目次
大切なアイテムはお手入れをすることが大切
覚えておきたい基本的なお手入れ方法
アイテムの美しさを保つために、基本的なお手入れが欠かせません。たとえそれが耐久性や防水性に優れているとされるルイ・ヴィトンのような高級ブランドであっても、お手入れを怠ると品質が低下してしまいます。このような劣化は、日頃から少し注意を払うことで防ぐことができます。
お手入れの基本:5つのステップで長持ちさせよう
①ブラッシング:アイテムに付着しているホコリなどを馬毛ブラシでブラッシングしたり、ポリッシングクロスなどで拭きます。
②クリーニング:クリーナーを使用して汚れを丁寧に落とします。
③防水・防汚処理:水や汚れの付着を予防するために、防水スプレー・防汚スプレーなどを使用します。
④栄養クリーム:レザーアイテムは、ヒビ割れを予防するために、栄養クリームなどを使用します。
⑤仕上げ:ポリッシングクロスで乾拭きしたり、馬毛ブラシなどでブラッシングして仕上げます。
時間と共に深みのある味わいが増すヌメ革(ヌメレザー)
ヌメ革は、植物の渋が持つ成分「タンニン」を用いてなめした、高品質でナチュラルな革です。ヌメ革のヌメとは、革の加工方法を表します。天然素材の性質を活かせるヌメ革は、バッグや財布、靴、小物類などによく使用されています。その表面にはシワや傷、模様などがそのまま表れ、経年変化によって深みのある風合いが増すからです。
また比較的柔らかな質感は手に馴染む感触で、使い込むほどに味わい深くなることが魅力です。革本来の質感や風合いは残されるので、高級感や上品さを引き立てる素材として高く評価されています。多くの高級ファッションブランドが、ヌメ革を採用するのも当然といえるでしょう。
ルイ・ヴィトンではバッグの持ち手や、底部、ファスナーの引き手などによく使われています。
ヌメ革のウィークポイント
ヌメ革は美しい風合いや耐久性で知られていますが、少しデリケートなので、注意が必要な点もあります。水に弱いので、水分がシミや変色の原因になることがあります。長時間の日光曝露によって色が褪せることがあります。柔らかいので傷がつきやすく、取り扱いには気を付けましょう。また、油や汚れを吸収しやすいので、定期的なお手入れが大切です。
染料を手作業で塗布するため、色ムラが生じることもありますが、これは革の特性として受け入れられています。
ところで防水スプレーってどういうもの?
防水スプレーは、さまざまな素材や製品を水や汚れから保護するためのスプレー状の製品です。一般的に、防水スプレーは表面に薄い保護膜を形成し、水や汚れが浸透するのを防ぐ効果があります。靴や衣類、バッグ、アウトドア用品など、さまざまなアイテムに使用されます。
防水スプレーの選び方
革の種類やメーカーの推奨を考慮することが重要です。一般的にはヌメ革に使えるフッ素系の防水スプレーや、革製品のメンテナンスに適した製品を選ぶことが良いでしょう。また実際に防水スプレーを使用する前に、革に影響を及ぼすかのテストは行った方が安心です。
防水スプレーを使用することで「スプレー跡が残る可能性がある」「クリームが入りにくくなる」などのリスクも生じますが、それでも使用した方が方がいいと考える理由は「水シミを減らし、汚れ防止する」というメリットが偉大だからです。
選ぶ際のポイント
防水スプレーの選び方と人気のブランドを一部ご紹介いたします。ただし、正確な情報を得るためには、ルイ・ヴィトンや革製品専門のショップに相談することをお勧めします。
革専用:ヌメ革に適した製品を選びましょう。一般的な靴用の防水スプレーなどは、ヌメ革の特性に合わない場合があります。
メーカーの推奨:ルイ・ヴィトンの公式ウェブサイトや取扱説明書などで、推奨されている製品を確認してみてください。
テスト:使用する前に、目立たない部分でテストすることをお勧めします。革の色落ちや変色のリスクを軽減するためです。
人気のブランド
Collonil(コロニル):革製品のお手入れで有名なブランドです。ヌメ革向けの防水スプレーも商品化されており、防水透湿素材に対応したUVプロテクション成分配合の製品が販売されています。
Saphir(サフィール):フランスのブランドです。高品質な革製品のケア用品を提供しており、ヌメ革に適した製品も取り扱っています。
Angelus(アンジェラス):靴用の製品を提供しているブランドです。一部の製品はヌメ革にも使用できる場合があります。
おすすめの保管方法
水だけではなく、他にもシミを作ってしまう原因が、実は自宅内に潜んでいます。それは「湿気」です。湿気による変色や、カビの増殖などが発生してしまうと、最悪の場合「修復不可」となってしまいます。そこで、お勧めの保管方法をいくつかご紹介します。
保管方法
バッグの内側やポケットに乾燥剤を入れておく
バッグの中は勿論ですが、内ポケットや外側のポケットにも乾燥剤を入れましょう。100円ショップなどでも売られているシリカゲルは、電子レンジで再生するので再利用できます。
通気性の良い布に入れる
元々バッグに付属している収納袋は分厚いことが多いです。残念ながら通気性には優れていません。不織布など通気性の高い布袋に入れ、ほこりなどが付着しないようにしましょう。
風通しのいい場所で保管
日本の気候は湿度が高く、収納先のクローゼットの中は湿気が溜まりやすいです。定期的にクローゼットも換気し、バッグも外に出して日陰で干してあげましょう。
ルイ・ヴィトンのラインと採用されている素材
ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)について
ルイ・ヴィトン氏によって、1854年パリで旅行鞄専門店として創業した、フランスの高級ファッションブランドです。「旅」をコンセプトの軸に置き、バッグや財布、靴などの皮革製品、アクセサリー、アパレル、インテリアなどを手がけています。歴史と伝統に支えられたラインナップは、独自のデザインと高品質な製品で知られています。ルイ・ヴィトンの商品は、特有のモノグラムパターンやアイコニックなデザインが特徴であり、世界中で高い人気を誇っています。
ルイ・ヴィトンが選んだ素材
1854年の創業以来、その洗練されたデザインと実用性により愛されているルイ・ヴィトン。地球規模での知名度や認知度からも、ハイブランドの代名詞であるといっても過言ではないでしょう。代表的な「モノグラム」や「ダミエ」など、長い歴史の中で時代や流行に合わせて、さまざまなラインが生み出されました。当然、素材の種類も多岐に渡ります。
世界一有名な「モノグラム」
誰が見てもルイ・ヴィトンだと一目でわかる柄です。幾何学模様と頭文字である「L」と「V」を掛け合わせたモノグラム・モチーフは、1986年の誕生以来ブランドのシンボルであり続けます。実は革ではなく合成皮革である「トアル地」が採用されています。
トアル地は丈夫な綿素材にポリ塩化ビニルでコーティング加工された素材です。モノグラム・キャンバスを始め、鮮やかな色彩でエナメル加工が施されたされたモノグラム・ヴェルニ レザーなどがあります。
モノグラム・キャンバス
ルイ・ヴィトンのアイコニックな素材。世界一有名なこの柄は、創業以来変わらぬルイ・ヴィトンの象徴となっています。カラーリングはベージュとマロンカラーの上品な濃淡色で、グラフィックさが実に秀逸です。ハンドバッグ、トートバッグ、ウォレットなど幅広い製品に使用されています。
モノグラム・ヴェルニ レザー
カラフルで光沢のあるレザー素材。発売当時アーティスティック・ディレクターを務めていた、マーク・ジェイコブス氏の考案により製作されました。華やかなビビットカラーは斬新で、色彩美を誇ります。特にバッグや小物で人気です。
伝統ある市松模様「ダミエ」
ルイ・ヴィトンのもう一つの象徴である「ダミエ」。実は、「モノグラム」よりも歴史が古く、1888年に誕生しました。ダミエはフランス語で「市松模様」という意味があり、その名の通り小さな四角い模様が等間隔に配置されたデザインです。クラシックでありながらモダンなこのパターンは、そのシンプルで洗練された印象から、男女問わず圧倒的な人気です。
定番のダミエ・キャンバスをはじめ、紺碧ブルーとアイボリーが若々しいダミエ・アズール キャンバス、ブラックとグレーの陰影がシックなダミエ・グラファイト キャンバスなど、幅広いスタイルやシーンに適したデザインとなっています。
ダミエ・キャンバス
ベージュと茶褐色をベースにしたチェック柄が特徴。リッチで落ち着きのあるデザインです。素材はトアル地が採用されています。バッグや小物に多く用いられています。
ブランド感を控えたさりげないルイ・ヴィトン
エピ・レザー
ツヤのある滑らかなレザー。「エピ」とはフランス語で「麦」を意味し、素材に施された線状の型押しが、風で揺れる麦の穂を連想させることから、この名がつけられたそうです。シンプルで大人っぽく、さりげなくルイ・ヴィトンを使いたい方に人気があります。バッグ、財布、アクセサリーなどで利用されています。
タイガ・レザー
「タイガ」はロシア語で「針葉樹の森林地帯」を意味します。高品質な牛革がベースで、精巧な型押しがシックで凹凸のある縞模様、通常は単色です。ルイ・ヴィトン初の本格的なメンズラインとして登場し、スタイリッシュなデザインでビジネスシーンを意識したアイテムに採用されています。
ユタ・レザー
深みのある色調の柔らかい牛革には、クラシカルな型押しが施され、落ち着いた大人の印象を受ける素材です。メンズコレクションを主にしているラインは、ヴィンテージ調の金具を使用し、力強いステッチ使いで渋めのデザインが展開されています。「ユタ」とは、西部開拓時代のアメリカ南西部ユタ州をイメージして名付けられました。財布や名刺入れ、ショルダーバッグやトラベルバッグとバリエーションが豊富です。
まとめ
防水スプレーとルイ・ヴィトンについて少しお話ししました。大切なアイテムの美しさや価値を長く保つためには、定期的なお手入れが欠かせません。革製品に最適な防水スプレーの選択も、品質を維持する重要な要素と言えるでしょう。ブランドのアイテムを大切にすることで、そこに詰まった思い出や思い入れが、これからも私たちの人生に色とりどりの輝きを加え続けてくれるはずです。