を搭載しています。また、1925年には世界最薄(1.32mm)の懐中時計ムーブメントを開発し、その後腕時計においても最薄ムーブメントを発表するなど、スリムな時計としてもイメージを確立していきます。

オーデマ・ピゲの不動の人気モデル「ロイヤルオーク」

1971年、当時のオーデマ・ピゲのディレクターであったジョルジュ・ゴレイがジェラルド ジェンタに電話をかけました。ジェンタは、「ウォッチデザイナー」という言葉が生まれる前から、すでに20年間以上、フリーランスの「ウォッチデザイナー」として働いていました。ゴレイは彼に、イタリア市場向けの時計を作成するという使命を託しました。イタリアでは、ビーチやシックなレストランで着用できるようなスポーツウォッチがトレンドとなっていました。

期限は翌朝。ジェンタは夜を徹してデザインを書き上げます。八角形の時計は、伝統的なダイビング ヘルメットにインスパイアされたものでした。1年後、オーデマ・ピゲはバーゼルで初めてロイヤルオークを発表しました。ロイヤルオークは当時異端な存在でした。信じられないほど高価なステンレススチール製ウォッチで、その価格はなんと 3,650 スイス フラン、ちなみにロレックス サブマリーナーのその時の価格は約 1,000 スイス フランです。当時高級時計と工業系素材であるステンレススティールを結びつける考え方はなく、この「超高額ステンレススティールウォッチ」というブランディングは、言ってしまえばクレイジーなものでした。

ロイヤルオークは圧倒的な薄さにもかかわらず、50m防水を備えています。このケースは、防水性を向上させるためにステンレススチールの塊から切りだす方法で作られます。ステンレススティールは非常に硬い素材であり、ロイヤルオークの繊細なデザインを形にするのは至難の業でした。そのため、プロトタイプはステンレススティールよりも柔らかく、加工のしやすいホワイトゴールドで製作されました。時計のケースは当時のトレンドに比べて大きい39mmです。この大きな八角形のベゼルがつくりだす「インダストリアル」な外観は、はっきりと見えるベゼルのネジと、100をゆうに超える数の細かなピースから成り立つスチールブレスレットによって引き立てられています。「タペストリー文字盤」として知られる文字盤は、ギヨシェ彫りと呼ばれるスイス時計歴史が息づく伝統技法で、静謐なエレガンスを醸し出しています。オクタングルベゼルやステンレススティールなどのハードな要素の中で、この文字盤は優美さを演出しており、この絶妙なバランス感はその後「ラグジュアリースポーツ」と呼ばれ、一つのスタイルとして確立されていきます。

しかし、ロイヤルオークが誕生した時代背景として、オイルショックが目前に迫り、金の価格が急騰し、インフレが世界経済に深刻な打撃を与えていました。緊縮の時代であり、時計のデザインはより小さくなり、抑制のきいたものになります。他方では、クォーツ時計の台頭があります。SEIKOによって誕生したクォーツムーヴメントを搭載した腕時計は、安価にもかかわらず高精度で、時計市場を席巻し高級機械式時計業界を圧迫しました。ロイヤルオークはその卓越性にもかかわらず、そういった時代背景によって、苦難のときを経験します。

1974年、転機が訪れます。フィアットの名誉会長であり当代きっての洒落男としてしられたジャンニ・アニェッリが、ロイヤルオークをつけたことでロイヤルオークに注目が集まります。当初の狙い通りイタリア市場がロイヤルオークに興味を持つようになり、その後も1977年に35mmのコンパクトケースモデルが発表されると、その人気は確固たるものとなりました。2022年、ロイヤルオークは誕生50周年を迎えました。ロイヤルオーク誕生当初から搭載され、超薄型自動巻きキャリバーの名作として名高いキャリバー2121をアップデートさせた、キャリバー7121が発表されました。より高い振動数によって高い精度を実現し、日付表示のクイックチェンジシステム、55時間のパワーリザーヴという高いパフォーマンスを誇っています。

まとめ

オーデマ・ピゲを象徴するロイヤル オークは、ステンレススティール製の超高級時計という当時誰も考えなかったコンセプトを体現する気鋭のモデルとして誕生しました。発売当初、経済危機やクオーツ時計による“クオーツショック”という逆風もあり、不遇の時を経験するも、その卓越性は特定の慧眼に見いだされ、ラグジュアリースポーツというあらたな価値観を高級時計界にもたらしました。

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