掛け軸の保存方法:古い書画の劣化を防ぐためのポイント | 函館山の手店
伝統文化のひとつである「掛け軸(かけじく)」は、絵画や書を表装して飾るための形式として、茶道や床の間の文化とともに発展してきました。
しかし、紙や絹を用いた繊細な素材であるが、掛け軸は経年とともに劣化しやすく、適切な保存や管理がされていないと、シミ・カビ・破損といった問題を防ぎます。この記事では、古い掛け軸を長く美しく保つための保存方法と、注意すべきポイントについて解説します。
掛け軸の劣化原因とは?
掛け軸が壊れる主な原因は以下のとおりです:
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湿気・による紙や絹の圧迫、乾燥歪み、カビの発生
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紫外線による退色や変色
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虫害による損傷(特に和紙ペーストが良い)
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誤った取り扱いによる大胆や折れ
これらを防ぐためには、日々の取り扱いと保管環境に十分な配慮が求められます。
掛け軸を撮らせるための保存ポイント
1. 直射日光を避ける
掛け軸は非常にデリケートな素材で構成されているため、紫外線の影響で色あせや紙の劣化が進みます。展示時は日光が当たらない場所を選んで、もしかしたら紫外線カットフィルムを使った窓や照明の工夫も効果的です。
2.湿気と乾燥に注意する
湿気の多い梅雨や、乾燥する冬場には特に注意が必要です。理想的な保管環境は湿度40〜60%、温度15〜25℃程度とされ、湿度が高すぎるとカビ、低すぎると素材のひび割れを招きます。
・除湿剤を使う場合は直接掛け軸に触れないように、
・湿気のこもりやすい押し入れなどではなく、通気性のある環境がすぐに立ち上がります。
3.長期展示は避け、定期的に巻いて保管する
掛け軸はとりあえず掛け続けることにせず、1ヶ月〜数ヶ月ごとに取り外して休むのが理想的です。
巻く際は、暖かく、力を入れずにゆっくりと行うことが大切です。
4. 防虫・防カビ対策する
和紙や布に含まれるペーストは、虫やカビの栄養源になることがあります。防虫香や防虫紙を桐箱に一緒に入れて保管すると効果的です。
取り扱いの注意点
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手で直接接触する際は必ず手を洗うか、手袋を着用しましょう。
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取り扱い中に折れやすい部分(上下の軸や裂地の境目など)には特に注意を。
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保管箱には「表具名・作者名・制作年代」などをメモっておくと、管理がしやすくなります。
修復や再表装について
すでに汚れや破損が見られる掛け軸については、専門の表具師や文化財修復士による再表装や修復が必要となる場合もあります。素人の判断で修理を試みて、現状を悪化させてしまう可能性があるため、価値のある作品ほど専門機関に相談しましょう。
まとめ
掛け軸は、日本文化を象徴する美術工芸品であり、正しい保存と取り扱いをすることで、世代を超えて受け継がれることが可能です。湿気・光・虫害といった環境リスクを避け、適切なケアと保管によって、古い書画もその美しさを長く置くことができます。
ご自宅に睡眠掛け軸や古書画がある方は、今一度保管状態を見直してみてはいかがでしょうか。 そして、価値を見極めたい場合は、専門の鑑定や買取相談を受けてみる一つの方法です。