オーデマピゲの歴史
2人の天才時計技師によって始まったオーデマピゲ
名門時計ブランド、オーデマ・ピゲは、1875年に創業して以降、140年に渡り途切れることなく家族経営を続けてきました。時計師の家に生まれ、クロノグラフやミニッツリピーターなどの複雑機構を得意とする天才技師ジュール=ルイ・オーデマ(Jules-Louis Audemars)氏と、2歳年下の幼馴染みで技術力はもちろん営業力や経営の才に長けたエドワール=オーギュスト・ピゲ(Edward-August Piguet)氏の二人が手を組んで時計を制作したのが始まりです。
本格的なブランドの立ち上げ
1881年、創業者の二人は自分たちで造り上げた時計を自分たちの名前で売るべく、ブランドを設立します。二人の名をブランド名とするため、共同出資で会社登記します。出資に見合う資金のなかったジュール氏は、現金の代わりに18点の自作時計を出資金とし、正式に「オーデマ・ピゲ」が誕生します。
複雑機構搭載のポケットウォッチ開発にのめり込んだオーデマピゲの創業期
19世紀末の時計界は、ミニッツリピーターやパーペチュアル(永久)カレンダーのような複雑機構を、競い合うようにして懐中時計のムーブメントに組み込んでいました。オーデマ・ピゲの二人の創業者も例外ではなく、芸術品のような複雑時計や、女性用の宝飾時計を多く手がけていました。中でも1899年に販売された「ユニヴェルセル」として知られるモデルは、パーペチュアルカレンダーやミニッツリピーターをはじめ、グランド&プチソヌリに30分積算計搭載クロノグラフ、リセット機構付きの5分の1秒フドロワイヤントやスプリットセコンド、デッドビートセコンドなど、複雑な機構を詰め込めるだけ詰め込んだ非常に革新的な懐中時計でした。
オーデマピゲは小型化・薄型化を追求する時計ブランド
創業者の引退後も、オーデマ・ピゲの時計開発への情熱は受け継がれました。小型化や薄型を追求するオーデマ・ピゲは、1921年に世界で最も薄い、厚さわずか1.32mmの懐中時計を開発、腕時計時代に突入したあともその開拓精神は衰えず、1938年には厚さ1.64mmの極薄手巻き式ムーブメントを開発、1950年代に入ると、ついに複雑機構の小型化に成功します。また、閏年を表示する初めてのパーペチュアルカレンダー搭載腕時計を1957年に完成させます。
さらに1967年には世界で最も薄いセンターローターの自動巻きムーブメント「Cal.2120」を開発します。世界一の薄さを誇るこのムーブメントは、複雑機構の追加などを可能とし、腕時計開発の可能性を大きく広げました。
世界三大時計ブランドとしてオーデマピゲは現在も技術発展に挑戦し続けている
1972年には初代「ロイヤルオーク」を発表します。高級機械式時計の常識を打ち破ったこのモデルはオーデマ・ピゲを現在の地位に押し上げたモデルであり、このブランドの代名詞とも言える作品となりました。ロイヤルオークで大きな成功を収めたあとも、伝統的な複雑機構の開発に果敢に挑戦します。
1978年には「Cal.2120」の採用によって、パーペチュアルカレンダーとして異例の薄さを誇る7.8mmの腕時計を開発、1986年には直径7.2m、厚さ:5.3mの世界最小トゥールビヨン搭載腕時計を発表し、世界中を驚かせました。2006年には潤滑油を不要とする新機構「APエスケープメント」を、翌2007年には超軽量で高い硬度を誇る新素材「フォージドカーボン」を発表するなど、現在においても独自の技術革新に基づく名作で時代を開拓しています。
オーデマピゲ永遠の定番はこれ!ラグジュアリースポーツウォッチ「ロイヤルオーク」
1972年、当時のオーデマ・ピゲ最高経営責任者であったジョルジュ・ゴレイ氏は、この年のバーゼルワールドで今までにない腕時計を発表したいと考えていました。そこでゴレイ氏は、新製品のデザインをジェラルド・ジェンタ氏に依頼します。ジェラルド・ジェンタ氏は、のちにパテック・フィリップの「ノーチラス」やブルガリの「ブルガリ・ブルガリ」、ロレックスの「オイスタークオーツ」やカルティエの「パシャ」などのデザインを手がけることとなる伝説のデザイナーとなります。こうして誕生したロイヤルオークは、当時、金無垢仕様が当たり前だった高級時計にステンレススチールを採用し、世界を驚愕させました。
直径39mmというケースサイズも当時の基準からすると類を見ない大きさで、”Jumbo(ジャンボ)”の愛称として親しまれました。八角形のベゼルというだけでも画期的だが、そこに打ち込まれた8本の六角形ビスはこれまでの常識を覆すものでした。このビスは単なる飾りではなくケースバックまで貫いており、防水性と堅牢性を高めています。腕時計を象徴するこのケースデザインは、イギリスのプリンス・コンソート級装甲艦、ロイヤル・オーク(HMS Royal Oak)の舷窓からインスピレーションを受けており、モデル名にも採用されました。舷窓から着想を得たデザインの腕時計と言えば、ウブロの「ビッグ・バン」などが挙げられますが、歴史の長さはロイヤルオークに軍配が上がりました。
ケース一体型のブレスレットや、ギヨシェ彫りによって施されたタペストリー模様のダイヤルもこのモデルの大きな特徴です。ジェラルド・ジェンタ氏のデッサンからほとんど変更されることなく仕上がった初代モデルは、デザインの段階で既に細部まで考え抜かれていたことが窺えます。
クオーツショックの直後に誕生したにもかかわらず、ロイヤルオークは、機械式時計の重要性を充分にアピールします。「鋼へのオマージュ」というキャッチフレーズと共に、”ラグジュアリースポーツウォッチ”という新境地を開拓、現在では初代モデルを復刻したモデルの他に、ミニッツリピーターやパーペチュアルカレンダーを搭載したコンプリケーションモデル、インナーベゼルやクロノグラフ搭載のダイバーズモデル、イエローゴールド仕様のモデルなど、多彩なコレクションでブランドの人気を牽引しています。
オーデマピゲの世界最高峰の腕時計が出来るまで
ハンドスケッチによるデザイン
ジェラルド・ジェンタ氏が手がけたロイヤルオークがそうであったように、オーデマ・ピゲの腕時計は全てフリーハンドによるスケッチから生み出されました。デザイナーはアーティストでありながら、芸術性だけでなく将来的に必ず直面するムーブメントの技術的制約について考慮することも求められます。デッサンの段階でデザイナーと技術開発部門が密に連携することにより、デザインの考案に技術的視点を取り入れています。
有名モデルを次々と生み出したジェラルド・ジェンダ氏
上記項目にその名が出ているロイヤルオークを生み出したジェラルド・ジェンタは、実はオメガのコンステレーションやパテック・フィリップのノーチラスといった数々の有名モデルを生み出した人物でもあります。
オーデマと同じくスイス生まれのジェンタは、当初宝石職人として修業していましたが、23歳のときに時計デザイナーへと転身したことがきっかけで飛躍を遂げます。生来の才能が開花したジェンタは、1960年代にオメガのコンステレーションのデザインを担当したことで一躍世間に知られるようになりました。
その後も、どのブランドにも属さず、フリーランスとして複数のブランドにまたがって活躍した結果、ゴレイの目にとまってロイヤルオークのデザインを依頼されたのです。
ロイヤルオークはラグジュアリースポーツモデルの祖と評価されていますが、その成功はジェンタという孤高の天才デザイナーの存在なくしてはありえませんでした。ロイヤルオークの成功でさらに名声を得たジェンタはその後も活躍を続け2011年に亡くなりますが、彼が手掛けた腕時計の数々は現在でも高く評価され、市場でも高い値段で取引されています。
コンピューターでのデザインとプロトタイプの作成
仕上がったラフスケッチをもとに三次元モデリングを行い、カラーや素材感、光の反射効果などの仕上がりを考慮します。より現実に近いかたちでディティールを把握したのち、専門家によってワックスを使用したプロトタイプを作成します。マニュファクチュール段階で直面するであろう技術的課題をクリアにし、その上でさらに貴金属素材でのプロトタイプを制作します。こうして全てのディティールを完璧に確認してようやく時計の製造が始まります。
熟練職人によるムーブメントや文字盤の製造
二針のキャリバーから複雑機構を搭載したグランドコンプリケーションまで、オーデマ・ピゲは創業時からムーブメントのメカニズムを追求します。小さな部品の加工から最終的な装飾まで、いくつかの工房にわかれて専属の職人が作り上げます。
オーデマ・ピゲを象徴するギヨシェ加工のプチ・タペストリーやグランド・タペストリー装飾の文字盤は、本社内の工房にて行われます。他の追随を許さない精巧さが必要とされる独自の製造工程は12に及び、ひとつの文字盤に7時間を要します。もっともドレスライクで”コマ”の小さいプチ・タペストリーの文字盤は、ひとつの模様がたったの2mmという緻密さが求められています。
平均一か月を要する組み立て作業
デッサンから始まった腕時計制作は、数百個のパーツから成るムーブメントや精巧に装飾された文字盤など、マニュファクチュールでの製造工程を完了させるまで数ヶ月もの時間をかけます。さらにそこから最終工程であるケーシングに、平均一ヶ月もの手間と情熱を注いで1本のオーデマ・ピゲの腕時計が完成します。
ロイヤルオークのおすすめモデル10選
オーデマピゲを代表するロイヤルオークはこれまで数々のモデルが発売されていますが、それぞれの特徴は若干異なります。この章ではロイヤルオークのおすすめモデル10選を紹介していきます。
①ロイヤルオーク 41mm ブティック限定ブルー 15500ST.OO.1220ST.01
2019年に発売された現行モデルです。基本的なケースサイズは前モデルと同じ41mmですが、ケース厚は9.8mmから10.4mmに増しています。また、ムーブメントに新しくキャリバー4302を搭載したことで、パワーリザーブが60時間から70時間にアップしている点も特徴です。駆動時間が改善されたことで、従来よりも使い勝手が向上しています。
インデックスは従来よりも幅が広がり、その分存在感を増しているのが特徴です。一方、秒針はスタイリッシュなオープンワークが施された針に変更され、これまでよりも洗練されたスタイリッシュな印象を与えるデザインとなっています。ロイヤルオークならではのグランドタペストリーが刻まれた文字盤にはブルーダイヤルが採用されており、カジュアルとフォーマルの両方で使用しやすいモデルです。
②ロイヤルオーク ジャンボ エクストラシン 39mm ブティック限定ブルー 15202ST.OO.1240ST.01
ロイヤルオークの発売40周年を記念した復刻モデルです。新機構を搭載するよりも初代のオリジナルモデルをそのまま復刻することを重視しており、忠実に再現したモデルになっています。ダイヤルカラーはブルー、ケースサイズは39mmで、まさに初代のロイヤルオークを身につけているような感覚を味わえる一品です。そのほかにも『超薄型キャリバー2121』、『6時の位置にあるAPロゴ』といったロイヤルオーク好きな人にはたまらない要素がたくさん含まれています。
限定復刻モデルであるため市場に出回っている本数が少なく、プレミアがついて取引されているモデルであり、市場で見つけたらすぐに買わないと売れてしまうと言われるほどの名品です。
③ロイヤルオーク 41mm ブラック 15500ST.OO.1220ST.03
2019年に発売された現行モデルです。ロイヤルオークのなかでも黒い文字盤を採用したクールでカッコいい印象を与えるデザインになっています。基本的な特徴は『15500ST.OO.1220ST.01』と同じで、幅広のインデックスや外周縁にプリントされたミニッツトラックのシルバーが文字盤のブラックによく映えています。こちらもムーブメントには『キャリバー4302』が搭載されていて、パワーリザーブは70時間とトレンドとなっているロングパワーリザーブに対応している点も魅力です。
全体的にブラックとシルバーで統一されたデザインであるため、フォーマルな場所に身に着けていくにはピッタリのモデルとなっています。高級感漂う洗練された大人の雰囲気を醸し出したい人ほど向いている商品です。
④ロイヤルオーク 37mm シルバー 15450SR.OO.1256SR.01
数あるモデルのなかでもケース厚が比較的小さく、スタイリッシュなデザインとなっています。37mmというケース厚は日本人男性に合いやすい大きさだといわれており、国内でも人気の高い商品です。文字盤はグランドタペストリーのシルバーカラーダイヤルと蓄光処理がされているピンクゴールドの針のバランスが美しく、高級感とエレガントさが同居しているようなデザインとなっています。
ムーブメントには2003年にオーデマピゲで開発された『キャリバー3120』が搭載されていて、パワーリザーブは60時間です。エッジが効いた洗練されたフォルムが印象的なブレスレット部分も見事で、細かいところまで作り上げるロイヤルオークの技術力の高さを感じさせます。
⑤ロイヤルオーク クロノグラフ 41mm ブラック 26331ST.OO.1220ST.02
2017年に発表されたモデルで、ロイヤルオーク クロノグラフの20周年を記念して製作された商品になります。シルバーのカウンターやホワイトゴールド製のアプライドアワーマーカーが配置された文字盤は、グランドタペストリーのブラックによくマッチしています。ムーブメントこそ『キャリバー2385』と変わっていませんが、インデックスやクロノグラフカウンター蓄光処理などによって視認性は大きく向上しているのが特徴です。
一見するとスポーティーでカジュアルに見えるデザインですが、ブラックとシルバーを基調としたカラーはエレガントさも感じられるので、フォーマルな場所へ身に着けていくのも問題ないモデルとなっています。
⑥ロイヤルオーク 15400ST.OO.1220ST.02
2012年、これまでのロイヤルオークから2mmケース幅をアップさせ登場した現行モデルです。15400STはホワイト・ブラック・ブルーの三つのバリエーションを持ち、こちらはシンプルなシルバー文字盤となります。使いやすい大きさと相まって最もオーソドックスで、当店でもオーデマピゲの中で、ダントツの人気商品となっております。ロイヤルオークはケースにポリッシュとブラッシュ(ヘアライン)仕上げが組み合わされていますが、それが高級感に拍車をかけており、シルバーの上品さによくマッチしていますね。
一世代前のロイヤルオークより2mm大きくなったことは賛否両論ありますが、こういった高級感や存在感が増したことは言わずもがなです。一方で厚みは10mmにも満たないため、非常にスタイリッシュとなっています。搭載ムーブメントは美しく精巧に作られたCal.3120、裏蓋はシースルーのため、その動きを鑑賞することができます。
ちなみにこのCal.3120はジャガールクルトのCal.920をベースとした薄型ムーブメントとなります。ロイヤルオークの上品な薄さはこの機械に秘訣があります。価格帯は2018年より上昇を描いており、定価が1,944,000円にもかかわらず実売価格は210万円台となっています。中古であっても状態によっては定価に肉薄する勢いで、ロイヤルオーク人気を感じずにはいられないモデルになっております。
⑦ロイヤルオーク オフショア ダイバー 15710ST.OO.A002CA.02
ロイヤルオーク オフショアの、大人気ダイバーズモデルです。2015年に裏蓋がシースルーバックにリニューアルしたのがこちらのオフショア ダイバーです。その中でも15710ST.OO.A002CA.02は最も人気があるモデルです。300mという高い防水性にもかかわらずシースルーバックというのは機械好きにはたまりませんし、オーデマピゲの技術力の高さをうかがわせる一面ですね。
ダイビングタイムの計測はインナーベゼルの回転で行うことができるため、ロイヤルオークらしいベゼルとビスはそのまま活かされています。よく、40代、50代を迎えてダイバーズウォッチはどうなの?という声も聞かれますが、オーデマピゲは別格です。寧ろかっこよさと高級感が同居していて、若い方向けのダイバーズウォッチには絶対にない貫禄を感じます。
ムーブメントは自動巻きCal.3120を搭載しています。現在は生産終了していることからその稀少性と注目が高まり、中古市場での価格帯は190万円を超えてきました。40代、50代の大人の男性が、海やプールなどでオフショア ダイバーを渋く着けこなすに適したモデルとなっています。
⑧ロイヤルオーク オフショア クロノグラフ 26401RO.OO. A002CA.02
2017年に登場したゴージャスかつダイナミックなロイヤルオーク オフショアです。華やかで上品なピンクゴールドケースに、セラミックを融合させるという大胆さ!従来ある貴金属と新素材の融合はウブロなど多くのブランドで採用されつつありますが、オーデマピゲのような雲上ブランドがやってのけるというのは非常にレアなケースではないでしょうか。しかも極上の超高級時計に昇華しているところに、オーデマピゲの底力を感じます。
ダイナミックと言えどケースは他のロイヤルオーク同様ポリッシュとブラッシュ仕上げが上手にすみ分けられ、立体感を醸し出します。傷や退色が目立ちやすいベゼルにセラミックを使ってくれているので、アクティブシーンにも重宝します。
重量は237gとかなりズッシリしており、これは、ピンクゴールドならではですね。実売価格500万円超えと、これまたゴールドならではとなっております。裏蓋はシースルーとなっているため、精緻なクロノグラフムーブメントを堪能することが可能です。暗めの色使いが多くなったであろう40代・50代のファッションでも、かなりの存在感を発揮してくれて、良いアクセントとなるモデルと言えます。
⑨ロイヤルオーク 15300ST.OO.1220ST.01
先程二本ご紹介した15400STの一世代前にあたる、2005年誕生ロイヤルオークの定番モデルです。現行品よりも2mm小さいケース径39mmで、この大きさの方がよい!といった根強い声のあるモデルです。ちなみにこのもう一つ前の世代は36mmだったため、当時を知っている40代、50代以上の方にとってはなおさら現行品が大きく感じられるかもしれません。確かに2mmの差は結構あって、あまり大柄すぎない方や、小さめサイズをスタイリッシュに着けこなしたい、といった方には15300STの大きさを選ぶことをおすすめいたします。
インデックスや針にも微妙な違いがありますが、ムーブメントは同一のためスペック自体は変わりません。ただし、15300STは年々市場価格を上げており、現行の15400STを追い抜きそうな価格となってきています。そのためプレミア感という意味では15300STの方が上でしょう。「レア感を大切にしたい」、「人とちょっと違った路線を歩みたい」そんな40代、50代の男性陣にはおすすめのモデルです。
⑩ロイヤルオーク オフショア クロノグラフ 26400IO.OO.A004CA.01
最後に紹介するのはロイヤルオーク オフショアから、クロノグラフを搭載したやはりダイナミックな一本です。ケース幅は44mmとかなりの大型です。大きめにそして立体的にとられたベゼルと合わせて、男らしくスポーティーなモデルですね。ここまダイナミックであるにもかかわらず、重さはわずか150gほどです。その秘訣は、メイン素材にチタンを使用していることです。
チタンは強い耐蝕性や耐傷性を有し、さらに軽量で強度の高い金属として有名です。同時に金属アレルギーを起こしにくい素材でもあります。パネライやウブロ、ゼニスなど多くの有名ブランドでも使われてきていますね。ちなみにベゼルやリューズ、プッシャーは同じく高い強度を誇るセラミックによって形成されています。こういった実用性の高い素材を採用することによって、ロイヤルオーク オフショアの持つスポーティーな一面がさらに引き立つこととなりました。
文字盤のカラーには、人気の高いグレーを採用しています。針の赤がアクセントとなっており、シックさだけでないアクティブな印象を強めています。44mmという幅はオフショアの中でも大きい方で、日本人では購入を躊躇してしまう方もいらっしゃるかもしれません。一方で人が着けないモデルを愛用するということは、何か大人ならではのこだわりを感じます。40代、50代を迎えて恰幅のよくなった男性陣なんかは、若い頃には着けられなかったこういった大型モデルを装着してみてはいかがでしょうか。
オーデマピゲの価格が上昇している現状
高級時計の中古相場は高騰の一途をたどっています。「ロレックス」や「パテックフィリップ」といった人気高級ブランドの価格上昇は類を見ない上昇を見せています。特にオーデマピゲ「ロイヤルオーク」の高騰は目を見張るものがあります。2022年現在、人気モデルは中古相場の実売価格で900万~1,000万円で販売されており、定価のなんと「3倍以上」です。雲上ブランドの高級時計ということで、定価も決して安くはない中で、中古相場での高騰が続いており「購入したくても買えない」状況が続いている方も多いのではないでしょうか。本日は、ロイヤルオークが定価より高い理由、正規店で新品は買えるのかについてお話します。
ロイヤルオークが定価より高い理由
理由は、「需要」が「供給」を上回っているのは言うまでもありません。ロレックスやパテックフィリップの高騰が続く中、まだ大きくプレミア価格がついていない、「オーデマピゲ」の「ロイヤルオーク」へ、購入対象が移ったのも要因の1つです。
雲上ブランドということもあり元々の定価が高い為、プレミア価格にはなっていませんでしたが、上記の事や中古市場への流通数も多くなかったことからあっという間に、市場から数は減り、買取店の在庫確保が激しくなり、中古販売相場が異常な程に吊り上がっていきました。数年前から予約待ちが続く中で、価格の高騰が続きプレミア価格がついている状態で正規店で購入できれば大きな利益(転売)を産むことができる為、更に入手が困難になっていったのです。
資産価値が高く、身に付けても、多くの男性が憧れる「雲上ブランドの時計」というステータス性や、ロレックスでいう「デイトナ」、パテックフィリップでいう「ノーチラス」といったブランドを代表するモデルということもあり、元々の不変的な人気が価格上昇が更なる追い風となり需要が高まったと推測しています。
ロイヤルオークは正規店で買えるのか?
2022年の現段階ではロイヤルオークは正規店では買えない状態です。一見(はじめて)での購入は限りなく不可能に近いと言えます。2~3年前まで購入するのに予約ができました。入荷次第、順番に購入ができるというものです。それでも購入するまでにモデルによっては2~3年、超人気モデルになると5年以上、順番待ちという状態でした。
今購入できたという方は2~3年前に予約したものが今買えている訳です。現在は電話での予約は出来ず、コロナウイルスの影響もありブティックに行く際には来店予約が必要になり、お店に行ったとしてもロイヤルオークに関しては予約も購入も出来ない状態だそうです。2022年はロイヤルオーク50周年ということもあり、アニバーサリーモデルが発表されています。いずれも入手困難なのは間違いありませんが、新モデルに関しては予約が今後できる可能性もゼロではないと思います。
ロイヤルオークを買う方法
オーデマピゲ正規販売店で「ロイヤルオーク」を新品定価購入することはかなり困難な状況です。ロイヤルオークを買うことが出来たお客様から話を聞くと、「ロイヤルオーク」ではなく、「ロイヤルオークのオフショア」や「CODE11.59バイオーデマピゲ」(コードイレブンフィフティナイン)など、他のモデルを購入してやっと購入することが出来るかどうかのようです。そのような状況だという話をよく耳にします。人気の高いステンレススチール製の3針ロイヤルオークを正規店で購入できる人はほんのわずかなのです。確率は低いけど、どうしても正規店で買いたい!という方は是非オーデマピゲに通って希望モデルをGETしてください。購入出来た時の喜びはきっと格別なものになるはずです。
ロイヤルオークを正規店以外で買う方法
2022年現在、前述でもお話ししましたが正規店でのロイヤルオークの購入は非常に困難です。「どうしても欲しい」、「高くてもいいから早く欲しい」と思う方はこちらを参考にしてください。正規店以外で購入する方法は、「中古販売店で在庫を探す」ことが手っ取り早いです。中古販売店では、買取した商品を販売するためにインターネット上のサイトに出品することが多いです。
特に、店頭販売を行っている店舗ではインターネットサイトは重要な販売手段です。欲しい商品が見つかった場合は販売店をチェックし、問い合わせをして購入することが安全です。高級時計を多く取り扱っている店舗がおすすめです。取り扱いが多いということは、商品知識や、メンテナンスを確実に行っていたり、アフターサービスもしっかりしている可能性が高いです。オーデマピゲは高額なので、購入時の失敗は確実に避けたいところです。オーデマピゲの取り扱いや、知識、メンテナンス、アフターケアもしっかりとした、お店での購入をおすすめします。
オーデマピゲは時代を経ても愛され続ける時計ブランド
オーデマピゲは1882年から現代まで100年以上続く、老舗高級時計ブランドです。その技術やこだわりは創業者一家の経営を守ることで代々受け継がれており、著名人をはじめとして多くの愛好家に好まれるブランドになっています。
まとめ
今回の記事では「オーデマピゲの歴史」、「オーデマピゲ ロイヤルオークが定価より高い理由・正規店で新品は買えるのか」についてお伝えさせて頂きました。2022年も価格は上昇していく可能性のほうが高いのではないかと言われていますが、4月の50周年記念モデルが市場に流通すれば一時の落ち着きを見せる可能性もございます。これだけ高騰が続いている為、中古で購入するにも躊躇してしまうと思います。現状をしっかりと見極めて購入しましょう。